青い空、白い雲。

昨日に完成したかんじき。
もうちょっと乾燥などを待って使ってみようかと思っていたのですが、そこはね、やはり待ちきれずに試しに履いてみました。(このあとスキーを履くのでスキーのブーツです)

履いてみると強度の面での不安は感じませんでした。今回は、フラットに作ったのですが、反りがないとつま先が地面にひっかかってだめですね。やはり反りは必要です。
さて、かんじきを履いたついでに雪の上を移動する道具での比較をしてみようと思いました。
今日の雪は、昨日の雪が風を伴って降ったため、平らなところではつぼ足でもひざくらいで深くないので、風下の斜面で試してみました。
まずはかんじきです。
ひざより上くらいまでぬかりますね。(雪に足が沈むのを「ぬかる」と言います)

次にアルミのかんじき(ワカン)です。
ぬかる深さは木製のかんじきとおなじくらいでした。
違う点は、木製のかんじき(山形で一般的なもの)では、紐のかけ方で足とかんじきはがっしりは固定されないのでぷらぷらしており、アルミのワカンでは、売っているままだとベルトでしっかり固定されるので登る際につま先が使える点でしょうか。固定されていると、歩くのにはスムーズでないためベルトを紐に交換する場合もあるようです。

次にスノーシューです。
ぼくの持っているのはプラスティックタイプのものですが、アルミのフレームにビニールのクロスを張ったものや、クラシカルなものでは木製の枠に皮革を張ったものがあるそうです。
基本的にはかかとが上がるようにしてあります。

ぼくの使っているものでは、かかとが止まるような金具もありました。(斜面用のヒールリフタもあったりなかったり)

というのも、特にプラスティックのつまさき一点止めのものでは、スノーシュー本体が下りなどで前に来てしまうからです。
これは、かかとを止めるほかに、つなぎ目にゴムを使うなどで工夫している製品もあるようです。

ぬかる深さはひざ頭くらいでした。
スノーシューの場合は、かんじきよりも前後に長いため面積が広いのと、わっかでなく板やクロスでふさいであるのでよりぬかりにくいのですね。

ただし、スノーシューの場合には、その面積の広さと重さ、かかとが動くということにより、かんじきでできる「おいらん歩き」というのができません。また、大きいので雪の抵抗やスノーシューに載ってしまう雪の量が多く足を上げるのが大変です。
以前に、スノーシューでひざくらいまでぬかる状況で10kmほど歩いたときには、帰りの3kmほどにはもう拷問のようでした。
そしてスキーです。

ぬかる深さはさすがに浅いですね。すねのなかほどでした。(なるべく同じような斜面で試しています)
今回履いたスキーは、テレマーク用の幅6cmほどの細い板で170cmで、スキーとしては深い雪向けのものではありませんが、それでも効果てきめんです。前後に長いので足を進める抵抗も少ないです。

ちなみに、なにもつけないと腰くらいでした。
ここから、斜面の上に向かって登るとへそを越すくらいの深さを歩くことになります。

様子を上手く撮れませんでしたが、かんじきでも出来るおいらん歩きというのは、足をまっすぐ前に出すのでなく、外からくるんとまわして足を進めるやり方です。
かんじきやワカンの場合にはそれで一歩を大きくして進む歩き方が出来ます。
つぼ足の場合だと、足をまっすぐおろすよりも、ふとももやふくらはぎの内側で雪の面をおさえるようにして面積を大きくしながら歩くとただ歩くよりもましです。
雪が多いと雪の上を歩く道具を使う場合が多いですが、道具というのはかんじきなら折れる、紐が切れる、スノーシューもつなぎめが壊れる、スキーも折れたり金具の破損もあります。それでも山に行ったら家に帰らないといけません。たまにはつぼ足でどう歩いたらよいものか練習しておきたいなと思いました。

まとめ
かんじき・・・くつ:なんでも大丈夫 軽い、安い(自作~3000円くらい)、斜面に強い
アルミのかんじき・・・くつ:なんでも大丈夫(冬山登山用のくつだとしっかりとまって斜面に蹴りこんだりもできる) 軽い、5000円くらい? 斜面には今回のものでは最も強い
スノーシュー・・・くつ:なんでも大丈夫 重め、高め(10,000~30,000円ほどが多い)、斜面にはかんじきほどには強くない、トラバースに弱い、(・・・スポーティでかっこいい)
スキー・・・くつ:スキー靴や兼用靴(金具によっては一部の登山靴) 重さはいろいろ、高い(くつ、板、金具をそろえると安くても80,000くらいはかかる、高いと20万ほどもかかる)、斜面は登り方次第で、シールとうろこタイプ、スキー用アイゼンの違いや、登るルートの取り方も重要です。
つぼあし・・・くつ:なんでも大丈夫 達人は泳ぐように進むとのことですが・・・。
うむ、まとまりませんね。特にスキーの場合は、練習がかなり必要で、はじめて履きますという場合には、山に行くどころでない、ということになります。
種類もかかとのとまるアルペンタイプのものから、かかとの止まらないテレマーク、登山靴で履けるものもあったりしていろいろです。また、山頂を目指すというよりは、歩いて滑って楽しむものでもあるのでそのあたりも比較できないなあと思います。
スノーシューは中途半端な位置かなあという感じがしますが、スタイリッシュでかっこいいイメージですね。
かんじきで雪の山というと、ひげもじゃのむくつけき山男がもっさりガシガシ登っている(すみません)感じですが、「スノーシューで行く冬の森トレッキング」というと、まあ♪素敵。な感じがします。
(なお、アイゼンはつぼ足、なのでしょうね。あれは雪でなく氷に使う道具だと思います。しかるべき指導を受けてください。足につければ安全というものではありません。)
長くなったついでにおまけ。
今回テストした斜面は、家のすぐ近くの段々畑でした。雪の積もり方を見てみましょう。
一番上の平らなところでは、こないだの170cmほどから雪が締まって155cmほど。

