さて、虫と草花の季節が本格的になってきました。
あらためて、虫たちの名前をあれこれ調べてみると、図鑑ではよくわからないものの多いこと多いこと。
図鑑をめくっては、これではない、こちらか?いや、こっちのほうがあやしい、なんてことをしているうちに日が暮れていきます。
宇宙の果てない広さを想ってふへ~という気持ちになったり、人の営みの歴史や民俗の奥深さに感嘆をしたりしておりますが、身近な生きものの世界というのも果てなく深く重層的なものであるものですね。ちょっとそのへん、に広がる草むら、そこに暮らす虫や草のあれこれ。やはり大変に面白いものです。

さて、田植え後の田んぼの様子です。
水面にイチョウウキゴケがちょこんと浮いていました。
イチョウウキゴケ

苗にはガガンボがとまっていました。
そう、これですね。このガガンボというのも幾種類もあり、人気の無い虫であるためか昆虫全体を網羅するような図鑑にはそれほど種類が豊富に紹介はされておりません。
調べていくと翅の様子から、キリウジガガンボあたりがまあ近いのでないかという感じでした。
(はっきりわかりません)
キリウジガガンボ
キリウジ、というのはなにかというと、幼虫が稲の根っこを食べて根を切ってしまうというはなしと、幼虫の形が途中で切られたようだというのとあるようです。
稲の根っこを食べてしまうので、それは困りますが、田んぼの中の昨年の草わらを分解もするそうなので、いないといないで困るのかもしれません。

こちらもキリウジガガンボのようです。こちらがおそらくメスです。ガガンボでは、おしりが尖っているのがメス。
キリウジガガンボ樹上
ガガンボが分類されているハエ目(双翅目:カ、ガガンボ、ブユやハエ、アブ)は、昆虫のなかで、コウチュウ目(鞘翅目:テントウムシなど硬い前翅をもつもの)、チョウ目(鱗翅目:ガやチョウなど)、ハチ目(膜翅目:アリ、ハチなど)に次いで種類が多いと見られています。
世界でこれまで記録されたハエ目の数は12万種類ほどで、まだ記録されていないものも同じくらいいるのでないかというようなことです。手持ちの図鑑には、「国内では約6000種が記録されており」、とあって、比率からすると、国内にもまだ記録の無いものが6000くらいはあるのでないかと、あちらこちらを飛んでいる虫たちのかなりの割合が新種(未記載種)ということですね。
いやはや、その中から名前を、なんてことになると気が遠くなりますし、正確に名前を調べるということになるとほぼムリ、ということなのですね。
ぼくが種類の名前の前に、「○○の仲間」「のようです」としょっちゅう書いているのはそういうわけなのでありました。
調べるほどに、よくわからない、というのがわかってくるものですね。

タニウツギが咲いておりました。縁起のよろしくない木ですが、花はたいへん艶やかで美しゅうございます。
タニウツギ

苗のまわりにはごまつぶよりちょっと大きく、ちょうどヤブツルアズキのマメくらいのサイズのおたまじゃくしたち。(これは10日ほど前の写真で、現在は栽培品種のアズキくらいのサイズに成長しています)
ちいさなおたま

少しとぼけた顔をしているのはジョウカイボンの一種のようです。全体を見るとカミキリムシのように見えますが、顔つきが違っておりますね。
ジョウカイボンの一種

ツクバネの花。
ツクバネ

田んぼのふちの日当たりのよいところにはヘビイチゴのちいさな花の黄色が点々と。
ヘビイチゴ

葉の上で獲物を待っているようなのはウロコアシナガグモでしょうか、あるいはエゾアシナガグモでしょうか。このクモは、巣も作ることもあり、こんなふうに待ち伏せもする、というきままなところがあるようです。
ウロコアシナガグモ

はなしは変わって、時折行くラーメン屋さんに新メニューが。
店名を冠するメニューにスペシャルバージョンが出来たと聞いて食べにいってみました。
たいへんにさっぱりしたお味でよろしゅうございます。油っこいのは、美味しく感じるときはたいへん美味しく感じられるのですが、やっぱりさっぱりとしたくらいのほうがよいなあと思います。
ラーメン

ラーメンを食べた日、近くの公民館で、川の整備に関する住民説明会があるというので聞きに行って降りました。川の工事は、かつては、いつのまにか護岸がどんどんふやされて、という具合でしたが、今は変わりつつあるようです。
住民公聴会

