裏山の山頂からは、ゆるりとコナラなどの林の中をくだりました。
こういうところは気持ちよいですね。登った分を下って、下った分をまた登ると。
山の草とか花とか虫とか-裏山山頂から下る

写真の奥で山頂あたりが見切れてしまっているのが、これから向かう裏山のひとつ奥の山です。
そことの間に、鞍部の一番低いあたりを通る峠道があります。
山の草とか花とか虫とか-峠近く

峠の道は鞍部を掘り切りするようになっていて、こんな段差がちょっと恐い。
おっかなびっくりスキーで滑り降りました。
山の草とか花とか虫とか-峠へ降りる段差

これが峠の道。
かつてはうちの集落から中学校に通うのにこの道を通ったそうです。
その際には、スキーを使ったりもしていたようです。
一晩でひざの高さ以上に降ることもありますから、中学生がここを4kmほど歩いて通っていたというのは現代では考えられませんね。
こないだ行ったむじな森のさらに奥にもかつて集落があり、そこから小学校に冬でも通っていたらしく、当時に同じ小学校に通っていたおばあちゃんのはなしによると、ようやく学校について着替えをして、1時間くらい授業を受け、弁当を食べるとまた帰らないといけないほどだったそうです。そらあ昔の子どもは強いですな。
山の草とか花とか虫とか-峠

次の山へ向かうのには、ちょっと細めの尾根が続いています。
こういうところはジグザグに登りにくいので、尾根の横の斜面を登ったりしました。
ここはかんじきのほうが進みやすいでしょうね。
山の草とか花とか虫とか-細い尾根

その先もやっかいな尾根。横の斜面が崩れやすいくらいの傾斜になると尾根のうえを行くしかありません。木も密になっているとスキーは取り回しがかんじきほど楽でないので、こういうところが弱点だなあと思います。
山の草とか花とか虫とか-細いやっかいな尾根

標高が上がるにつれて、コナラよりもミズナラが目立つようになり、ブナも多くなってきました。これはちいさいブナ。
山の草とか花とか虫とか-ブナの小さいの

もうちょっと登っていくと太目のブナも見えてきました。
こういう当たり前の樹種の分布などを調べてマップを作ったりしたいなあと考えているのですが、たいへんな作業量と踏査距離になりそうですね。
山の草とか花とか虫とか-ブナの大きいの

晴れては吹雪き、吹雪いては晴れ。
雪質はだんだん乾いた雪になってきました。
山の草とか花とか虫とか-登り

次の山の山頂が見えてきました。
山の草とか花とか虫とか-熊鷹山山頂が見えた

ここが、この前日に裏山散歩した際の記事に載せた489ピークの山頂です。
国土地理院の地形図には載っていなかったのですが、どうも熊鷹山という名前だと、数日前にわかりました。熊鷹山という名前の山は、近くにほかにもあります。クマタカがいるのかもしれません。(いるんだそうですが)
山の草とか花とか虫とか-熊鷹山

山頂からさらに先へ。
ここは昨年にもスキーのためし履きで来ていました。
山の草とか花とか虫とか-さらに先へ

9時40分ほどに出発して、ここで12時を回りました。
ちょっとペースがよろしくありません。予定で、ここまで行きましょうと考えていたところまではいけそうにないかもという気持ちになってきました。
天候もだんだん不安定になり、西の空が暗くなってきたので、14時ほどをめどに進めるところまで行ってみることにし、先へ進みます。
こないだの日曜、1月20日に裏山からさらに奥に向かって歩きました。
出発は、この日の前日に降りてきたスキー場跡。
前日には平らなところでなくとなりのスギの林のなかを滑ってきました。
その手前の木が美味しくいただいたカキの木です。
う~む、素晴らしい青空。
山の草とか花とか虫とか-スキー場あと

登りはスキー場の跡を。
先ほどまで晴れていたのに曇りました。
山の草とか花とか虫とか-ジグザグ

集落のほうを見ると、おとなりのとうちゃんが水道の建物の雪おろしをしていました。(この建物の管理を請け負っているのです)
鉄筋コンクリート製のちいさな建物なので雪には強いのであれくらい積もったままにしておけるのでしょうね。一度も下ろさない屋根だとあのくらいの雪が積もるのですね。背丈以上ありそうです。
山の草とか花とか虫とか-雪おろし