段々の肩の部分は、風で雪が飛びやすいためか135cmほど。

斜面の段々の下のふちあたりの上では190cmほどになっていました。

いまいちな絵ですが、図示するとこんな感じでしょうか。
上の写真でもわかるとおり、のっぺりした雪の斜面に段々が隠れています。
この斜面は東向きで西から風が吹くことが多いため風下になっています。
茶色は地面。濃い水色は締まった雪。薄い水色は新しい雪です。

赤い縦の線は、右から上の写真3枚の順になっています。
一番左のところでは、風下に雪の締まり具合がこんなふうになるので登る際にはここがずぶっとぬかる、というようになりますね。古くなった雪は、だんだんと下にずり落ちてきますからこんなふうになるのです。
表面は一様に見えても、そのしたにでこぼこがある場合もあります。
また、この斜面は東向きで風下の場合ですが、南斜面や北斜面では雪の締まり具合、雪質もかなり違いますし、風のあたるところも違いがありますね。そういうのは、地形図などを見ていろいろルートを考えるのも楽しいことです。
山によっては、岩と雪、という組み合わせにもなり、ぼくはそういったところは怖ろしくて向かわれません。いくつ命があっても足らないだろうなあ、なんて思っていました。
朝日連峰だと、岩の出ているところまでは、降雪の時期にはぼくには到底たどり着けませんから、チャレンジする機会もありませんが。
なお、この雪上を歩く道具の比較はあくまで本人の実感による個人的見解でございました。
それぞれに工夫して雪を楽しんでほしいなと思います。

昨日に完成したかんじき。
もうちょっと乾燥などを待って使ってみようかと思っていたのですが、そこはね、やはり待ちきれずに試しに履いてみました。(このあとスキーを履くのでスキーのブーツです)

履いてみると強度の面での不安は感じませんでした。今回は、フラットに作ったのですが、反りがないとつま先が地面にひっかかってだめですね。やはり反りは必要です。
さて、かんじきを履いたついでに雪の上を移動する道具での比較をしてみようと思いました。
今日の雪は、昨日の雪が風を伴って降ったため、平らなところではつぼ足でもひざくらいで深くないので、風下の斜面で試してみました。
まずはかんじきです。
ひざより上くらいまでぬかりますね。(雪に足が沈むのを「ぬかる」と言います)

次にアルミのかんじき(ワカン)です。
ぬかる深さは木製のかんじきとおなじくらいでした。
違う点は、木製のかんじき(山形で一般的なもの)では、紐のかけ方で足とかんじきはがっしりは固定されないのでぷらぷらしており、アルミのワカンでは、売っているままだとベルトでしっかり固定されるので登る際につま先が使える点でしょうか。固定されていると、歩くのにはスムーズでないためベルトを紐に交換する場合もあるようです。

次にスノーシューです。
ぼくの持っているのはプラスティックタイプのものですが、アルミのフレームにビニールのクロスを張ったものや、クラシカルなものでは木製の枠に皮革を張ったものがあるそうです。
基本的にはかかとが上がるようにしてあります。

ぼくの使っているものでは、かかとが止まるような金具もありました。(斜面用のヒールリフタもあったりなかったり)

というのも、特にプラスティックのつまさき一点止めのものでは、スノーシュー本体が下りなどで前に来てしまうからです。
これは、かかとを止めるほかに、つなぎ目にゴムを使うなどで工夫している製品もあるようです。

ぬかる深さはひざ頭くらいでした。
スノーシューの場合は、かんじきよりも前後に長いため面積が広いのと、わっかでなく板やクロスでふさいであるのでよりぬかりにくいのですね。

ただし、スノーシューの場合には、その面積の広さと重さ、かかとが動くということにより、かんじきでできる「おいらん歩き」というのができません。また、大きいので雪の抵抗やスノーシューに載ってしまう雪の量が多く足を上げるのが大変です。
以前に、スノーシューでひざくらいまでぬかる状況で10kmほど歩いたときには、帰りの3kmほどにはもう拷問のようでした。
そしてスキーです。

