この時期には裏山へ行くのも楽しみです。

冬に幾度か行った裏山へ、春の様子を見に行きます。
これは虚空蔵様のところへ行く尾根。昔はもっと綺麗に道らしくなっていましたが、今はちょっとササが多くなってきました。この尾根は、足跡などの痕跡から察するに動物たちも通っているようです。ケモノ道のような、人の道のような。人もケモノなのでまあ良いでしょう。
ヒトの特徴的なのはしっぽがないことだそうです。
山の草とか花とか虫とか-裏山へ

ヒメアオキはこの山のあちこちにあります。
花の時期を迎えていました。
昨日に載せた田んぼのヒメアオキは雌花でしたが、これは雄花のようです。
山の草とか花とか虫とか-ヒメアオキ 花

雄花には黄色い点が4つ。これがおしべで、昨日の花のまんなかのがめしべです。
花はおしべとめしべの違いのほかにはそっくりな花ですね。
山の草とか花とか虫とか-ヒメアオキ 雄花

うちの裏山にもちいさいながらブナもあります。
これはまだ開きたての葉でわずかに赤みを帯びていました。
葉の表面にはふわふわの毛が残っています。
山の草とか花とか虫とか-ブナ 新しい葉

もう少し開いたものでは、これくらいの大きさになっていました。
大きな木だと高いところに葉があるのでなかなか眺められませんが、このような大きさでした。
これは、もうちょっと高い山でみるのよりもすこし大きめな気がしました。
図鑑(ぼくの使っているのは、平凡社「日本の野生植物 木本 フィールド版」)には、「宮城県金華山以南の太平洋側に分布する葉の小さいコハブナf.undulata,日本海側多雪地の葉がやや大きいオオバブナF.crenata var.grandforiaが区別されることもある」と記載がありました。
ブナは春のこの時期には特に麗しい色合いの新緑を見せてくれます。ほかのところのブナの葉、どんなかな。一度見てみたいものだと思っています。きっとぐっと雰囲気の違うところがあるのかもしれません。
山の草とか花とか虫とか-ブナ もうちょっと開いた葉

あちこちの葉っぱや花の季節の進み具合を眺めながら登っていきます。
虚空蔵様はすっかり雪から出ていました。1月4日「虚空蔵様へ
来週くらいになるでしょうか。ここでは虚空蔵様のお祭りがあります。ほんとうは5月の17日がお祭りの日ですが、最近はどのお祭りも日曜にするのが多くなりました。ここまでの道は、お祭りの前にちょっとササを払ったりしましょうかね、と思いました。
山の草とか花とか虫とか-虚空蔵様

山のなかにはコシアブラがあちこちにあって、これは山菜として食べます。
ウコギの仲間らしい香りがあります。尾根のものはちょっと大きくなりすぎていました。
(この山はうちの集落などの共有林になっていて、だからぼくは採ることができますが、同じ山でつながっていても、ほかの人の山のものはぜったいに採りません。かつて山は貴重な財産で、たきぎを一本盗んだら腕を一本もがれたという昔のはなしも聞いたことがあります。ぼくは腕はまだ惜しいのでほかの山では採りません。)
山の草とか花とか虫とか-コシアブラ

このあたりから上はヤブが濃くなります。
ぼくが子どものころからうろちょろしていたのはこういう山で、ヤブをかきわけたり、道があったりなかったり。
だから朝日連峰に子どものころにはじめて行った時には、なんて立派な道が!と登山道を歩いたのを思い出しました。
そして、こういう山にくらべたら、やはり雪のころの山の歩きやすくルートのはっきりしていること!
山の草とか花とか虫とか-ヤブ漕ぎ

ヤブ漕ぎしていたらアマガエルがササにつかまっておりました。
文頭にもすこし書きましたけれど、背骨のある動物でしっぽがないのはヒトとカエルたちくらいなものだそうです。
カエルは可愛いなあと思うのはやはりこういう共通点の故でしょうか。
山の草とか花とか虫とか-アマガエル

4月18日「裏山からの大朝日岳」でなにかの星人のようだったウリハダカエデは葉を広げていました。
カエデの葉として思い浮かべる葉のかたちとはちょっと異なりますね。
山の草とか花とか虫とか-ウリハダカエデの新しい葉

そして花も咲いていました。スギの植林のところが近づいてやや暗めになってきたところに、木漏れ日の中の明るい黄緑色のちいさな花がつながったのがたいへんに細工が見事です。
山の草とか花とか虫とか-ウリハダカエデ 雄花

4月18日「裏山からの大朝日岳」に載せたウリハダカエデは実がついていたから雌株のようでしたが、こちらは雄花がついているので雄株のようです。ウリハダカエデの場合には、雌雄同株というのもあるようです。
山の草とか花とか虫とか-ウリハダカエデ 雄花2

カエデの仲間の木の花は、どれもちいさくていまいち目立たないため愛でる方も少ないのですが、葉が広がりつつある新緑の美しいころ、葉を日傘にでもするように咲くカエデの花たちの造形の細やかさに色合いはほんとうに目を見張るものがあります。


