NIKE AIR FORCE 1 SUPREME '07 (WHITE) -SOLE No.6 | メンズファッション大革命

ナイキ エアフォース1 サプリーム '07 (白)

「真っ白いスニーカーを、真っ白いままに保つこと」B-BOYの鉄の掟である。



エアフォース1のその白さは「常にフレッシュで在ること」
を身上とする、彼らの魂そのもの。



すべて内縫いになったシーム(縫い目)、金属製のレースキャップ、

レザーカップインソール…



このサプリームモデルのオールホワイトは、

まるでB-BOYの美意識の権化のようだ。



スニーカーは、嫁入り前の生娘か?

「スニーカー」という単語を聞いて、
一番初めに何が思い浮かぶか?

エアジョーダン 、アディダスのスーパースター
コンバースのオールスター

そこまで具体的ではなくて、元陸上部ならアシックスのスパイクかもしれないし、
スケートボーダーならバンズSK8Hiなどののスケートシューズかもしれない。

しかし、今の10代、20代にとって最もポピュラーな、
ストリートのアイコン的スニーカーとなると、
このエアフォース1を置いて他にないだろう。
それも恐らく、ピンとくるイメージは、やはりこのオールホワイトではないだろうか?

1982年に、ナイキ初のエア搭載バスケットシューズとして

リリースされたエアフォース1。


当初はもちろん、オンコートの最先端ハイテクバッシュとして使用されていたが、
ファットなソール(厚さ約4センチ)やアンクル・ストラップ
(ハイカットのみ。リリース当初はハイカットのみだった)など、
ストリートユースにも適したデザインだったため、ストリートボーラーやラッパーを中心に、
ストリートの主役としてのし上がっていく…。

2007年はエアフォース1、生誕25周年記念ということで、
エアフォース1限定のムック本や特集、限定モデルが目白押し。
こういった特集にさんざんこの辺の経緯は語られているので、詳細は割愛する。

しかし、ファッション的な観点から特に重要なのは、
このスニーカーは「白いスニカー=クール」という、
新しい価値観を創り出したことである。

「一回履いたら誰かにあげるか、捨てちゃう」というような、
極端なまでのB-BOYの美意識を象徴する存在になった。
(実際、海外にはそんなラッパーがいるらしい…)

彼らにとって、新しい白いスニーカーを履き下ろすことは、
ある種の神聖な儀式と同義なのだ。

僕はこれを「スニーカーの処女性」と呼んでいる。
シューズ・ボックスにキレイに収まった新品のスニーカーは、
彼らやコレクターにとっては、まさに「箱入り娘」なのだ。

中でもエアフォース1には、そんな呪力が宿っているように思う。

さて、そんな「スニーカーの帝王」と呼ばれるエアフォース1。
だが個人的には、老若男女、誰からも愛されるコンバース・オールスター とは違い、
その特徴的なボリューム感からくるコーディネートの難易度からか、
「好きな人は好きだけど、嫌いな人は見向きもしない」
といった特性を持ったシューズだと思う。

僕自身、高校生くらいの時にこのシューズに対して
抱いていたイメージというのは、それほど良いものではなかった。

「みんなが履いてるモノ」という印象が強く、
どちらかと言うと、敬遠していた感がある。

加えて一般的には、やはり圧倒的に男受けするスニーカーだろう。

(ちなみに「背広革命」 と題した僕の卒業コレクションでは、
アイコンとして女の子にこのエアフォース1や、ダンク のオールホワイトを履かせた。
しかし、普通に女の子がコーディネートする場合は、
自分の体型とスタイルをかなり熟知していないと、痛い目を見るだろう…)




1500足も持ってて…コレクターじゃない?

エアフォース1・フリークの中でも有名なのは、
「今は1500足くらい持っていて、3000足くらいはプレゼントした」
という、DJ・クラーク・ケント氏だろう。

シューズ・コレクターの中でも、彼のように
特定のデザインやモデルに異常に執着するタイプや、
とにかくいろいろな種類のデザインを集めるタイプなど…
本当に様々だ。

(僕自身はこの二つをミクスチャーした、
「気に入ったモデルを色違いで何色も揃えながら、
マニアックなデザインのシューズもたくさん集める」
という、最もタチの悪いタイプだ。果ては木靴 まで…笑)

しかし不思議なことに、彼らのようなクツ好きが一様に口にするのは、
「自分は履くために買ってるんであって、コレクターではない。
コレクターってゆうのは、一度も履かずにひたすら集めてるだけの人だ」

…みたいなセリフだ。

一人の人間が自分のためだけに、1500足も同じクツを
集めているというのは、明らかに異常なことだし、
完全に収集癖があると言っていいだろう。

1500足すべてに足を通しているのかも、疑問が残るところだ。

「モノを集める」という、とても本能的で幼稚な衝動を隠そうとする羞恥心や、
そこから生まれる一種の同族嫌悪みたいな感情から、
こういうことを言っているんではないかと…
やはり同じコレクターとして、僕は思ってしまう。

ハッキリ言って、僕(彼)らは異常です(笑)

でもそれは、自分の中の、なにかとても美しいもの…しかし、
それが故に欠けているものを埋めようと、必死にもがいている、
際限のない表現衝動…そんな行為なんじゃないかと思うのだ。

もちろん手前ミソは承知だが…

だから僕は、自分がコレクターであることを認識しているし、
また、隠す必要もない。
なぜなら人は、どんな形であれ、
なにかに依存せずには生きていけないものだから。

その対象がスニーカーであれ、恋愛であれ、なんであれ…
それが自分にとってどんな存在かをちゃんと把握していないと、
どこかで必ず、大きな歪みとなって現れてきてしまうと…
僕は思うんである。

閑話休題。

ちなみに現在、このスニーカーが僕のコレクション中、
どんなポジションかと言うと、
「色違いで何色もそろえる」前者のタイプの筆頭である(笑)

加えて、ブラック・カルチャーからの影響や印象が強いエアフォース1だが、
スキニーのようなスリム・ボトムに合わせても、
非常にしっくりくるという事実も…
ここに記しておきたいと思う。


10cmのハイヒール・スニーカー「ロングトールサリー」公式サイト
http://www.high-heel.jp/