昨夜、家に帰ってからちょっと横になったら眠っていました。
プールにはスイマーがおり、こたつには睡魔がおります。

さて、こないだの日曜に、昨年も会いにいった大きなスギの木に山岳会の先輩たちと一緒に会いにいきました。
2012年3月18日「春の雪に おおきなスギの木へ会いに行きます1

出発です。先を行くのは、Hさん、Tさん。
あとのメンバーは、小屋番さんとぼくです。計4名。
昨年は、ひとりで会いに行っていましたから今回はずいぶんにぎやかです。
山の草とか花とか虫とか-出発

雪の積もった田んぼを抜け、スギの林のなかの道を行きます。
雪がくっついてアーチのようになったスギがあり、ようこそと言っているようです。
山の草とか花とか虫とか-ようこそ

出発は朝の9時ごろでした。
朝のもやが残ったのに陽が射して幻想的です。
山の草とか花とか虫とか-道の様子

冬だと太陽が低いので9時を過ぎてもなんだか早朝の陽射しという雰囲気でした。
山の草とか花とか虫とか-もやと朝陽

1時間ほど歩き、もやはだんだん晴れてきました。
もやが出ているのもひさびさですね。そういえば。
そう、この日の前日から朝にかけて、寒中の雨となりました。
前日の夕方ころには湿ったぼたん雪が降り(おさいとうをすると雪が降るとおばあさんが言っていた雪です)、夜半から雨になったのです。
寒九の雨は豊作の徴だとうちのじいさまの言。
休憩に向いた広めの場所についたら、一面の雪えくぼでした。
山の草とか花とか虫とか-雪えくぼ
ぼたん雪は、ちいさな雪の結晶が集まって出来ていて、それがふわんと積もったところに雨があたり、表面から融雪が起き、そういうときにはこのように不均一にへこみが出来てくるそうです。光景としては、3月ごろの雪の景色だなあというものです。

ちょっと休憩をします。
小屋番さんも今回はスキーでした。
足もとは、スキー靴ではなく、冬の登山用のプラブーツです。スカルパという靴のメーカーですね。スキーの金具は、登りはつま先だけ固定し、下りはかかとも固定できるアルペンスキータイプのものでした。ジルブレッタというと名の通りがよいかもしれません。
スキー板の裏には、滑り止めのシールというのを貼ります。
山の草とか花とか虫とか-小屋番さんの足もと

ぼくもスカルパという靴メーカーのつま先が曲がるプラブーツと、かかとが止まらないタイプの金具です。
スキー板の裏には、前にだけ進む刻みが入っていて、シールは貼らないタイプの板です。(このごろはあまり使う人がいないタイプの板ですね)
山の草とか花とか虫とか-テレマークブーツ

Tさんは、ゴム長靴とスノーシューです。
Tさんの言うことには、ゴム長はスカルパだそうです。(冗談です)
山の草とか花とか虫とか-Tさん足もと

Hさんも、ゴム長とスノーシュー。
山の草とか花とか虫とか-Hさん足もと

休憩を終えたらまた出発します。
スギの林の中のまっすぐな道。
ここの景色は好きですね~。
山の草とか花とか虫とか-まっすぐな道

冬は雪がたくさん積もり、山の好きなところを歩けますが、夏の道に沿っていくと安全ですし傾斜もクルマが登れるくらいなのでゆるやかで登りやすいです。
道は斜面をぐねぐねと曲がっていきます。
山の草とか花とか虫とか-道がぐねぐね

昨年の一度目にスギに会いに行った際に、ぼくがうっかり通り過ぎた分岐まできました。
山の草とか花とか虫とか-分岐
その際には、登るのも楽しく、ハアハアと息を切らして、足元ばかり見て歩いていたら、夏の道の曲がったとおりに分岐を見落としてしまいました。
地形図を見ながら、道に頼らず行けば良かったのでしたが、道に迷ったのでなく、道に迷わされたようなことになっておりましたね。
先週の土曜は、朝に消防団の活動があり、さて、でかけますかねとクルマに乗ろうとすると、フロントガラスに綺麗な結晶がついていました。朝日を透かして美しゅうございます。
山の草とか花とか虫とか-朝のフロントガラス

