新しい道標が出来ていました。
昨年の夏から秋にかけて設置作業をしていたものです。
ごろっとして丈夫そうです。
新しい道標

夕ごはんの後、日が暮れるまではまだちょっと時間があったので、周囲の草の様子を観察に。
岩の間から生えてきているのは、これはミヤマリンドウの葉かな?
ミヤマリンドウ

こちらはタカネマツムシソウのちいさな葉。
タカネマツムシソウ

スギゴケの仲間(ハリスギゴケというのでないかと思っておりますが)は、ちいさな胞子の茎を伸ばしておりました。胞子の袋の先っちょは無く、冬の風に乗せて胞子を飛ばした後かもわかりません。
スギゴケの仲間

ちいさなハイマツ。小さくっても、もう数年くらい育っておるのでしょうか。いえ、もっとかもしれません。
ハイマツのちいさいの

朝日連峰の山開きのころに見ごろになるヒナウスユキソウは、まだ米粒よりもちいさな芽でした。
ヒナウスユキソウ

小屋から北方向へちょっと下がって金玉水付近の鞍部の箇所。
数年前に敷設した侵食を防ぎ、植物の芽生えを助けるネットの場所です。
丈夫なはずの麻のネットは、風によってでしょう、ぼろぼろとなってきておりました。
ほかの箇所では、芽吹く芽が増えているところもありますが、ここはまだね、もうちょっと先のことになるのでしょうか。
金玉水の上部の鞍部のネット

登山道近くの様子です。土にひびが走るように模様になっていました。
凍って解けてを繰り返しているのでしょうか。
土の模様

山頂に行った際よりももうちょっとはっきりと飯豊の山なみが見えました。神々しさのある山なみであります。
飯豊が見えた

コゴメツガザクラとおぼしき葉にちいさくつぼみがそろっておりました。
咲きほこるところを見てみたいものです。
コゴメツガザクラのつぼみ

そんな具合で、日没までゆっくりと周囲を散策しておりました。風は、ここでは珍しいくらいに穏やかで、寒さも感じず。
この後就寝しましたが、冬用の寝袋を持って行っておったので、たいへんに暖かく、朝の日の出後までぐっすりと眠りました。

朝です。
ぼくの今回の朝ごはんは、フルーツグラノーラにお湯をかけたもの。
お湯をかけるとちょっと火が通るというか、ふにゃっとしたおかゆのような舌触りが出ます。
これを2杯。フルーツグラノーラは、そのままも食べられるので、非常食にも、おやつにもよいなと思います。スーパーやコンビニでおいているので、忙しくても特別なお店に行かなくてよいのも楽ですね。
朝ごはん

小屋の中にいたやや大きめなハチです。
死んでいるのかと思ったら、触って手に乗せているうちに動き出しました。
さすがにあわてて窓のふちに。
帰ってきてから調べてみるとニッポンホオナガスズメバチというのに似ておりました。
高山性のスズメバチの仲間だそうです。スズメバチとなっている割合に小さく、アシナガバチをひとまわり太らしたようなサイズ感に思いました。
ニッポンホオナガスズメバチ

小屋のほかのパーティの方たちは、朝の支度を終えて帰途に着きます。
出発するひとたち

ぼくらは、小屋の戸締りなどを確認して帰ることに。
小屋の南の雪が残るところから、この時期だけ撮れる角度の大朝日小屋。
小屋

小屋の周りには、ちいさな鳥たちがにぎやかでした。イワヒバリのようです。
かなり足元に来ても逃げないのですね。人を気にしないで草の実を探したりしておりました。
望遠レンズでないので、近くにいても大きくは撮れなかったのですが。
イワヒバリ

この後、ふもとへ向かって出発します。
銀玉水から雪の上を登り、大朝日から続く尾根の肩のところに着くと、また雪は少なく、常緑の葉のいろいろなのがありました。
イワカガミにシャクナゲのなにかしら、ミツバオウレンにゴゼンタチバナ。みっちりと生えておりますね。
常緑のいろいろ

すっかり高山帯の景色となった山肌を進み、そろそろ朝日嶽神社奥の院です。
奥の院のところ

山の神様。今年も来ました。
奥の院

道沿いを覆うガンコウランの葉が、赤茶色に枯れたようになっていて、昨年もこんなだった???とびっくりしてしまいました。
帰宅してから調べてみると、冬にはこんなふうになるらしいとのこと。
同じ葉が夏には緑に戻るのでしょうか?それとも新しい葉が出るのでしょうか?
ガンコウランの赤い葉

