無題の草稿 古いノートから | 卍老人残日録

卍老人残日録

-真剣道継承未完- 

このころ住んでいたアルザタワーから夜明けを見ていた

 

 

 

 無題

 

流れ去るテールランプの迅さが

幾千の夜を越えてきた

不確かな私の背後に消える

 

惜別の言葉なんかないから

黙って永遠に手を振るだけだ

その信号は届くだろうか

 

酷薄な魂は夜にさまよい

泣いて泣いて泣いて

月下に青白い己を見つける

 

どんな他者でもない

己というかなしみに溺れて

ハイボールに酔うばかりだ