旗と風 (アレゴリーにおいて) 「旗と風」 有限齋基輝 ※ 亡国の猫一匹がまたぎとぶわが顔の上翳悲しからずや -寺山修司- 月蝕書簡 立ちどまれと 声がする その条件では 旗と風は いつでも 向こう側にある その日の とりわけ その朝には 聖書を読むような オンガクが耳で鳴るだろう 一番長い日が 強制された夢であり 目覚めたくない 朝に始まる それでもあなたは はるかまで うしなわれながら 立ちどまることはない