フインキーのふんいき レビュー -55ページ目

DVD「インセプション」 レビュー

クリストファー・ノーラン監督。

インセプション Blu-ray & DVDセット (初回限定生産)/レオナルド・ディカプリオ,渡辺謙,ジョセフ・ゴードン=レヴィット
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スコア選択: ★★★★★

人が夢を見ている最中に、その潜在意識の奥深くにもぐり込んで相手のアイデアを盗むことができる。
そして、想像した通りに世界を変化させることができる。

これを利用して夢の中で人を騙し、情報を抜き取る。
それがたとえ夢であっても、人から情報を抜き出すことは何と難しいことか。
この映画をみると、よく分かる。

ある1人の男を騙すために、6人の男女が計画を立てて奮闘する。
それはそれは巧妙に練られた計画で、登場人物どころか鑑賞者をも騙してくる。

夢の中で、更に夢に入り、そのまた夢から夢に入り…という3層構造。
すぐ理解出来ない複雑さが観るものをどんどん惹きつける。

ここで、夢の奥に行けば行くほど時間が遅く進むという設定がまた話を面白くさせる。
例えば、夢で今にも殺されそうな危機的状況に陥ったら、更に夢の中に入ってゆっくり対処すれば難を逃れることができたりする。
その対処が一筋縄ではいかないから、またハラハラドキドキさせられる。

あれ?っと思う箇所もチラホラあるが、後で考えると納得することばかりで、改めて!を実感する。

映像も素晴らしく、現実ではありえない情景を目の前に見せてくれる。
これはできるだけ大きなスクリーンで見て、驚いてほしい。
本当、ディカプリオがぽっちゃりすぎて狭い壁から抜け出せない姿は夢かと思うくらい。

最後に、渡辺謙の英語の発音はなかなかのものでした。

DVD「ねこタクシー」 レビュー

亀井亨監督。
原作は永森裕二の小説です。

映画版 ねこタクシー DVD/カンニング竹山,鶴田真由,山下リオ
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スコア選択: ★★★

さえないタクシードライバーの間瀬垣(カンニング竹山)は公園での昼食中、猫と出会う。
その猫との出会いが間瀬垣の運命を変える。


かわいい猫を全面に押し出したキワモノ映画かと思いきや、意外と腰が据わった真面目な映画でした。

タクシードライバーの猫懸りのサクセスストーリー。
タクシーに猫を乗せたら、どんどん人が集まってきて、イマイチだった会社も家族関係も完全修復、めでたしめでたし。
とは簡単にいかず、色々と壁が立ちはだかるんですね。

それは動物を車に乗せて営業する上での問題。
動物を扱う資格をとらないといけないだとか、衛生上の問題とか、会社への許可とか諸々の面倒な手続き。
この辺りのリアルさがネタ映画ではないってことを感じされられます。

冴えない男の頑張る姿に勇気づけられ、かわいい猫に癒され、グッドエンディングに心地良くさせられる。
波乱の展開や軌条を逸した展開はないけど、安心して観れる娯楽映画です。

DVD「なくもんか」 レビュー

「舞妓Haaaan!!!」の水田伸生監督。
脚本は宮藤官九郎。

なくもんか 通常版 [DVD]/阿部サダヲ,瑛太,竹内結子
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スコア選択: ★★★

いつでも笑顔を絶やさない八方美人の山ちゃん(阿部サダヲ)には生き別れになった弟がいる。
その弟とは、今テレビで大人気のお笑い芸人だった。
それを知った山ちゃんは、弟に会いに行くが…


系統が「舞妓Haaaan!!」!と似ています。
監督、脚本、主演が同じだとやはり似てしまうのか、主役の阿部サダヲの存在感が大きすぎるのか、とにかく阿部サダヲの映画といっていいほど濃い作品になってます。

相変わらず阿部サダヲはテンションが高く、テンポの速いやりとりは空回りし、若干ついていけない所もありますが、それは人の良さでカバー。
ウザイ一方、このノリがなくなったら寂しいと思うのも事実。

いつも笑顔で人に優しい山ちゃん。
怒られて、酷い目にあわされて、何でいつも笑顔でいられるの?

