山の様子を伝える記事が続きましたが、その間にも秋の農作業などは続いておりました。
一日や二日山へ行ったおはなしを数回に渡って書いてしまうものですから山へばかり行っているようですが、そういうわけではありません。

9月の下旬から10月上旬にかけて、くりの収穫と出荷をしていました。
父とじいさまが朝、昼に拾い、夜に小屋で選別して出荷します。
かつては、生食用で出荷していましたが、近年は生食用のくりはあまり人気がありません。
というのも、食べるまでに皮をむいたりする手間がかかるためだと思われます。
ひどい時には、1kgあたり80円ほどまで値段が下がり、出荷する方も付近の集落でもいなくなりました。現在うちでは加工用で出荷していますが、不思議なことに生食用よりも単価がかなり高く買い取ってくれるのです。

夜な夜な選別を・・・。
生食用のころには、一粒一粒布で拭いて夜遅くまで作業をしました。
今は加工用で、あまり丁寧に拭かなくてもよいということです。
山の草とか花とか虫とか-クリの選別

あまりにちいさいものは網で選別してふるい落として自家用になります。
山の草とか花とか虫とか-サイズ選ぶ

今年はなぜか虫くいのくりが少ない年になりました。
でも、やっぱりおりますね。
これがくりにかなりの割合で住まいしているクリシギゾウムシの幼虫です。
やあやあ、こんばんは、というように顔を出しました。
山の草とか花とか虫とか-クリシギゾウムシ登場

面白いのは、くりに開いた穴が幼虫よりずいぶんちいさいのです。
実の左側に見える黒いしみのようなのは、虫が入っているしるしです。幼虫も成虫もたいへん可愛らしい虫なのですが、増えすぎては困ります。
山の草とか花とか虫とか-クリシギゾウムシと出てきた穴

多い日には、一度に100kgほどの出荷になりました。うちにある入れ物という入れ物を総動員して栗を入れておりました。
今シーズンは700kgほどの合計でした。かつて、ぼくの小学生だったころにはトン単位で出荷していましたが、あれから木も年老いたのもあり少なくなってきました。
山の草とか花とか虫とか-クリ
くりは、そうですね。縄文のころには冬の大事なカロリー源であったそうです。
それと、今年の虫くいの少ないことについて、父の推測ではカエルの仕事ぶりで虫が少ないのでないかということがありました。

このところ、雨が降るたびに大きくなったカエルたちが水辺から山へ、道路を横断していく様子を見ることができます。
カエルの姿を見ると、クルマを停めて、どの種類のカエルなのか確認しておりました。
これはニホンアマガエルですね。くわっくわっ。
山の草とか花とか虫とか-ニホンアマガエル

こちらはトノサマガエルです。くるるるくるるる。
山の草とか花とか虫とか-トノサマガエル

こちらはシュレーゲルアオガエルです。きるるきるる。
山の草とか花とか虫とか-シュレーゲルアオガエル

うちの栗林は、田んぼのすぐ上にあり、父は栗拾いをする際に、カエルたちがたくさんいるのを見ていたそうです。
今年はなんだかんだで、ちょうどよく雨も降り、田んぼではいつもの年以上にカエルが大人になれたようです。
そんなわけで、父の説ではカエルたちが栗を食べる虫をあらかじめ食べてしまったのでないか、と。

陽射しのある日には、フタモンアシナガバチのオスたちが、ひと夏の最後の時を惜しむように陽だまりに集まり、お互いにちょっかいを出してじゃれるようにしていました。
この時期に陽だまりに集まっている姿をよく見かけますが、オスは顔が黄色っぽく触角の先がくるんと丸くなっています。
今年の春先に、ぼくが営巣を確認していたフタモンアシナガバチの巣は、どれも途中でだめになってしまってハチたちの行方を心配してもいたのですが、これくらいオスが残っているなら来春の女王たちもどこかに生き残っていてくれるのでしょう。
山の草とか花とか虫とか-フタモンアシナガバチ

