歴史小説・鎖読(くさりよみ) -3ページ目

「戦鬼たちの海」:白石 一郎

水軍といえばこの人、というほど有名な、
九鬼嘉隆(くきよしたか)の生涯を描いた小説です。

伊勢のいち土豪から、
信長、秀吉の元で活躍する水軍の総大将にまで出世。
しかし関が原では嫡子守隆と東西両軍に分かれて戦ったため、
家康の不興をこうむった嘉隆。

単純な英雄伝とは異なり、
人間くさい嘉隆が運命に翻弄されながら生きる姿が、
克明に描かれています。
二宮隆雄氏の「覇王の海―海将九鬼嘉隆」もぜひ読んでみたいですね。

白石 一郎
戦鬼たちの海―織田水軍の将・九鬼嘉隆

「航海者」:白石 一郎

関が原の年に臼杵に漂着したイギリス人、

三浦按針(みうらあんじん)=ウイリアム・アダムスの生涯を描いた小説です。


2004年に亡くなった白石一郎氏は、

海洋歴史小説の第一人者として知られており、

この作品も海を舞台としたアダムスの人生を丹念に追っています。


徳川家康に重用されながら、

必ずしも幸せとは言えなかった晩年。

故郷と日本の両方に家族を持った数奇な運命とともに、

とても読み応えのある小説になっています。


白石 一郎
航海者―三浦按針の生涯 (上)
白石 一郎
航海者―三浦按針の生涯 (下)

「功名が辻」:司馬 遼太郎

2006年のNHK大河ドラマ原作として、
今大変話題になっていますね。

⇒NHK:「功名が辻」放送前情報
http://www3.nhk.or.jp/drama/html_news_komyo.html

私が読んだのはたしか2004年だったと思います。
主人公の山内一豊(やまうちかずとよ)が土佐一国の太守にまでなったのは、
ひとえに妻千代(ちよ)のおかげ、という描かれ方をしています。

内助の功なんて20世紀に置き忘れたような昨今、
そこはかとなく封建反動の雰囲気が漂う選択です。
それにしても仲間由紀恵さんの千代役は楽しみですね。
エヘヘ。

司馬 遼太郎
功名が辻 1 (1)

「孤将」:金 薫、蓮池 薫(訳)

拉致被害者の蓮池薫さんが翻訳したことで話題になった
小説を読み始めました。
タイトルは「孤将」。
韓国の英雄、李 舜臣(イ・スンシン)を描いたものです。

今まで戦国時代の日本の武将の列伝を濫読してきましたが、
関が原の戦いまで生き抜いた武将たちの描写ががいつも曖昧になるのは、
この文禄・慶長の役の頃です。

読者として私自身も詳細を知ろうとしませんでしたし、
日本史上でも稀に見るこの愚行を、
各小説家がなんとなく忌避してきたのは間違いないと思います。

理由なき侵略を受けた当事者の悲惨な心情と、
舜臣の武将としての比類ない活躍とが、
抑制された文体で叙情的に描かれています。


金 薫、蓮池 薫
孤将

⇒新潮社「孤将」公式サイト
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/575701-6/

「武田信玄」:新田 次郎

文庫の新装刊ということで

書店にも多く平積みされています。


武田信玄が父信虎を追放するところから始まり、

信濃平定、川中島、上野出兵、相模併呑などと物語が流れていきます。

特に信玄の心理描写などを丹念に行っており、

勝頼の代に至るまでの信玄の人生を4巻にわたって描いています。

著者: 新田 次郎
タイトル: 武田信玄 (1)
著者: 新田 次郎
タイトル: 武田信玄 (2)
著者: 新田 次郎
タイトル: 武田信玄 (3)

「黒田官兵衛」:浜野卓也

如水(じょすい)の名でも有名な秀吉の軍師、
黒田官兵衛の太く濃い生涯を描いた作品。
最後まで天下への野心を失わなかった智謀の将は、
戦国時代の数多くの魅力的な武将の中でも、
最も人気の高い人物の一人です。


著者: 浜野 卓也
タイトル: 黒田官兵衛―秀吉も一目おいた天下人の器

「北条氏康」:菊池道人

早雲以来の北条家の最盛期をもたらした、
3代氏康。
信玄、謙信と互角に渡り合い、
関東の雄として不動の地位を築いた中興の祖を描いた作品です。


著者: 菊池 道人
タイトル: 北条氏康―信玄・謙信と覇を競った関東の雄

「小早川隆景」:童門冬二

戦国の小早川と言えば、

毛利の両川(りょうせん)の一角たる隆景と、

明智光秀と並ぶ秀秋の裏切りを思い浮かべます。


童門さんが小早川隆景を描いた本書は、

毛利元就の三男として戦国を駆け抜けたこの傑物の人生を、

丹念に描き出した秀作だと思います。



著者: 童門 冬二
タイトル: 小早川隆景―毛利一族の賢将

「藤堂高虎」:羽生道英

全26巻の「徳川家康」を読み終わったあと、

少し息を入れる意味で読んだ新しい文庫です。

過酷な戦国時代を生き抜き、

幕末まで生き残った藤堂藩の藩祖、藤堂高虎。

あまり光の当たらなかったこの武将の生涯をたどった一冊です。


余談ですが、

かの松下幸之助氏が設立したPHP研究所によるPHP文庫では、

ビジネスマンの学ぶべき人生として、

幾人かの人物伝が所蔵されています。



著者: 羽生 道英
タイトル: 藤堂高虎 秀吉と家康が惚れ込んだ男

「毛利元就(1)」

徳川家康の余韻も覚めやらぬなか、
たまたま実家に帰ったら、
昔買った「毛利元就」がありました。
そのまま持ち帰って早速読み始めています。


著者: 山岡 荘八
タイトル: 毛利元就〈1〉