ぬかる深さはさすがに浅いですね。すねのなかほどでした。(なるべく同じような斜面で試しています)
今回履いたスキーは、テレマーク用の幅6cmほどの細い板で170cmで、スキーとしては深い雪向けのものではありませんが、それでも効果てきめんです。前後に長いので足を進める抵抗も少ないです。

ちなみに、なにもつけないと腰くらいでした。
ここから、斜面の上に向かって登るとへそを越すくらいの深さを歩くことになります。

様子を上手く撮れませんでしたが、かんじきでも出来るおいらん歩きというのは、足をまっすぐ前に出すのでなく、外からくるんとまわして足を進めるやり方です。
かんじきやワカンの場合にはそれで一歩を大きくして進む歩き方が出来ます。
つぼ足の場合だと、足をまっすぐおろすよりも、ふとももやふくらはぎの内側で雪の面をおさえるようにして面積を大きくしながら歩くとただ歩くよりもましです。
雪が多いと雪の上を歩く道具を使う場合が多いですが、道具というのはかんじきなら折れる、紐が切れる、スノーシューもつなぎめが壊れる、スキーも折れたり金具の破損もあります。それでも山に行ったら家に帰らないといけません。たまにはつぼ足でどう歩いたらよいものか練習しておきたいなと思いました。

まとめ
かんじき・・・くつ:なんでも大丈夫 軽い、安い(自作~3000円くらい)、斜面に強い
アルミのかんじき・・・くつ:なんでも大丈夫(冬山登山用のくつだとしっかりとまって斜面に蹴りこんだりもできる) 軽い、5000円くらい? 斜面には今回のものでは最も強い
スノーシュー・・・くつ:なんでも大丈夫 重め、高め(10,000~30,000円ほどが多い)、斜面にはかんじきほどには強くない、トラバースに弱い、(・・・スポーティでかっこいい)
スキー・・・くつ:スキー靴や兼用靴(金具によっては一部の登山靴) 重さはいろいろ、高い(くつ、板、金具をそろえると安くても80,000くらいはかかる、高いと20万ほどもかかる)、斜面は登り方次第で、シールとうろこタイプ、スキー用アイゼンの違いや、登るルートの取り方も重要です。
つぼあし・・・くつ:なんでも大丈夫 達人は泳ぐように進むとのことですが・・・。
うむ、まとまりませんね。特にスキーの場合は、練習がかなり必要で、はじめて履きますという場合には、山に行くどころでない、ということになります。
種類もかかとのとまるアルペンタイプのものから、かかとの止まらないテレマーク、登山靴で履けるものもあったりしていろいろです。また、山頂を目指すというよりは、歩いて滑って楽しむものでもあるのでそのあたりも比較できないなあと思います。
スノーシューは中途半端な位置かなあという感じがしますが、スタイリッシュでかっこいいイメージですね。
かんじきで雪の山というと、ひげもじゃのむくつけき山男がもっさりガシガシ登っている(すみません)感じですが、「スノーシューで行く冬の森トレッキング」というと、まあ♪素敵。な感じがします。
(なお、アイゼンはつぼ足、なのでしょうね。あれは雪でなく氷に使う道具だと思います。しかるべき指導を受けてください。足につければ安全というものではありません。)
長くなったついでにおまけ。
今回テストした斜面は、家のすぐ近くの段々畑でした。雪の積もり方を見てみましょう。
一番上の平らなところでは、こないだの170cmほどから雪が締まって155cmほど。

段々の肩の部分は、風で雪が飛びやすいためか135cmほど。

斜面の段々の下のふちあたりの上では190cmほどになっていました。

いまいちな絵ですが、図示するとこんな感じでしょうか。
上の写真でもわかるとおり、のっぺりした雪の斜面に段々が隠れています。
この斜面は東向きで西から風が吹くことが多いため風下になっています。
茶色は地面。濃い水色は締まった雪。薄い水色は新しい雪です。

赤い縦の線は、右から上の写真3枚の順になっています。
一番左のところでは、風下に雪の締まり具合がこんなふうになるので登る際にはここがずぶっとぬかる、というようになりますね。古くなった雪は、だんだんと下にずり落ちてきますからこんなふうになるのです。
表面は一様に見えても、そのしたにでこぼこがある場合もあります。
また、この斜面は東向きで風下の場合ですが、南斜面や北斜面では雪の締まり具合、雪質もかなり違いますし、風のあたるところも違いがありますね。そういうのは、地形図などを見ていろいろルートを考えるのも楽しいことです。
山によっては、岩と雪、という組み合わせにもなり、ぼくはそういったところは怖ろしくて向かわれません。いくつ命があっても足らないだろうなあ、なんて思っていました。
朝日連峰だと、岩の出ているところまでは、降雪の時期にはぼくには到底たどり着けませんから、チャレンジする機会もありませんが。
なお、この雪上を歩く道具の比較はあくまで本人の実感による個人的見解でございました。
それぞれに工夫して雪を楽しんでほしいなと思います。