Plant×50

ヒメアオキ、ブナ(ここのはオオバブナとする説もある)、ウリハダカエデ・・・3種×50=150円

5月1日から累計1,200円

2012年4月:1,450円
2011年9月~2012年3月:16,700円
2011年4~8月:18,150円
田んぼの仕事がはじまりました。
田んぼの土手は今年も崩れたところもありました。段々の田んぼなので、毎年ちょっとずつ崩れたりしていきます。平らなところの田んぼならこういう心配はないのだけれど。
山の草とか花とか虫とか-田んぼの土手

土曜には肥料をまきました。
うちでは残念ながら化成肥料を使っています。いろいろと思うところはあるのですが、できるところからですね。有機肥料がもてはやされてはいても、ほんとにそうかというところもあり、いろいろ知らないといけないないのだと思っています。
化成肥料にしてもうちの田んぼで使うのは袋に書いてある分量よりもずいぶん少ないのでした。
というのも、肥料が多いと稲の場合には美味しくなくなるのです。肥料をたくさんすると量はとれますが美味しくない。
背中に20kgづつの肥料を背負ってまいていくのですが、これまた段々の田んぼなのでトレーニングのようです。背負う袋もやはり登山用のザックとは違ってあまりよろしくないのですね。

昨年にくろぬりしたくろ(畦)にカタクリが出ていました。花期が過ぎてちょっとしおれてはいますが、ほんとはカタクリの花はこんなに強いのです。
山の草とか花とか虫とか-くろのカタクリ

黄色に彩られた堰。この黄色の彩りはそのうちに。
この堰は、今年になってから話し合いがあって、存続についてどうするか、というところでした。
この堰があることで、サンショウウオや水棲昆虫、堰のまわりの水っぽいのを好むいろいろな植物がすめるところが帯のように出来上がっているのですが、堰が無くなったらそれもちょっとずつ消えていくのでしょう。堰がなくなっても、うちの田んぼだけなら昔のように山からの湧き水で続けることはできます。この堰ね、ぼくは文化財のようにも思っていたのですが。
山の草とか花とか虫とか-黄色の堰

田んぼの土手には、とある方がツバメのようと詠んだ花が。
花の様子からこれはメスの木のようです。山に行くとオスのほうもありました。
山の草とか花とか虫とか-ツバメの花

山に遊びに行きたいけれど、しなくちゃならないこともしたいこともあります。
気分だけでも、山に行った感じに。
背負う重さも山に行くのと同じくらいだし、斜面を登ったり降りたりも同じ。
山の草とか花とか虫とか-コーヒー

春の仕事はもうちょっといろいろあって、これはクルミの木なのですが、きのこを植えるのに切りました。以前はきのこも出荷していたのですが、山にどろぼうが多くなりあほらしくなってやめていました。過去にきのこのどろぼうをつかまえた際には、「生えていたから」と。生えているのでなく生やしているのです。
この土日にも、うちの山のところにも一日に一組の山菜どろぼうが来たので追い払いました。
私有地に勝手に入って山菜盗りするのがほんとに多いのです。
山の草とか花とか虫とか-クルミの木

今年の雪でうちの山の木もいくつも倒れてしまいました。
このクルミは、ぼくが小学生のころから知っているクルミの木です。
クルミの木は、きのこはささっと生えてあまり年数がもたないようですが、倒れてしまったのをそのままにするのももったいないからきのこを植えることにしました。
山の草とか花とか虫とか-クルミの倒木

立ったまま折れたものもありました。
山の草とか花とか虫とか-クルミの折れたの

木の中ほどの部分は直径25cmくらいでしょうか。根元のあたりは30cmほどでした。
年輪はチェンソの跡であまりはっきりしませんが30年以上はあるようでした。
山の草とか花とか虫とか-年輪

ぼくは実はチェンソが苦手なのです。機械を使うのがそもそも得意でなく、チェンソの場合にはすぐに木にはさんでしまいます。
上の写真を見ると、いかにもぼくががんばったように見えますが、木を切ったのは半分以上は父が切りました。腕力はぼくのほうがあるので、運んだのはほとんどぼくなのですが。
山の草とか花とか虫とか-チェンソ
使った後には、目立てなど手入れもするのですがそれもきちんとできるようにならなくちゃいけないのだなあと最近、だんだんと思うようになりました。先代の小屋番さんから、山さいるにはなんでもさんなね。と教わりました。

こういう作業をしていて話をするのは、「百姓などしてねっきゃ、休みは遊びさいげんのにな」と。
まあね、そうですね。
運動不足にはならないなあ、というところでしょうか。生の丸太は重いです。ぼくは年に数日しかこういう作業はしませんが、もっと本気のきこりさんはやはりたくましいです。

