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稲妻の話
田宮流に 稲妻という業があり、これは英信流の月影と理合いが同じ
英信流には中伝に稲妻が出てくる、初伝の月影と中伝の稲妻は図譜の記述にいささかの違いがある
体運用についても初伝は前に出るが中伝では後ろに引く
そういうことを先日の松山武衛會稽古において居合形を指導しながらふと浮かんだことがあった。
昔、田宮流妻木先生に稲妻はどこを斬るのですか?と質問しそのお答えにすごい含蓄があったのを数十年ぶりに松山での稽古中「解決」を見たのだ。縦軸、横軸、補助線が交差する瞬間というのが来るものですね。脳裏から離れなかった疑問が解けました。
もちろん、稽古中の會員にはそれを伝えましたが、少し早い人もいたかも(笑)凡愚の私の残余時間はあと少し、覚えていてくれて先人の財産を継承していただきたいものです。
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そういえば先ごろ大阪で昇段試験に落ちた基道館員がいたそうで、どの業もかかとがついているので注意をするように促されたそうだ。 まあ、仕方ないね私の教えを孫弟子たちも守っているためだろう。
この中伝稲妻は当然「墜身」を使うのでかかとはついている
浮いていたらそれこそ変、中伝以降はかかとの使い方が変化して当然「真人は踵で息をする」らしいから
図譜には初心において教えられたことを上級になっても守っている人がいるが、これは適時変更するべきだ(意訳)とある
まあ、昇段審査に落ちたのは腕が悪いせいだろうと私は考えている。 下手なのは仕方ないよね(笑)
そういうことで今夜は終わり
ちなみに全日本居合道刀法は各流の師家に諮って制定された
いわばスタンダードだ。
私のように古い先生から伝達されたものは現今の改変に疑義を持っている
例えば 委員の斉木賢司先生 私の師匠村上基助先生は当初斉木先生の弟子だった。のちに英信館に移る、理由はすでに書いた。
大野熊雄先生は伯耆流だったが日本武教社において齋藤正先生が師事した。
そして重要なのは齋藤先生は生え抜きの20代直門である。
つまり、できたてほやほやの 火花散る熱い刀法を教えてもらえたのだ。
制定委員の御高名を知りながらつまらない改変する(都合のいいように理解する)ことは先人に対する冒とくではないだろうかと心配している。
ヒントだけ記録として残しておく
わからない人はわからないでいい。