旗と風 (アレゴリーにおいて) | 卍老人残日録

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-真剣道継承未完- 

 

  「旗と風」

      有限齋基輝

 

亡国の猫一匹がまたぎとぶわが顔の上翳悲しからずや

       -寺山修司- 月蝕書簡

 

立ちどまれと

声がする

その条件では

旗と風は

いつでも

向こう側にある

 

その日の

とりわけ その朝には

聖書を読むような

オンガクが耳で鳴るだろう

 

一番長い日が

強制された夢であり

目覚めたくない

朝に始まる

それでもあなたは

はるかまで

うしなわれながら

立ちどまることはない