いやいや、消防団の活動に行くんです。撮っている場合ではないのよね。とウインドウォッシャ液を出してワイパを動かしたら、凍りました。
この日の朝は、最寄のアメダスの観測によると-12℃ほどになったようです。
山の草とか花とか虫とか-ウィンドウォッシャ液

でも、なんとか時間に間に合って消防のポンプ車のおいてある車庫へ。
このところ、消防団の人数も減り、昔のように土日が休みという人も少なくなってなかなか活動できません。この日は、二人だけの活動になりましたが、それでも、点検だけはしておかないといけませんね。
山の草とか花とか虫とか-ポンプ庫

車庫は、屋根が高いのと、裏に雪が落ちても人も通らないところなので、屋根の雪止めをしていません。陽射しのある日には、ひとりでに屋根から雪が落ちてくれるのですが、軒下に落ちた雪がたまると落ちられなくなるので、
山の草とか花とか虫とか-ポンプ庫裏

お片づけ後。
山の草とか花とか虫とか-片付けたあと

その後に、近くの集落でおさいとうがあるというので見に行きました。
ここでは、山神社(うちのところの山の神様とおなじだろうと思いますが、いろんな表記や呼び方があるようです)の前でおさいとうをするようです。
山の草とか花とか虫とか-山神社

おさいとう。
ここのかたにおはなしを聞くと、かつては、立ち木を一本、山から伐り出しみんなでわっしょいと立てて、そのまわりにわらの束をたくさん積んだそうです。
今は、だんだんと集落の人数が少なくなり(この集落は12名ほど)、こじんまりと、そして、本来は夜にするものなのですが、高齢のかたが夜の冷え込んだ道を歩いて転んだりするといけないので昼にするようにしたそうです。材料も、ここから街へ降りられた方の小屋などを解体した際の柱などを大事にとっておいてちょっとずつ使っているようです。この集落では、田んぼを作られるかたもいなくなりました。
山の草とか花とか虫とか-おさいとう

1月15日付近にするこういった火を焚く行事は、各地で見られ、左義長、どんど焼き、御柴灯(おさいとう これは漢字の表記がいくつかありそうです。お祭灯、お歳灯)、最近知ったのでは、賽の神という呼び方もありました。
共通しているのは、日取りや、火に門松や注連飾り、お札などをくべるという内容でしょうか。

だんごやお供えのもちをあぶって食べるというのもあり、ここでもだんごを焼いていました。
ここでは、アルミホイルで焼いておりました。
山の草とか花とか虫とか-だんご

このころから雪が降ってきて、このだんごをくれたおばあちゃんの言うことには、「おさいとうをすると雪が降るんだよ」ということでした。あらま~、んだれば山の神様がよろごんでんのったんね。

おさいとうは、歳神様がお正月に宿った門松や注連飾りを燃やして空に返すということでもありますね。
以前にちょっと書きましたが、ここの集落で山神社の前でやっているのが象徴的だなと思ったのですが、山の神様のうち、集落の中に祀られる山の神様は、山岳信仰の山の神様ともちょっと違った祀られ方になっており、以前に調べたのでは、山の神様は、冬には山に居て、春になると山を降り、一時期、サクラに留まってサクラ(「サ」は山のエネルギーのようなものだそうです)を咲かせ、その後、田に降りるのだそうです。
またお正月には歳神様となり、各戸を訪れます。
冬に山にいて、春に田におりるものと言えば、第一に雪だろうと。(第二にはへびかしらん?へびも神の使いですね)
おばあちゃんの言う、「おさいとうをすると雪が降る」というのは、なんだかしっくりきますね。
うちの近くでは、昨年の5月6月はたいへんに雨が少なく、でも、そのころは田んぼには水の必要な時期なので、もし山の雪解けがなかったら田んぼができないだろうなあと思います。
山形ではさかんに山菜を食べますが、これは冬の雪が多く、春先にたいへん土壌の水分が多いので、芽も葉も大きくふくよかに柔らかくなるためと聞きます。
雪、ありがたいものですね。

