それでは雪はたごの続く道を歩いて見ましょう。
これが一番入り口近くのものです。
壁に丸い月とうさぎが彫ってあります。
山の草とか花とか虫とか-うさぎと月
この次には、昨日の記事の昔の志津の様子が展示してあるところでした。

下半分から上の半分に行くところ。
道沿いにろうそくの灯りがあるだけでも充分に美しい風景です。
山の草とか花とか虫とか-道沿い

その次のはたごのあたりには、六十里越え街道と書いてあるところ。
山の草とか花とか虫とか-六十里越え街道

あるいはところどころに、こんな感じに雪だるまや雪のうさぎがいます。
ねずみとくまもいますね。
こんなふうにディティールが細かく手の入っている様子が見えると、次はどんなのがあるんだろう?と探したくなります。
山の草とか花とか虫とか-雪だるまなど

はたごに入ってみると、こんなふうに雪の出羽三山がありました。
山の草とか花とか虫とか-雪の出羽三山

道の逆側を見てみると、雪がたくさん。
屋根から落ちた分や、除雪の雪もあるのでしょうけれど、それでも3階建ての宿坊の高さと同じくらいになっていました。うちのところでは屋根からの雪の分が積もっても、せいぜい1階建ての屋根を越す程度です。やはり雪が多いというのはこれくらいのことですね。
山の草とか花とか虫とか-雪の量

路地裏に続くような道がこっそりとあり、
山の草とか花とか虫とか-広場への道

進んでみると、広場がありました。
これは気がつかずに通り過ぎてしまうかたもあるかもしれません。あちこちにいろんな入れるところがあり、今回も写真に撮っただけでないところもずいぶんあるので見逃している部分にあるんだろうと思います。大きなすべり台もあったはずです。
山の草とか花とか虫とか-広場

広場から通りに戻って、この写真の一番奥まで雪はたごが続いていました。
なかには、バッジだとかいろいろな細かいものや、食べものなどがありました。
山の草とか花とか虫とか-上の半分くらい

ちょっと光の色合いが違ったのが最奥部にありました。ここまでで約200mほどでしょうか。
アイスバーと書いてあります。
ここは、カクテルなどのアルコールを作ってくれるところのようです。
一番最初にここに見に来た年に、「一番上にアイスバーというのがあるよ」と教えられて、てっきりアイスバー(ガリガリくんなど氷菓のほうのアイスのバー)をもらえるのだと思って入ったことがありました。寒い中でアイスを食べるのも乙なものじゃあないか、と。(-10℃くらいですかね?)
そしたら、大人の場所なのでしたね。ぼくはお酒は飲めないので入りませんでした。
山の草とか花とか虫とか-アイスバー

この日は冬ですが、日本海側でも晴れ間のあった夜で、会場に来ているみなさんも、夜空を見上げては「すんごい星!」とびっくりしていました。
そうなのです。周りに余分な灯りが無いとの、ろうそくの灯りくらいで充分に灯りが足りているのとで目が暗いのに慣れるのですね。
みなさんの住む街でだって、余分な電灯を消したら本当は星はずいぶん綺麗に見えるのです。
綺麗な星空を眺められるのは贅沢な楽しみです。あちこちを電気を使って明るくしているので、そういったどこででも見られたはずの星空を見られなくしてしまっているのですね。
時折、流星も流れていました。
山の草とか花とか虫とか-星空

今年の開催日程は、残念ながら今日(3月3日)で最終日となりました。
また来年にお会いしましょう。
昨年までは無料だったのですが、今年からは300円を入り口で払うようになりました。
チケットの替わりに、入場手形に木札をもらいました。
山の草とか花とか虫とか-木札

木札はスギで出来ていて良い香りがしました。
こういったものは、もらうとちょっとうれしいです。
今日はまた吹雪になり、明日まではまた積雪がありそうですが、先週には幾日か暖かい日がありました。
夕方に夕陽に照らされた飛行機雲が。
3月になると、冬型の気圧配置の日は少なくなり、日照が多く、天候が周期的に変わる春の空模様になってくることでしょう。
山の草とか花とか虫とか-飛行機雲