えっちらおっちら登って、スギの林のなかを行きます。
前日に下ってきた跡が残っていました。
山の草とか花とか虫とか-昨日の足跡

スギの枝に積もった雪が時折落ちてきて、また顔を出した太陽の陽射しできらきらと光ります。
写真ではなかなか伝わらない感じです。
山の草とか花とか虫とか-スギから雪

進んでいくとたくさん踏み跡のある雪の面がありました。
なんでしょう?
山の草とか花とか虫とか-足跡がたくさん

足跡のところには、ウルシの実の軸のあたりでしょうか?なにか落ちています。
山の草とか花とか虫とか-ウルシの実のあと?

穴を掘った跡もありました。この大きさはリスでしょうか?
左上方向にこまかいすじのような跡もあり、右下に頭を向け、あちらの方向にえいえいえいっと掘ったように見えました。
山の草とか花とか虫とか-掘ったあと

足跡は木の根元のほうへ続いていました。
こないだむじな森付近で見た足跡と似ています。
山の草とか花とか虫とか-足跡

もうちょっと進んでほかの木の根元には、足跡と、エゾユズリハを食べた跡、ふんもありました。
ふんは、これはリスのふんですね。植物の繊維がたくさん入っていました。
エゾユズリハもリスが食べたのでしょうか?リスがこういう葉を食べるとはあまり考えていませんでしたが、ふんの中に繊維が残っているので、たしかに木や草の葉などを食べるのでしょう。
ウサギの場合は、軸をかじって葉をもいで、根元からむしゃむしゃ食べるような気がするので、葉の食べ跡もたしかにウサギとちょっと違うのかなあ?と。
山の草とか花とか虫とか-エゾユズリハの食べたあと

上の写真から、ちょっと離れたところ。右上の穴が上の写真の穴です。
歩いた跡がありますが、う~ん。これはリスっぽくありません。
ヤマドリがこういう穴に隠れていることが多々あるので、リスの痕跡と関係なくヤマドリもここにいたのかもしれませんね。なお、リスの足跡はウサギのミニチュア版のような足跡なのですが、この日のものはそうではなくて未だによくわかりません。雪が深いと歩き方が変わるのでしょうか?それとも別な動物なのでしょうか?
山の草とか花とか虫とか-鳥の足跡?

あれこれ考えながら見て回るのも雪の山の楽しみです。
そんなこんなで裏山山頂近くの見晴らしの良いところに着きました。
また青空になり、大頭森山がすっきりと見えました。
その向こうに、朝日連峰が見えるはずなんですが・・・。
山の草とか花とか虫とか-大頭森山

すこし待っていると、だんだんと雲がとれて小朝日岳までがようやく見えました。
山の草とか花とか虫とか-小朝日岳が見えた

明日は、裏山の裏からの峠を過ぎ、裏山のエリアからさらに奥へ向かいます。
裏山からさらに奥の山へ向かったはなしの間に、冬の集落のお祭りの様子を載せたいと思います。
なにせ、雪の山は風景が変わりませんから・・・。ちょっと一息。

1月20日は、山から帰ってから火祭りとお日待ち(おひまち)のお祭りがありました。

まずは火祭り。
火祭りと言っても、おふだを配るだけになっているのでしたが。
冬の間は火をよく使うからでしょうか。火伏せのおふだを集落の当番がおっさま(和尚さん)にもらいにいって各世帯に配ります。
左が火札。家々のかまど(今はコンロですが)の近くに貼って、火事にならないように火伏せをします。
右は魔よけのふだで、家の玄関などに貼り、集落の出入り口にも札に貼って立てます。
う~ん、これはさすがにどちらも読めません。
山の草とか花とか虫とか-おふだ