柿の実もオレンジ色になりました。
山の草とか花とか虫とか-柿

田んぼでは稲の掛け替えの二度目をしておりました。
二回目の掛け替えでは、稲の穂を内側に、根元を外側にして重ねていきます。
茎も含めて全体を乾かすことでより乾燥させることができます。
お米は、実は干物でもあるのですね。ぜんまいなども干物にしますが、その際にはやはり天日のものに風味や味わいの点で軍配があがるものです。ぜんまいも機械乾燥もありますけれどもね。
お米だっておんなじだと思っております。干物は手間が肝心です。
山の草とか花とか虫とか-掛け替え2回目

稲の刈り跡の株からは新しく葉が芽吹き。
山の草とか花とか虫とか-稲の茎から葉っぱ

田んぼは再び早苗の時期を迎えたように見えていました。
山の草とか花とか虫とか-再び早苗の様子

田んぼからは、稲穂が無くなり、虫たちの姿も消えて、カエルたちも自分の仕事の季節の終わりを察したのでしょう。そんなわけで山へ帰っていったのですね。雪の時期の水辺は凍りますから、カエルが冬を越すのに適しません。山の中の落ち葉の中で眠りにつくのです。

今年の初夏に、おたまじゃくしたちが田んぼでたいへんに仕事をしているということを書いていました。その後も、田んぼで虫たちが増えすぎるのを抑えたり、栗林で虫を食べたりして仕事をしていたのです(父の説ですが)。
たいへんな分量の仕事であったと思い、お給金をおあげしたくてもカエルたちにはルンペルシュチルツヒェンよろしく命の無いものには興味がありません。
彼らの仕事に報いるには、来春にまた田んぼを耕す、それが山の田んぼのカエルたちとの約束です。
さて、小朝日岳で集合写真を撮ったりしながら過ごし、帰り道は見事な紅葉を眺めすぎたせいでちょっと予定時間よりも遅れ気味になってしまいました。
すこし足を速めて下山していきます。

南に御影森山が美しく見えています。
あちらにも行きたい。
山の草とか花とか虫とか-御影森山

小朝日から下って、古寺山手前の鞍部のあたり。
こんなふうな紅葉もよいですね。
山の草とか花とか虫とか-古寺山手前の鞍部

オヤマボクチは綿毛の時期になっていました。
なんというふわふわ、ボリュームでしょうか。
犬の頭の、耳と耳の間の毛並みのようです。
山の草とか花とか虫とか-オヤマボクチのふわふわ

よーしよしよし、と撫でたくなる毛並みです。
山の草とか花とか虫とか-オヤマボクチのふわふわ2

古寺山の山頂に、のんびりとガスの動くのを眺める方がありました。
小朝日は雲に覆われていきます。
山の草とか花とか虫とか-ガスに包まれる小朝日岳

タムシバの実。
山の草とか花とか虫とか-タムシバの実

ミズキの実。
木々も実りの季節ですね。
山の草とか花とか虫とか-ミズキの実

三沢清水で休憩しました。
やっぱりみそぱんを食べます。
山の草とか花とか虫とか-みそぱん

やがてブナの樹林帯へ至り、明るいブナの森のなかを下っていきます。
山の草とか花とか虫とか-ブナの森をくだる

ほんのり紅葉していますが、まだこれからが色づきの本番のようです。
山の草とか花とか虫とか-ほんのりブナの紅葉

あら、これはちょっと珍しいかも。と思ったのがヒトツバカエデ?
実はカエデの実ですが、葉っぱはぜんぜんカエデっぽくないというカエデです。
山の草とか花とか虫とか-ヒトツバカエデ

古寺鉱泉近くでは、センノキの黄色い大きな葉。
山の草とか花とか虫とか-センノキの葉

最後は駆け足になってしまいましたが、全員無事に古寺鉱泉へ下り、その後、街へ向かうバス(貸切でございます)に乗って、温泉に立ち寄り、汗を流して解散になりました。

解散後、遠くからいらしたゆめさんが、うちの田んぼを見てみたいということで、田んぼへ。
ブログで見た様子が実際に目の前にある、なんてことでびっくりしていただいておりました。
山の草とか花とか虫とか-田んぼ