大朝日岳が見えます。
小屋もほんのちょっと粒のように見えます。
この時期には遠い遠い山ですね。ルート上に厳しい岩場があるわけではありませんから、冬のこの山に向かうのに必要なのは、寒さに強い体、天候と雪崩を読み切るような判断力、ひたすらのラッセルをできるスタミナでしょうか。
ラッセルが順調に行けば、一日目に夏の登山口まで。二日目に古寺山の下か、小朝日岳付近まで。三日目に小屋まで。
その間に天候が良い日が続けばよいですが、なにせ冬型の間には身動き取れない気象条件の激しい山ですから、吹雪かれたら生きて帰ってはこられなくなりそうです。
冬の朝日連峰はぼくには到底向かうことの出来ない山です。
4月にも、吹雪で亡くなった記録がいくつもありますから強靭なパーティで向かわないといけないことでしょう。
山の草とか花とか虫とか-夕方の朝日連峰

今年は、天候の折り合いがつかずになかなかいけない大頭森山。
右奥は以東岳だろうかと思います。
山の草とか花とか虫とか-大頭森山

月山も見えました。
さて、先週の木曜日、仕事帰りに月山の中腹の志津というところへ、今年も雪はたごを見に行ってきました。月山もうちからは大朝日岳と大体同じ距離にあります。
山の草とか花とか虫とか-月山

志津は、月山の中腹、標高が700mほどのところにあり、昔から出羽三山詣での宿坊が立ち並び、現在も多くの登山客、夏スキーのお客さんのある温泉です。
こないだの記事で、志津は、以前に7m半ほどの積雪と書きましたが、訂正しないといけません。
昭和48年の3月1日には8mの積雪が観測されたそうです。
標高が700mで、それほど高いわけではありません。朝日連峰と月山の鞍部にあたる峠が近くにあり、雪雲の通り道になっているためにこれほどの雪が降るのだろうと思います。
人が通年住んでいるところでは日本最深の積雪量なのではないかということです。
今年は2月下旬に6mを越える積雪となったそうです。アメダスの観測所があれば断然の日本一になることでしょうね。

そこで数年前から雪はたごという雪を使った催しがあります。
温泉の立ち並ぶ道路沿いの雪の壁を家のように掘り出してはたごのようにするのですね。
山の草とか花とか虫とか-雪はたご

中には、こんなふうに通路が掘られていました。
雪の層が入っているのが見て取れます。
この道路沿いの雪は、このイベントのために集められたものではなく、自然に積もったままの雪を掘り出しているのです。照明のようなものは、ろうそくです。
山の草とか花とか虫とか-雪のトンネル

ここの記録を集めて展示してあるところがありました。
山の草とか花とか虫とか-志津の記録の旅籠

昔の写真や、わらで出来たふかぐつやスリッパのようなものが並んでいます。
山の草とか花とか虫とか-昔の写真や道具

懐かしい写真に昔の道具、ろうそくの灯りでなんだか暖かく感じます。(実際に暖かいのですが)
ぼくが見ていたときにいらっしゃっていたのは、ここの出身の方のようで、「あ、これは○○さんのところのおばあさんだよ」などと懐かしく拝見しているようでした。
山の草とか花とか虫とか-展示してあるところ

ちょっと手ブレしてしまいました。
これは昔の歩道をトンネルにしていたところのようです。
今は除雪機で片付けることもできますが、昔は穴を掘って通路にしたのですね。
子どもの駆けていく様子が写っています。
山の草とか花とか虫とか-雪の歩道

この写真の弓張平は、志津からちょっと下ったところにある集落です。
おなじく雪が多いところです。
今でも、このあたりの集落で、稀に見かけますが、道路から家の玄関までのところを歩道と同じようにトンネルにしてある様子です。
山の草とか花とか虫とか-雪の家の前