護岸をする場合は生きものに配慮されたものを使いますという説明があり、質問の時間があったものですから、「生きものに配慮するというのは、どういう生きものを想定して、それぞれどういう配慮なのでしょう?」とお聞きしました。
すると、「草などが生えられるようにします」というようなことでした。
せっかく計画を作るので、ここの流域に独自の生きものたちの様子から、いろんなパターンのやり方があったらよいなあと思っているので、もうちょっと詳しくお聞きしたいところでしたが、どんな生きものが住んでいるのかはまだ調べてはいないようでした。
うちの田んぼでさえ、行くたびにまだ名前のわからないものがあるのですから、流域全体となると果てしなく奥深いことでしょうね。
5月25日、今年の田植えの日になりました。
前日にお祭りに行く前に苗を受け取ってきておりましたから、朝早くから田植えに。

そして、新しい?田植え機です。昨年の田植えの時期にやってきましたが、ちょこっとしか使っておりませんで、昨年は、古い機械でぼくがほとんどを植えたのでした。
これは知り合いから父がもらって(数万円払ったそうで本人は買ったと言っておりますが)来たのです。
こういう機械は買うとなるとなかなかに値段のするものだそうですが、ぼく自身は機械をそんなに好きませんで、特に新たにやってきた機械には怖ろしくて近寄りません。
慣れない機械は危ないので乗りたくない、と言いますと、今年は父が運転して植えることに・・・。
新しい田植え機

でも、とりあえず速いものですね。
うむ、うむ、植えております。でも、まだ信用できませんな。
実際のところとしては、うちのようなちいさな田んぼの場合は、折り返しの操作ばかりが多くって植えた苗が隙間だらけです。
植えています
植えるのが速いのはよいのですが、苗を運ぶのも足早にえんやこらと運ばないといけません。
運んだりするのは得意ですので、まあ、ぼくには向いた仕事でございました。
そんなふうにして午前中でもうあらかた植え終わってしまいました。ちょっと物足りない気もいたします。

せわしなく作業するものですから、虫たちを観察する時間もあまり無いというのも困ったものです。
これは一見して、トビケラか?と思いましたが、ずんぐりしているのと、翅がつやっとしていること、頭から胸にかけてちょっとひらべったい(トビケラの仲間はもっと首がはっきりした感じです)のとで、なんだこれは???という具合でした。
帰っていくつか図鑑を繰ってみると、アミメカゲロウの仲間の中に、センブリ科というのがあり、それの仲間のクロセンブリあたりが近しいようでした。これは初めて気がついた種類の虫でありました。夏には毎日通う田んぼであっても、まだ気がつかない種類の虫たちがいるものです。
トビケラっぽい

おとなりのおうちの田んぼでも田植えをしていました。
お~い、と呼ぶと、ほ~い、と応えます。
調子はどう?まあまあですよ、みたいな具合でしょうか。
お互いに、そこに互いが存在するのを確認するというのが会話のもっとも重要な部分でもありますから、こういう場合には聞こえさえすればよいわけです。
おとなりの田んぼ

田んぼの水面にアメンボがまとまって玉のようになっていました。
ははあ、これの中心になにかいるな、と思ってみていると、しばらくしてみんなばらけて行き、その後には皮だけになったなにかの幼虫が。水面に落ちてもぞもぞしているところをアメンボの宴となったのですね。
集まるアメンボ

ちいさなバッタ(フキバッタの仲間でしょうか?)まだちいさすぎてぼくには種類がわかりません。
ちいさなバッタ

アケビの花。稲刈りの近くに美味しく実ります。
アケビの花

午後からは、機械で植えた際にきちんと植えられなかったところや、折り返しで開いているところなどに手作業で足していきます。これを捕食、いえ、補植と言います。
田植え長ぐつを履き、左手に苗、右手で左手に持った苗から数本をとり、しゅっしゅっ、と。

田んぼにはちいさな苗が並び、水面には向こうの土手に生えたミズキの枝が映っております。
田植え後の水面

さて、田植えの時期になるとたくさん現れるのがヌカガ(ヌカカ)という刺す虫でして、特に苗を持っている左手が集中的に刺されるのでした。右手はせわしなく動き、水の中に出たり入ったりするので刺されませんが、左手は苗を持ったままですからね。
ヌカカというのは、そうですね、ちいさなアブラムシくらいのサイズで、真っ黒な双翅目の実にサイズのブユのような虫です。見えないくらいにちいさいくせに、刺されると腫れるのはブユやカ以上なのです。5mmおきくらいにまんべんなく刺されると、夕方には左手がわりあいにふっくらとしてきました。
手の腫れ