心が見えない人ほど、怖いものはない。
山ちゃんの心はどう思っているのか?
それは妻、弟との交わりから段々と見えてきます。

前半とはうって変わって、後半はテンポがゆっくりで、心に訴えかけてきます。
この緩急の差が前半の速いテンポの伏線だったのかと改めて感心しました。

おバカだけど、しんみりできる良作。

DVD「シーサイドモーテル」 レビュー

守屋健太郎監督。
原作は岡田ユキオの漫画です。漫画の記事はこちら

シーサイドモーテル [DVD]/生田斗真,麻生久美子,山田孝之
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スコア選択: ★★★

シーサイドモーテルの各部屋で起こる出来事を描いた作品。

103号室…インチキセールスマン(生田斗真)とコールガール(麻生久美子)の恋の駆け引き。
203号室…スーパーの社長(古田新太)と社長夫人(小島聖)のコスプレショー。

102号室…キャバクラ常連客キャバ嬢とのベッドまでの駆け引き。
202号室…借金まみれのカップル(山田孝之と成海璃子)と借金取り(玉山鉄二と柄本時生)の拷問ショー。


役者はいいし、ネタもいい、そして何より予告編がいい出来。
原作が残念だっただけに、それほど期待はしていなかったんだけど、今回改めていい素材だと思いました。
このモーテルという隔離された状況は映像向きで、それぞれ毛色の違うストーリーにテンポの良い展開は見ていて退屈することがありません。

だからこそ、これ以上のものが出来るはず!と思ってしまいます。
これではただの独立した部屋で起こった群青劇。
同じ時系列で描いても、あまり効果を発揮できていません。

それなら、もっと他の部屋との関わりを増やして発見を増やしてみたり、時間トリックを駆使して驚きを与えてみたりと出来たはず。
それぞれの話がイマイチ予想通りの範囲内に収まってしまっているのが残念。

惜しい作品でした。

DVD「BANDAGE バンデイジ」 レビュー

小林武史監督。
原作は菅知香の小説「グッドドリームズ」。

BANDAGE バンデイジ 豪華版DVD 2枚組 (本編DVD+特典DVD) <初回限定>/赤西 仁,北乃きい,高良健吾
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スコア選択: ★★

ブレイク寸前のバンドでボーカルをしているナツ(赤西仁)。
そのバンド、LANDSのファンであるアサコ(北乃きい)とミハル(杏)は彼らのライブに行き、ひょんなことから楽屋、そして打ち上げに参加することに成功した。
そこで、アサコはナツに気に入られ…


監督が小林武史ということもあり、この映画の肝は何といっても音楽。
なので、まず劇中の音楽について。

突出して凄いのはやはり、ドラムの金子ノブアキ。
そりゃもう本業ですから、アップの演奏も安心して見れる。

楽曲は、劇中歌やお店で流れるバックミュージックも含め、粒ぞろいが揃っている。
ロック、フォーク、レゲエ、ダブ、パンクなどなど、バラエティも豊か。

メインのLANDSも曲自体は良い。
ただ歌が残念。
赤西仁はたしかに歌は上手いんだけど、今回の曲のスタンスに合ってない。
ロックに艶のある歌声はいらない。
如何せんアイドルの歌い方から脱していないのが残念。

さて、次にストーリー。
チャラチャラして、見ていてイライラさせられるナツと、いまどきのキラキラした女子高生・アサコのそれぞれ似たもの同士の馴れ合いストーリー。
その根底に流れるのは孤独かな。

他人に心を開けない若者の苦悩、葛藤を描いた物語。
と書けば、文学的になるけど、果たして薄っぺらい内容。

人に頼って生きてることに気づかず、自分の好き勝手に他人を傷つける。
そのくせネガティブで、孤独の殻にこもって、自己陶酔。
こんなの見せられて、イライラしないわけがない。

最後は明るい方向に持って行こうとしてるのはわかるけど、その経緯がもう少し欲しいところ。
頑張ってる姿を見るものは、やはり心地いいものだから。