小屋に到着したのは15時を回ったところでした。
のんびりと登ったなあと思ってはいたわけですが、8時間ですから、まあまあ、やっぱりかなりのんびりペースでした。半年ぶりの大朝日でしたが、足はやや疲れたものの体力的にはゆっくり登った分なんともありませんでした。一安心です。

さて、小屋の前のここ。
なんと、鐘がありません。
鐘が無い

にゃ~ん。
小屋番さんちのにゃんこ

いえ、大朝日から戻った後日。小屋番さん宅に伺った際の、小屋番さん宅のにゃんこです。
ここでいきなりはなしが飛びましたのは、そう、鐘。鐘がですね。この冬に長年のおつとめで磨り減った付け根の部分を修繕しまして、すっかり直って、今はふもとにあるのです。
毛布で養生したままの状態ですが、体重測定したところ8kgとちょっと。鐘自体はおそらく8kgちょうどくらいでないのかな、と。
鐘、毛布に包まれて
朝日連峰の夏山開き(今年は6月15日だそうです)の前には、小屋の定位置に戻しておきたいものです。せっかくの機会なので、ぼくはこれをぜひ小屋に背負っていきたいものだ、とそんなふうに思っております。小屋番さんの都合と、ぼくのお休みと穏やかな天候が合えばよいなあと願っておりました。

さて、そう。せっかくなので山頂へ。
山頂近くまで行くと、祝瓶山の向こうにうっすらと、うっすらと飯豊。見えますかね?
うっすらと飯豊

そろそろ山頂。
山頂

山頂近くの地面に裂け目が。
昨年もこんな様子がやや見受けられました。東側の雪にひっぱられているのでしょうか。
登る途中に、土がはがされたところを見ましたが、あんなふうに、遠い将来はだんだんとここも雪に削られていくのでしょうか。あまり一気に崩れたら困りますが、それも山自身の営みでもあるのかもしれませんね。
山頂近くの崩れ

登ってきた方向から回り込んで撮った三角点近くの銘盤。
左奥に三角点があります。
山頂です

一緒に登った方とあちらこちらの山を眺めてから下りました。
下る途中から見た以東岳方向。よいなあ。
もうちょっと雪が減り、残雪の模様のバランスの良い時にも撮って見たい場所です。
朝日連峰全景

小屋に戻り、ぼくにはもうちょっと用事がありました。
写真は小屋の南側。トイレは、ちいさく開いている扉の上にあります。
小屋南側

実は、今年。4月の末に、小屋番さんが一足先に小屋へ確認に入ったところ、トイレの周りと、入り口部がすべて凍りつき、玄関の扉が開かず、トイレも使えず、という状況になってしまっていたのです。冬用に二階にも入り口があるので小屋には入れることは入れるのですが。
今回登ったのは、その状況確認、可能なら復旧作業。簡易トイレを持って行く、ということも兼ねておったのです。
小屋の南側、東から

結果的には、到着した日には、前日までに小屋番さんが氷を溶かしたり砕いたりしてくれてトイレはひとつだけ使用可能に、玄関の扉も開くようにしてくれていました。
現地の状況の確認(町や県などに報告しないといけないのです)と撮影を。
今回のその凍りついた水は、小屋の南側の大朝日方向から、雪解け水がトイレの浄化槽(灰色で書いた部分)の上に張っていた氷の上を流れ、小屋に直接注ぐようになり、トイレの下のちいさな扉の隙間から浸水したのでないかとのことでした。浄化槽やトイレの下あたりは、まだ凍っておりましたが、あまりお見せするようなものでないので控えておきましょう。
小屋の南側、東から 書き込み
ここのトイレは外部からの水や、電気、外部への放流無し、のバイオトイレだそうです。
でも、凍ったり、便以外のものをトイレに捨てる方があったり、いろいろな要因で実際にはうまいことばかりはいきません。使用した紙も捨ててはいけないので、小屋管理の仕事の一部として、ふもとまで小屋番さんや荷揚げの帰りなどに背負って下ろしておるのです。
なかなか目に付かないあれこれの作業があるものなのです。

とりあえず、トイレがひとつだけでも使用可能になったので安心したところでした。全部で4つのトイレがあり、残り3つは浄化槽の自然解凍を待つことになりました。夏山開きのころまでには溶けてくれるのでないか、と。