二日後の左手。
手の腫れ二日後
うむ、だいたい治りました。
ヌカカというのは、虫にあまり刺されたことのない方や体質の合わない方は、1月以上もかゆい、痛い、という具合になってたいへんなものだそうです。

これからは、毎日、水の具合、苗の育ち具合を朝、夕、あるいは昼に田んぼをめぐりながら過ごす日々になります。
いそがしいながら、日々の経過とはこのようにしてあるのだ、と実感をする季節なのでございます。
補植の際に、ごまくらいのちいさな生まれたばかりのおたまじゃくしがたくさんいましたが、ぐんぐんと育っていくことでしょう。
パレードのにぎわいから離れ、また別なにぎわいのところへ。
おなじ町に住む知り合いが作品を展示していたので、立ち寄ってあれこれ話をしたのですが、その展示の様子は・・・撮り忘れました。いつもどおりに世間話をしてあまりに普段どおりだったもので・・・。

クラフト天国と銘打たれた通りには、東北各地からいろんな品物の作家さんが集まってちいさなテントに野外の店舗のように展示とお店を開いておりました。
これは、クラフトというか、なんでしょう。ちいさな新しい会社の製品のようでしたが、スギの合板でのイスのようです。
イス

一緒に行った友人の後輩も出展しておりました。
仕事とは別に趣味で食品サンプルを作るのが好きなのだそうで、それをちいさいサイズでこしらえて手ごろにしたものだそうです。
ちいさいお菓子

結構にリアルに作ってあり、訪れて買い求める方も多かったようです。
材料代くらいにはなりました、とのことでした。こうしてあちらこちらでのイベントに参加して、というのも楽しいでしょうね。
友人の後輩の

ほかの作家さんのものでは、これは木のボタン。なるほど、木もいろんな色だったり質感だったりあるものですね。着古したコートなどボタンを換えてみると気分もちょっと違うかもわかりません。
木のボタン

陶芸の作品の方のところには、土のはじっこでこしらえたようなものも(もっと大きな立派な作品もあり、そちらがメインなのでしょうが、どうしてもこういうちいさいものを撮りたくなります)遊び心でちょこっとこしらえたものが面白かったりします。
陶器のはじっこ

こ・・・、これは。
人工芝からきのこが。
きのこ

ちいさなこけしも混じっていました。ちょっとふざけた顔つきです。
きのこのほうも、こけしのようにして作ったのでしょう。これくらいにちいさいと削るのは相当難しいぞと思いました。
ちびこけし

進んでいくと、食べもののにおいがしてきました。
クラフトのところから、各県の物産(主にたべもの)のところに入っていたようです。
商店街はクルマが入れないようになっており、人がたくさん。
これくらいに人がたくさん普段からいるようなら商店街もさぞにぎわうことでしょう。
ここは七日町という山形市の中心市街地ですが、どこの県でも同様に、普段にはややさみしくなりつつあります。
物産展

駅前近くの友人が仕事をしているところに戻りました。
まだお仕事中でした。
最近は、このこけしのかぶりものをしてあちこちで販売もしているそうです。
(顔の部分は、本人の顔が出ているのですが、白く塗ってこけしっぽい顔を描き足しました)
商品を企画して、作って、売る、と、全部の行程に関わっているということでした。そういうお仕事も楽しそうです。
お仕事中の友人

そう。
ふと気がつけば、食べもののお店もたくさんあったのに、昼ごはんも食べないままお祭りを参観しておりました。パレードの間は空腹も忘れてうかれておりましたからね。
上記のこけしの友人のお店のとなりに、きゅうりの浅漬けが売っていて食べました。
暑い日でしたので、ことさらにおいしゅうございます。
きゅうり

駐車場まではまた結構な距離を歩いて帰りました。
会場が遠のくにつれ人の数が減っていきます。お祭りの帰り道のこの寂しい感じはなんでしょう。
帰り道
この後、こけしの友人を誘って、普通のお店で夕食を一緒に。

当日に買い求めた品物です。爽やかな青の発色にひかれたのです。
翌日の朝に、庭の草むらに置いて撮影を。
てぬぐい

せっかく東北各県から面白い品物が集まっていても、買い求めたのはいつも欲しくなるてぬぐいでした(三枚)。
昔からどうもお祭りが好きなのに得意でなくて、そうですね、遠足にお小遣いをもって行っても使わないまま帰ってきてしまうような具合でありました。今回はてぬぐいを三枚求めた分、よくできたほうだなあと。

翌日は、いよいよ田植えでした。祭りはハレ、から、いつもの田んぼのケ、日常へ戻ったのでありました。