ここからもうちょっと上のほうまではたごは立ち並んでいて、空にはたくさんの星が輝いていました。
先週のこと、今シーズン5度目の雪おろしをしていました。
母屋と車庫と小屋と三棟を、えいえいえいっと作業していきます。
雪の量は胸くらいでしたかね。
山の草とか花とか虫とか-小屋の二階

先週は冷えた日が続いていました。作業をしながら弱層の様子を見たりできます。
コンプレッションテストしてみると、テストしてみる前に見えていた軟弱なザラメの層の上の新雪にもっと弱い層が入っていました。
手首から先でとんとん、くらいでずれたのでかなり危険な層のようです。
山の草とか花とか虫とか-屋根の上の弱層

夕暮れ間際に撮ったので見えにくくなっていますが、これがゆるゆるのザラメの層。
山の草とか花とか虫とか-ザラメの層

雪崩で考えると恐いですが、雪を屋根からおろすのには使えます。
層になっているところまで四角に切れ目を入れると、あとは下へちょこんと押すとずれて落ちていきます。(屋根の中央部に行くと、持ち上げて放り投げないといけないんですが)
山の草とか花とか虫とか-層がずれる

母屋も小屋も、一階部にちいさな屋根があり、そこからまた二階の屋根に登っているので、一階の屋根におろした雪はもう一度おろさないといけません。
一度落っことした雪は、砕けてまたくっついて扱いにくくなっています。
山の草とか花とか虫とか-下ろしたのをまた下ろす

こうやって普段の生活のなかで雪の性質に触れることができるのは雪の多いところに住んでいるからこそだなあと思います。ありがたいことですね。
雪のあまり降らないところに住んでいて雪の山の勉強をしても、雪の性質に関しての経験を積むのはなかなかたいへんなことですから、そういったかたは、ぜひ雪国の農山村へ移住していただくと過疎化の対策にもなりますね。うぇるかむ、うぇるかむ。

雪が降っている日には、降ってくる結晶の写真も撮っていました。
撮ってみると、なかなか形のそろったものというのはめぐり合えないものです。
山の草とか花とか虫とか-結晶1

これは平らな面に、氷のちいさな粒がついていました。
こういうのがもっとちいさな粒が付くと、霰のようになるのかもしれません。
山の草とか花とか虫とか-結晶2 粒あり

すごく細かい結晶も混じっています。
山の草とか花とか虫とか-結晶3 細かいの

こんなのもありますね。
これは枝が三つになっていました。
山の草とか花とか虫とか-結晶4 枝3

こちらは6つできるはずの枝が5つに。
いろんな雪を見ていると、枝だけ降ってくるのもあって、空のどこかでなにかしらにぶつかったりして折れてしまったりもするのだろうなと思いました。
山の草とか花とか虫とか-結晶5 枝5

あるいは、ふたつがくっついたものもありました。
山の草とか花とか虫とか-結晶6 三つ組

こちらの左のものは、なんだか立体的な形になっているようでした。
山の草とか花とか虫とか-結晶7 立体的

いくつもいくつも撮っていて、おぉ!とうれしくなったのはこれです。
ひとつの結晶の枝に、もっとちいさなのが親子のようにくっついていました。
山の草とか花とか虫とか-親子の結晶

「雪は天からの手紙」と中谷宇吉郎先生はおっしゃいました。
この雪たちは、はるか西の海から湯気になったのが、冷たい風に乗りながら結晶になり、そらからぼくのレンズの前まではるかに旅をしてきたのでしょう。
こういった雪の結晶は一冬に、何億?何兆?いえ、もっと想像も付かないほどにできては積もって消えていくのでしょうか。
そのような奇跡の確率でぼくの目前にやってきた雪の結晶は、息を止めてながら撮影した後の、ふう、と鼻息ひとつで水滴になっていきました。