フインキーのふんいき レビュー -158ページ目

DVD「クワイエットルームにようこそ」 レビュー

最近、脚本家としてもメキメキと頭角を現してきた松尾スズキ の監督作品。

評判が良かったので劇場で見たかったんですが、事情により三木監督 の「転々 」を見に行き、みれなかったので今回かなり楽しみにしてました。
原作は芥川賞候補になってたんですね。さすが松尾スズキ!

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内容は内田有紀演じるフリーライターの佐倉がクワイエットルームのベッドに拘束されているシーンから始まる。
原因は睡眠薬の多量摂取によるオーバードーズだった。
その理由とは・・・


病院には変な人たちがたくさんいて、1つ1つのしぐさや言葉に笑わされる。
自分は外に出ようとする和服のおばさんがツボでずっと笑ってました。

シリアスの中に共存する笑い。
緊張と緩和がうまく溶け合ってて、こういう空気を作りだすのが本当にうまい。
どんどん豪華なメンツが出てきて、えー!!この人がこんな役で出てるの!?ってなります。


話が進むにつれて佐倉のオーバードーズの真相が明らかになっていくんですが、後半ずーとシリアスで重いままラストを迎えます。
前半あんなに笑ってたのに、後半全く笑えません。

特にラストはズドーンと落としてくれました。
この終わり方は人間はみんなどこかおかしいんだって暗に示してるのだろう。
一線を越えちゃうのは案外すぐなんだろうなぁ。

まあ、暗いだの重いだの書きましたが、面白いことには変わりないです。
もう1度見ようとはあまり思わないですが、見る価値ありの作品でした。

DVD「花」 レビュー

西谷真一監督。
金城一紀の同名小説が原作です。

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スコア選択: ★★★★

思い出の道を車で走って妻との思い出を…というロードムービー。

主人公は大沢たかおと思いきや柄本明です。
柄本さんの若いころを加瀬亮が演じてます。全然似てません。笑

初めの方はいまいちかなって思ったけど、だんだん引き込まれました。
ラストシーンはグッとくるものがあります。

小説「上と外」 恩田陸

上下巻の文庫版で読みました。

上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)/恩田 陸
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上下巻合わせて950ページほどあります。
厚いですが、字が詰まってないのでさらっと読めます。

筆者のあとがきで「上と下」などと、タイトルをよく間違えられるそうです。
読む前は何でこんなタイトルなんだろうと思ったんですが、実際読んでみるとなるほど、まさに上と外ですね。

内容はある一家がG国で内部テロに巻き込まれるというパニックストーリー。
ファンタジー系かと思いきや、結構現実味のある話です。
登場人物の視点で描かれてるおり、人物像が想像しやすかったです。
主に家族4人の視点で順に展開していき、さまざまな困難に巻き込まれるわけですが、様々な場所で大変なことが起こり、読んでいて飽きません。

日本にいる一家の親族たちも細かく描かれていて、後々に重要な人物となって話を盛り上げてくれるんだろうと期待してたんですが、意外と関わりが少なく残念でした。
不満はそれくらいです。

終わり方がとても好きですね。読了感も爽やか。
この本はすべての人にお勧めできます。

DVD「包帯クラブ」 レビュー

巻きます 効きます 人によります

キャッチコピーが良いですね。
TRICKなどで有名な堤幸彦 監督の作品。
最近の堤監督は感動的な良作が多くて好きです。

包帯クラブ
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スコア選択: ★★★★★

主人公はヘタな関西弁を話し、自分を痛みつけることで他人の痛みを理解しようとする少年。
柳楽くんが演じてるんですが「誰もしらない」や「星になった少年」のときと比べると大きくなったなぁといった印象でした。

内容はネットで受け付けた要望により、傷ついた場所に包帯を巻いて撮った写真を送り、傷を癒すというもの。
前半は笑いが中心、後半はドラマ色が強いです。

音楽のオンオフが素晴らしく、特にハナウタのような癒し系の歌が好きだな~。
一筋縄ではいかない内容で、柳楽くんの関西弁や奇行の原因となる出来事が語られるシーンはグッときます。

傷つきやすい世の中に訴える、考えさせられる内容。
これだけよい作品が作れるんだったら、「スシ王子 」をもっとおもしろくできたはず!

包帯一本で世界が変わったらめっけもんや!

小説「光と影の誘惑」 貫井徳郎

読み終わったのでレビューを書きます。

貫井徳郎さんは叙述の作風が好きで結構読んでます。
過去に読んだものは
  ・慟哭
  ・プリズム
  ・崩れる
  ・被害者は誰?
  ・天使の屍
  ・失踪症候群
  ・誘拐症候群
  ・殺人症候群

全部良作ですが、特に症候群3部作がおもしろいので興味のある人は読んでみてはどうでしょうか。



今回は短編集です。長編が得意な貫井さんですが、「崩れる」など短編も全然いけます。

光と影の誘惑 (集英社文庫)/貫井 徳郎
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スコア選択: ★★★★

内容は次の4遍からなります。

長く孤独な誘拐・・・普通の誘拐の話でないとこが憎い。文章がうまく、読ませます。犯人は意外な人でした。

二十四羽の目撃者・・・解説にたくさん書かれてるとおり、貫井さんにしてはめずらしいポップな感じの話。気を抜いて読めます。

光と影の誘惑・・・表題作にふさわしくよくできた内容。このクオリティであれば、長編にしたほうが良いのではないかと思うくらいもっと読んでたかったです。ラストは驚きがあります。

我が母の教えたまいし歌・・・タイトルの通り母に関する話です。読んでてドキドキしました。オチが読めてしまったのがちょっと残念。


各話90ページくらい。
読み始めたらとまりません。特にミステリー好きにお勧め。