でも、屋根に積もって家をつぶしてしまってもこまります。
ここの集落の集会場では、この日、中でストーブに火を入れて屋根を暖めて雪を落としていました。ここでも軒下の片づけをちょっとお手伝いしました。
平屋だとすぐにこんなふうになりますね。
山の草とか花とか虫とか-雪かたづけ

13日には、うちの集落のおさいとうがありました。
うちのところでは、立地の関係からか、大日堂の前でおさいとうです。
山の草とか花とか虫とか-大日様

13日には、昼におさいとうの薪を積み上げる作業があったのでしたが、このところ、父が集落の活動に積極的なので、おまかせして、ぼくは山へおおきなスギの木に会いに行っていました。
うちの集落でも、燃やすものは、かつては立ち木を伐り出して、ワラでやっていたのでしたが、今は間伐材のはじっこだとか、そういったのをとっておいて使います。
予定では、うちの集落では夕方に点火するはずだったのに、昼間からお神酒をいただいたとうちゃんがたは、積みあがったのでもう点火してしまい、おとなりのちびっこたちとぼくが時間通りに行ったころには燃え残りのような状態でした。けしからんとうちゃんたちですね。(なので、ちょっと薪をくべました)
山の草とか花とか虫とか-おさいとう 夜

先に書いた集落のおさいとうではアルミホイルで焼いていましたが、ミズキの枝に刺してあぶるところも多いですね。
山の草とか花とか虫とか-だんごあぶり

煙のにおいのついただんごは、それだけでたいへんに美味しく感じます。
このだんごをいただくと、一年間の無病息災になるそうです。
このほかに、かつては、各家々の玄関でワラを二束燃やし、その煙を頭にかぶると賢くなるとか、燃え方で作況を占うとか、「作の祝い~、作の祝い」とかけごえとか、そういうこともありました。
山の草とか花とか虫とか-だんご

そういった細々としたいろんな行事の作法も失われつつあります。
農と結びついたこういったものが、本来的な意味合いでの文化(Culture)というものなんだろうと思うと、細かな地域ごとの多様な行事が無くなっていくのは文化が色あせていくような気持ちにもなります。
山の草とか花とか虫とか-雪も溶ける

じいさまの言うところによると、かつては1月15日におさいとうをして、夜通しに火を囲み、翌日はお休みになっていたそうです。
今日のはじめに消防団の活動が、土日が休みでない若者ばかりになってかんばしくないと書きました。
現在、お仕事と言うと、雇用されてサラリーマンとして働くというのがほとんどの場合を指すと言って過言でないほどですが、かつては、生活のために体を動かしているのが仕事(その当時は仕事と言わなかったかもしれませんが)であって食べものや生活に直結していたのだろうなあと。
先週にとある大学の講義を聴講しに行ってお聞きしたのは、今は山あいの中山間部は、ベッドタウンの不便なところというように化し、山あいに住まいしていても、山の手入れをする暇も無く、田んぼも次々に耕されなくなってきている現状があるのだということでした。
うちの近くでもたいへんにあてはまります。

うちの集落のおさいとうは、過去にやらなかった年もありましたが、ここ数年はちいさく細々とまだ灯っております。
道路に行き当たり、そこから北へ向かいます。
山の草とか花とか虫とか-道を進む

このあたりの山のなかには、新しい道路、林業の作業道、古い道、があちこちにあります。
この写真では、左に新しい現在の道があり、右のナラの木が二本並んでいる間がへこんでいるのが古い道です。
山の草とか花とか虫とか-古い道跡1

その続きは、新しい道と交差して向かい側へ続いています。
古い道は、今は使われなくなっているものも多くて、「ミヅガダ」(道形・みちがたの訛ったの)と呼んだりします。田んぼの跡なら、「タガダ」、堰の跡なら「セギガダ」になりますね。
山の草とか花とか虫とか-古い道跡2

