非常に残念です。
ここまで高水準の物語を紡ぎ出していた今シーズンの「緊急取調室」ですが、最終回でみそをつけてしまいました。
前回の吉川愛さんのど迫力演技は今回の冒頭部分にも及んで引き続きいい緊張感をもたらしていました。改心したふうに見せかけて、殺意のないことを印象付けようとする強かさ、邪悪さも最後の事件の相手にふさわしく感じられました。
が、そこから吉田鋼太郎さん演じる校長への物語のバトンタッチがうまくいきませんでした。秘密や真相はなんの駆け引きもなく周囲がペラペラ話してしまって、取調室での攻防は一切なし。自殺を図る校長をお涙頂戴で止めるだけという一番やるべきではない安易な方向へ物語が逃げていってしまいました。
こうなってしまえばキントリの最後の事件かどうかとか、管理官と真壁の恋愛もどきとかどうでも良くなってしまいます。本筋でしっかり攻防や駆け引きを描くからこそサイドストーリーが生きてくるのであって、そこをお涙頂戴に逃げたのでは白けてしまいます。管理感が行方不明というシチュエーションも大して意味を持ちませんでした。空振りです。
なぜ最後の最後にここまで盛大に空振りしてしまったのでしょう。脚本家が飽きてしまったのかなんなのか。
それでも俳優陣は素晴らしい演技でした。吉川愛さんはもちろんですが、吉田鋼太郎さんは陳腐極まりないお話をその演技力によって見るに耐えるレベルまで持ってくるという力技を見せてくれました。さすがというかものすごいというか。
もちろんレギュラー陣も素晴らしい演技でした。全シーズン以前からのメンバーはもちろんですが、塚地さんが特に良かったですね。大杉漣という大きすぎる穴をどうするんだろうと思ったのですが、逆に他のベテランたちとの差別化にもなる、きちんとキャラのたった役柄、演技で好印象でした。
返す返すも残念です。最後の最後にどうしてこんな力のない物語にしてしまったのか。もったいない………。