それでもおかげさまで、山を荒らしたままにしてはいないからこういう花が咲きます。
山の草とか花とか虫とか-ルリソウ花

この花はルリソウです。ワスレナグサに花の形は似ていますが、花も葉もかなり大きく、この草は斜面が好きなようで、スギの林の林縁や田んぼの土手に咲いています。
これはね、相当にハッとする存在感です。カタクリの素朴なところのある美しさともまた違って、ちょっと近寄りがたいような、触れてはいけないような清楚さを感じたりします。
山の草とか花とか虫とか-ルリソウ

田んぼでは、夜にはコロコロと鳴き声が聞こえるようになりました。


Plant×50

ルリソウ・・・1種×50=50円

5月1日から累計1,050円

2012年4月:1,450円
2011年9月~2012年3月:16,700円
2011年4~8月:18,150円
春のこの時期はほんとにいろんな草がたくさん出てきて、あれもこれも撮りたいし、載せたいし、しなくっちゃならないこともあるし、ミツバチのせわしないのがちょっとうつってしまったような気持ちになります。

うちの家のまえのクルミの木にミツバアケビが昔からからみついています。
アケビも若葉が明るい色合いで、夏ごろにはがさがさと丈夫な葉になるのでしたがこの時期には、手触りも柔らかでした。紫色の花も咲いておりました。
山の草とか花とか虫とか-ミツバアケビの若葉たち

ミツバアケビは、ひとつの芽から花の茎をいくつか、葉の茎もいくつか出していました。
山の草とか花とか虫とか-花の茎の出方

一つの花の茎には、根元の近くに雌花、その先に雄花がたくさんついています。
雌花は一つの場合が多いかなと眺めてきました。
そういえば、子どものころに今の時期には耳かきのワタのほうを渡されて、アケビの花をこれでくすぐってきなさいと、あちこちのミツバアケビの咲いているのを探しながらこちょこちょとしていた想い出があります。
山の草とか花とか虫とか-ミツバアケビの花

うちの山のあたりには、あまりアケビのほうは生えていませんでした。
名前がミツバアケビなのは、そのとおり葉が三つだからですね。
うちの父方のばあさまは、このアケビの若い芽を食べるのが好きでした。
山菜は、地域によって呼び名も違ったり、食べるものの種類も違ったりしていて、芽のほうはうちでは食べませんでした。聞くところによると、利尿の効果が顕著であるらしく、大人になっても朝に地図を描けるとか・・・。
山の草とか花とか虫とか-アケビの葉
どんな味かなあ、と若い葉をそのまま数枚食べてみました。
いやはや、そしたらだんだんと苦味が口の中に広がります。すごくあとをひく苦味でした。
その苦味で思い出しました。

こちらはミツバアケビの雌花のめしべです。丸い花びらのなかに隠れるようにありました。
このめしべ(先っちょが花粉のつくところで、その根元のほうは子房で実になるところでしょうか)は、アケビの実の形にもともと似ておりました。
山の草とか花とか虫とか-アケビの雌花

これは、秋の稲刈りの終わったころに田んぼのアケビの実ったところです。
これは昨年に5つもくっついていたから撮ったものでした。
思い出したのは、アケビの実の苦いことでした。
アケビの実は、まわりの厚い皮が開いてなかにタネと白いぐにゅぐにゅした甘い部分と入っているのですが、この実の食べ方もそれぞれの地域に食べ方に違いがあるようなのでした。
山の草とか花とか虫とか-アケビの実

アケビは、中の白い部分はそのまま食べ、外側は味噌焼きにしたり、干物にして中に詰め物をして食べたりしますが、どうも聞いたところでは皮の部分を食べるのはもともと山形の村山地区あたりの食べ方だとかなんとか。
父は月山の向こう側のふもとのあたりの出身なのですが、父の言うことには、皮なんて食べねえ。ということでした。
山の草とか花とか虫とか-アケビの実が5つ
(なお、写真のアケビは、ミツバアケビでも紫色の綺麗なつるんとしたものと、こういうがさがさした表面になるものとあって、がさがさしたほうは「石あけび」と呼んでいました)

うちの集落のあたりだと、アケビはたくさんあるものだから中身は食べきれずに捨ててしまう部分になってしまって、だと、子どもたちは学校帰りに収穫しながら中身を食べつつ帰り、皮はおうちにおみやげ、と。で、皮は子どものおいらにゃ苦すぎて食べられない、と。

ダイコンの花は、ダイコンの味と昨年の春に聞いた(ワサビの花はワサビの味でした)のでしたが、ミツバアケビの葉はアケビの皮の味がしました。

※そういえば、昨年の12月にアケビのつるを集めて、冬仕事にはけごを作ろうと思ったのでしたが、集めてみるとつるはずいぶん必要なようで、材料集めを含めて今度の冬への持ち越しになりました。時間のかかることもありますね。そうはうまくはいきません。

Plant×50

ミツバアケビ・・・1種×50=50円

5月1日から累計1,000円

2012年4月:1,450円
2011年9月~2012年3月:16,700円
2011年4~8月:18,150円