元料理人だけあって、料理の描写がいい。
フレンチのぜんぜん食べたことないような料理なのに、
味が想像できるくらい。

ストーリーは、わりと単純。
おもしろいことは、おもしろいが、
途中からなんとなくわかってくる。

残念なのは、主人公は一応料理人の幸太なのだが、
刑事の青山のキャラが濃すぎて、
どちらの気持ちで読めばいいのか混乱する。
青山も、主人公なみの活躍をすれば、
いいのだけれど。

ただ、ラストはちょっとびっくり。
これにはゾクッときた。


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「シンデレラ・ティース」との姉妹編。
あちらのサキちゃんは、「ほのぼのお仕事ちょっと恋愛」で、
いま風の「ゆるふわ愛され系」な感じがして、
それはそれで、さらっと面白く読めた。

ところが、こちらは「熱血青春系」。
暑い沖縄で、熱いヒロちゃんが、
汗水、そしていろんな涙を流す人情物語のようだ。

わたしは沖縄にあまり興味がなく、
そして、いいイメージを持っていない。
ここでは、その「いいイメージ」でない沖縄も描かれている。

たとえば、全体にゆるくていいかげんなイメージや、
常夏の島でロハス暮らしを夢見る、
都会に疲れた人が集まってくるイメージ。
おそらく、その部分はヒロちゃんも納得いっていない。

そんな人達を、厳しくも優しい目で見つめるヒロちゃん。
かっこいいなぁ。

ヒロちゃんは、社会人になったら、絶対苦労する。
なんでも自分でしてしまうのだから。
適当に手を抜きつつ、ジューシーを思い出してがんばれ。


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長編もいいけど、短編もいつも小気味よい伊坂さん。

音楽全体を「ミュージック」と呼び、
そのミュージックを愛し、
深夜まで営業する大型CDショップの試聴機の前で、
なぜか出会ってしまったりする死神(たち)の話。

とにかく死神の「千葉」が魅力的。
その時々で風貌や年齢なんかも変わるようだが、
どの人もきっといい人そうに見えるように、
変身してるに違いない。

短編なので、とりあえず一話完結なのだけど、
最後にああいう風に繋がる部分もあるとはねぇ…。
ふーん、やるなぁ。


死神の精度 (文春文庫)/伊坂 幸太郎
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