『暗いところで待ち合わせ』乙一著、読了 | 感想亭備忘録

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他者と関わることが苦手な男性。彼はある事件で警察に追われ盲目の女性が一人住む家に逃げ込みます。

視力を失ったことで社会とのつながりを断ち切ってしまった女性は彼の存在に気づかないまま奇妙な同居生活が始まります。

 

表紙の雰囲気とサスペンス的シチュエーションで怖い物語に思われがちですが、人との関わりに背を向けた男女が出会うことでお互いに起こる変化を描いたお話し。気配を感じ合うという交流の仕方があまりにも繊細で印象的です。

 

人と関わることで生まれる苦しみが人を傷つけ、同時に人と関わることで癒やされることもある。諦観と孤独の中に沈み平穏を望むのか、傷つくことも受け入れて安らぎを求めるのか。色々考えさせられました。

とても素敵なお話しでした。