次にお日待ちです。(かつては、それぞれのお祭りを別々にしていたのでしょうが、今はまとめて同じ日取りでするようになりました)
お日待ちは、みんなで集まって食事をします。
食事には、とうふのすまし汁と納豆ごはんをいただきます。
お日待ちの最初に、掛け軸をかけてみんなでおがもし(お祈り)ました。
この掛け軸は、蚕影山大神と書いてあり、その下には常陸国筑波郡云々と書いてあります。
この掛け軸を、オッシャガミサマと言って一番の上座にかけるのですが、実は書いてある通りに蚕影山大神なのだと思います。
オッシャガミサマは、「オシラサマ」だと思います。オシラサマは東北地方の信仰で、カイコにご利益のある神様ということになっております。ちょっと混じってしまっているんですね。
いずれにしても養蚕が盛んだった名残が感じられます。
山の草とか花とか虫とか-オッシャガミサマ
掛け軸の前には、おどみょ(御燈明、ろうそく)が立てられ、とうちゃんがたの言うことには、おどみょが燃え尽きるまで飲み食いするのだということでした。
(これは多分、今年にそんな気分だからそういうように言ったのであって伝統的にそうだということではないと思います。基本的にテキトウなところがあります)

食事をしていると、当番の世帯がとうふのすまし汁を持ってきます。
山の草とか花とか虫とか-とうふ汁

食事しながら、来年の当番を決めたり、猟師のかたから昔の猟の様子を聞いたり、山であった不思議ないろいろのこと、昔の集落の様子のはなしをします。
宴もたけなわというところでもって、納豆ごはんが登場します。
以前には、納豆も家々で作っていましたが、今は買ってくるようになりました。うちでも、ぼくが小学生のころは、こたつに家で採れた大豆とわらで納豆つくりをしていました。
ごはんの白米は、今でも当番が昼間のうちに家々を訪ねて一合ずつ集めて炊きます。
山の草とか花とか虫とか-なっとうごはん
お日待ちは、本来は1月23日(旧暦のころ)に催されるお祭りで、お日待ちというものの、ほかの地域などである二十三夜待ちと日程が共通するところがあります。
旧暦の二十三夜というのは、月の出が真夜中の12時ごろ。普段は早く寝ていても、この日は夜更かしして飲み食いしてよいという行事であろうかと思います。
で、二十三夜待ち(あるいは二十三夜講)というのは、各地に見られるのですが、納豆ごはんを食べるというのは、あまり例がないそうです。
ぼくはずっと、この風習は冬のこの時期にみんなで集まってマメのたんぱく質を摂取して冬を元気に越そうという意味合いだと思っていたのですが、数ヶ月前に、民俗学の先生とおはなしする機会があって、このことをおはなしする機会に恵まれました。
その方にいただいたほかの事例では、二十三日に長芋をとろろにして、食べるとともに玄関などにまく風習があるのだそうです。
とろろの意味合いとして、悪霊が玄関などから入ろうとしてもとろろで滑って入られないということなのだそうです。
それとおなじように、納豆のねばねばつるつるでもって、悪霊封じということなのではないかということでした。
とろろや納豆ですってんころりん、ねばねばところげる悪霊もなんだか頼りない感じですが、とろろも滋養豊かな食べものですから、冬のやっかいな悪霊の流行り風邪などには効き目がありそうですね。(納豆=栄養摂取説を捨て切れません)

さて、そんなうちにおどみょはすっかり短くなりました。そろそろ解散になります。
家にこもりがちな冬(いえ、実は雪おろしなどで屋根の上でお互いあいさつしたりしますが)に、こんなふうに集って過ごしてお互いの健康を確認するのもお祭りの役割なのでしょう。
山の草とか花とか虫とか-おとみょ

今朝のこと。
魔よけのふだは、雪でにじんでおりましたが集落の出入り口に。
山の草とか花とか虫とか-まよけふだ

その近くには、やんまいおくり(病送り)の形代(かたしろ)の障子紙が木の枝などにくっつけられて雪に刺してあります。
うちのは一番左。今朝に、知り合いから欲しいと言われていたミズキの枝を採った際の端材です。ほかのおうちは、クルミの枝や篠竹など。
山の草とか花とか虫とか-やんまいおくり

やんまいおくりは、二十三夜の翌朝、形代の障子紙で体の具合のよくないところを拭いて、集落の出入り口にこのようにさし、吹雪でさらされて吹き飛ばして送ってやるという風習です。

具合のよくないところ・・・。
ぼくは頭と顔をしっかり拭きました。
毎年のように頭と顔を拭くのですが、なかなか賢くも美男子にもなりません。