基道館様
私達はアフリカで空手をやっている道場の者たちです、日本において居合を習いたいので教えていただけませんか
という趣旨のメールが来た
松山武衞会には外国の方が3名在籍しているしそのうちの1名は語学が非常に堪能な人であり、英語、仏語、独語はいけるだろうと思っているもちろん日本の古語すらも近頃の若い人よりいけるから、稽古の内容については言葉の壁はない。
そのメールを道場内で回覧しそれぞれの意見を尋ねた
特に幹部には「意見を言うように」と注文をつけておいた
すると、皆さん仕事が早い
ある人はそのメールに貼り付けてあったHPを見て意見を具申してきた
「空手ではなくバスケの動きのようだった」
そうだろう、空手も世界に広まり、そんなところもあるだろう
以前にも書いたが、私の兄弟分は大学を卒業後 黒帯と志だけを持参し欧州に渡った
英文科の彼が言葉の通じないドイツの片田舎で松濤館空手を高校生の弟子一人からはじめ相当な規模にまで育て上げたことがあった。あれから50年前という時間経過があり、熱い男たちの残像も変化しただろう
アメリカに帰国している女性からは・加州でフェスがあり、アメリカの方々が居合を披露したという、動画を送ってきてくれた、彼女の意見は「私達の評価は厳しいものだった」と添えられていた。つまりあかんと言う意味だ
私も動画を見たが 抜刀流だった(笑)それは厳しい見方になるだろう
松山でも 河野百錬先生直門斎藤正流の正式な抜刀流を指導しているから、そのフェスでの演武は踊りに見えたに違いない
カナダからも返信があった
彼は、端的にあかんでしょうということを書いてきた
ドイツからは返信がない、多分世界的混乱の中治安維持に奔走しているのだろう、彼が出たドキュメント(日本では警察24時みたいなもの)から察するにかなり偉いようだから(道場では世間の身分は関係ない)
今夜、松山の助教から返信があった。備えなく短期で習得できるということは望めない
本気でブドウを習いたいなら腰を据えてもう一度来ればいいのではないのですか、と否定的だ
優しい彼は、求めるものが同じなら将来必ず接点があると結んでいた
私もそう思う
フィンランドのヤルノさんは、1ヶ月浮雲会に習い、ビデオ指導を受けながら、来日するたびに稽古を積んだ、指導した有城斎の熱意とヤルノさんの努力の甲斐があり、昇段試験を受けるために来日したときには学科試験を「全て日本語で漢字も間違えず」完璧に通過して晴れて基道館バッチをつけたことを思い出す。奥様の苦労にも拍手を送ったものだ。
故に、遠隔でも問題はないが、そのためにはそれなりの覚悟は必要だろう、相手にそのような火のような情熱がなければ、私のような凡俗には指導する力はない。しかも思うように動ける時間も残り僅かである。
一旦入門を受けたら、6段まではなってもらうのが基道館の掟だから