安心したところで、ほかの方と一緒に明るい時間のうちに夕食です。
この日のぼくの夕食メニューは、スパゲッティです。
お湯がもったいないので、コッフェルの半分ほどにお湯を沸かし、短めの麺を入れます。
スパゲッティ

水の分量としては、ゆでるというより炊く、という感じ。
ちょうどよい柔らかさ(ちょっと芯が残るぐらいが歯ごたえがあって好きです)になったら、市販のスープを。この日はコーンスープを使いました。トマトのスープなども合いますね。
出来上がり

ぼくは山でも質素な食べものばかり好むので、夕食はこれだけのつもりでしたが、その様子を不憫に思ったのか、先輩の一人が豚肉の大きなのをプレゼントしてくれました。おいしゅうございました。

久々の山でしたから、ついつい長く書いてしまっております。
この後、夕暮れまで小屋付近の草の様子を見に行きました。

小朝日岳から大朝日方向へ下って行きます。
小朝日岳と大朝日の最低鞍部の熊越えまでは、ちょっと傾斜の強い箇所をくだっていきます。
ここは登山道が踏み跡でだんだん深く掘られ、そこに雪がたまって残る、という状態になっておりました。
雪は板のような氷も混じりいきなり滑るところもありました。
こういうところは、ピッケルのほうがだんぜん安心感があります。
まだらに雪の残る

あ、ツルツゲです。
ツルツゲ

いやらしい感じの下りが続き、先頭のH先輩が足を滑らして10mほど(もっとだったかな?)滑落しかけ、ダケカンバの幹の上にたまった雪で無事にとまりました。短い距離の滑落でも、岩の角に足をぶつけたりしたら骨折などもありえますから、気は抜けません。
でも後続の会員から、「止めろ、なんとか止めろ!」と焦った声でした。
ちょっと危険
このときは、まわりに枝や岩も出ていてアイゼンをはずして進んでいました。
アイゼンをつけれいれば氷では滑りませんが、岩やヤブにひっかけて大きく転倒する危険性が増し、アイゼン着用での転倒は、初速がつくためスリップしての転倒より大きく滑落する可能性がたかまるのでないかと思っております。それらの危険性を差し引きし、自分の歩き方や疲労度を含めてどのような組み合わせにするのか考えながら進まねばなるまいと思った次第です。

熊越えのあたりまで下りました。右はヤブ、左はいまにも崩れそうな雪のブロック。いやん。
熊越え周辺

雪と一緒にはがれた土壌。
稜線の風下の雪のたまるところはこんなふうにして大きな木は育ちにくく、毎年表面がリフレッシュされるのですね。こういうところばかり好んで生える植物もあったりします。もっと人里近くですと、ウドやウルイやゼンマイなどはそんな傾向がありますね。
雪とともに崩れる斜面

足を置くところを慎重に選び進んでいきます。左に転んではダメ、絶対。です。
雪庇跡を行く

熊越えを過ぎ、小朝日岳を振り返ります。
振り返る小朝日

目指す山がだんだんと大きく見えてきました。
大朝日は目前

このルートでの最後の大きな登り、銀玉水の上部です。
下ってきた方、登って行った方のトレース。それとスキーの跡もありますね。
この日の前日は10名ほど、この日も10名ほどの登山数であったとのことです。
銀玉水上部

銀玉水からわっしょい登って行きます。(ここでは再びアイゼンを付けました)
銀玉水上部を登る

振り返ると、どんどんと高さが増していきますね。
小朝日岳からこちらへの道もよいなあ、よい道だなあ。
銀玉水を振り返る

雪の表面には薄く氷が浮いたように張っておりました。
昨年もこんなふうでした。どんなふうにできるものなのでしょう。
雪面の薄い氷

こういった箇所では、一様に見える雪面のなかに、表面のすぐ下に滑りやすい氷が隠れていることがあります。融雪に伴って、水分が前の積雪がクラストした面に沿って流れたりしてできるのだろうかと思っております。そういう箇所は、いきなり滑ることがあり気をつけないといけません。この黒っぽくみえているのがそれです。ピッケルのシャフトはすぐには刺さらないくらいに丈夫で厚みのある氷でした。
危ない氷

さて、登りの終わりは目前。
銀玉水上の肩へ