新しい道は、クルマも走れるように作ってあり、割合にまっすぐですいすい進みます。
山の草とか花とか虫とか-すいすい

道から、周りを見ながら進むと、似たような地形が繰り返し現れます。
山の草とか花とか虫とか-似た風景1

上の写真からは結構歩きましたが、また似たようなちいさな山と谷があります。
山の草とか花とか虫とか-似た風景2

このあたりの地形図。
水色の細い線が、今回歩いただろうなというルートです。(実際には、もっとうろうろしていたと思うのですが、まあ、だいたいこんな感じ)
オレンジ色の楕円が、じいさまの言う「むじな森」のあたりだろうと思います。
地形図で見ると、平らな尾根の上のあたりという感じに読めますが、実際には、細く低い尾根と、ぽこっとした山、沢とまではいかない溝のようなのがいくつもあって、同じような風景が何度も出てきます。
オレンジ色の楕円は、幅が300mほどです。小さなでこぼこで見晴らしがよくないため、実際に歩けばかなり広い範囲だなあという感じがします。
歩いても歩いても、何度もおなじような景色で、「あれれ?どこまで来たんだろう?」というような気持ちになり、これはむじなに化かされたか?というので、むじな森となったのかもしれません。
山の草とか花とか虫とか-地形図
なんとなくですが、具体的にここがむじな森というのでなくて、こんなふうに場所が確認しにくいようなところをむじな森と呼んだのかもしれません。
イワイドのように、「おお!これか!」というような探検にはなりませんでした。
(なお、イワイドは、その後に「岩井堂」と古い住宅地図に書いてありました)

地図の459ピークを過ぎたあたりで最終地点としました。
この先を北へ、尾根の行き当たりのところまで行って、うちのほうまでぐるっと回ることも出来るのですが、おそらく朝早くに出発して、夕方にようやく帰られるという距離なので、今回はやめておきます。
山の草とか花とか虫とか-最終地点

帰りはゆる~い下りになります。
自分のスキーの跡をぴったり踏むように進むと抵抗が少なく、なんとか滑っていけました。
すいすい。
山の草とか花とか虫とか-帰り道

道路に出た地点からは、元のルートでなく、道に沿ってとなりの集落へ道を進みます。
途中に、ちいさな足跡があります。
山の草とか花とか虫とか-足跡

足跡は、雪のすきまに立ち寄ったりしてうろうろしております。
さて、なんの足跡でしょう?
テンにしては足跡がちいさいし、イタチもリスも歩き方が違うし、ネズミにしては大きすぎます。
・・・う~ん、大きなネズミか?
山の草とか花とか虫とか-雪のすきまに足跡が

ふもとに近づくほどにぐねぐね曲がる道を滑り降りていき、除雪してあるところまでやってきました。
この近くに、畑でなにか作業している方があり、うわあ、どこから出てきた?とちょっと驚かれましたが、スキーで遊んでいたのです、というと、そりゃあ大儀だねえ、ということでした。
山の草とか花とか虫とか-お隣の集落

道は除雪してあっても圧雪になっており、スキーのままうちの集落に帰ります。
山の草とか花とか虫とか-圧雪の道

郵便局のつらら
山の草とか花とか虫とか-郵便局のつらら

川の石のうえにも、こんもりと雪の帽子
山の草とか花とか虫とか-川の雪

一部、石垣の出ているところがあって、そこにはヒマラヤユキノシタがなんとまあ、花の開きかけのようなのがあり、さすがヒマラヤ生まれなんだなあなんて感心したりして。
山の草とか花とか虫とか-ヒマラヤユキノシタ

うちに帰る途中、今回通った山が見えました。
がけ崩れのあったちょっと向こう側から登って、雑木林のなかをその奥のスギの植林のほうへ進み、その後、道にそって、写真の一番左奥のちょこんと木のでっぱっているところあたりまで行ったはずです。
山の草とか花とか虫とか-振り返る

今回は約3時間で6kmほどの道のりになりました。
新しいスキーのブーツは、以前の柔らかいものよりは足の居心地は劣るようでしたが、下りに安心感がありました。これならもうちょっと遠くまで行けそうです。