せっかくなので、夜行バスの乗り場へお送りして、その途中に山形名物の冷たい肉そばを。
山形の人にはいつもの味なんですが、ちょっと変わったそばの食べ方です。ゆめさんも、東京ではこの味付けは食べたことがないということでした。
山の草とか花とか虫とか-冷たいにくそば

それと、スターバックスへ。
山形市にも数年前にスターバックスが出来たのですが、行く機会がありませんでした。
東京ではスターバックスがたくさんあるということです。
写真の撮り方などのおはなしをしたりしながらコーヒーをいただいたりしてその後、駅へ。
山の草とか花とか虫とか-スターバックス

というようなわけで、紅葉の大朝日岳へ行ったおはなしはおしまいです。
もう先週のことになりました。
大朝日へ行ったおはなしはまだもうちょっと稿をいただかなければなりません。
印象的な山の様子があったものですから。
小朝日岳の熊越えからちょっと上のあたり。このあたりがなかなかに見事な色合いでした。
山の草とか花とか虫とか-小朝日岳の西

近くの木を見ると、ブナの黄色。
山の草とか花とか虫とか-ブナの黄色

マルバマンサクも黄色くなっております。
マンサクは赤くも、紫っぽくもなります。
山の草とか花とか虫とか-マンサクの黄色

小朝日の岩壁が近づきます。
山の草とか花とか虫とか-岩壁と紅葉

小朝日は大朝日方向から見ると、こういった峻厳たる山容をしております。
参加者からは、こんなに立派な山なのに、小朝日という名前が可哀想だ、と。
別ななにかしらの名前をつけようなんてことを言っておりました。
(同様に中岳もかわいそうだと言ってましたが)
岩壁をおおきくとってみると、やあやあ、やっぱりなかなか見事なものですね。
山の草とか花とか虫とか-岩と赤

ダケカンバのねじれた力強い樹形。
明るくなった色合いの葉。
山の草とか花とか虫とか-ダケカンバの木

歩きながらこれのおはなしもしました。
オオヒゲナガカリヤスモドキ、です。
オ、オ、ヒ、ゲ、ナ、ガ、カ、リ、ヤ、ス、モ、ド、キ 。です。
山の草とか花とか虫とか-オオヒゲナガカリヤスモドキ

二日目は晴れましたので、小朝日岳の山頂を経由して帰ることにしました。
巻き道の分岐から、山頂を目指します。
足元の落葉のぱりっと残っているのが登る方の少ない静かな山であるのを示しております。
山の草とか花とか虫とか-道の上の落葉

結構急な登りを再び汗をかきながら登っていきます。
トンネルですね。木々のトンネルです。
山の草とか花とか虫とか-紅葉のトンネル

先ほどまで見ていた熊越えの上のあたり(今日の写真の一枚目)を登っているところです。
紅葉のまさにそのなかを進みます。
ぼくのすぐ後の赤い帽子がゆめさんです。
山の草とか花とか虫とか-紅葉の中を登る

ダケカンバの葉。
山の草とか花とか虫とか-ダケカンバの黄色

木々のトンネルを抜け、木の高さが小さくなったところに来て振り返ると大朝日岳のこの景色です。いやあ、お見事。
山の草とか花とか虫とか-振り返る大朝日岳

空に秋の雲。
青い空。
山の草とか花とか虫とか-青い空

わっしょい、あともうちょっとで小朝日岳の山頂です。
山の草とか花とか虫とか-小朝日岳を行く

進む先も真っ赤。
小朝日山頂の北西の斜面の様子です。
山の草とか花とか虫とか-真っ赤

小朝日岳の山頂の付近。
山頂付近は、ハイマツとササの緑色が目立ちました。落葉樹は葉の落ちたものもありました。
ちょっとの標高で植生や風の影響が違っているのでしょうね。
山の草とか花とか虫とか-大朝日岳を背景に

この後は、朝に見た雲海のそのなかへ下りていきました。