「友情・努力・勝利」
週刊少年ジャンプのキワードであるこの言葉を、漫画家の創作活動に当てはめる、ただひたすらそれを目指した映画でした。
スポ根やバトル漫画にピッタリのキーワードであり、王道であり、悪く言えば手垢のついた陳腐なものになってしまいかねないテーマを、地味で地道な作業であろう漫画執筆の世界にぶっこんだのがすごいですね。
本当によく出来ています。ライバルとの切磋琢磨、主人公の淡い恋、ラスボスの存在、挫折や病からの立ち直り、ライバルとの共闘、そして勝利。これらが一々漫画家や編集者を通して描かれるんです。見る前は創作活動の悩みや苦しみをリアルに描き出すのかと思っていたのですが、展開が本当にバトルモノでした。
深くはないかもしれないんですがやっぱり感動してしまいますね。
画面的にも地味な執筆作業を、バトルシーンのように描いてみたりCGを駆使して書いている絵がどんどん広がったり変化したりと、飽きさせない、かっこいい絵になっていました。
この映画を見ていて思ったのは、「こういう週刊少年漫画の世界」というのはあとどれ位存在し続けることが出来るんだろう、ということでした。
紙媒体の衰退が叫ばれて久しい出版業界ですが、少年ジャンプも例外ではなく、少子高齢化もあって部数は大きく落としているはずです。オンラインでの漫画の提供も増えてきています。
子どもたちは限られたお小遣いで買った漫画週刊誌を隅々まで読みます。好みではないテーマの漫画だってもったいなくて読まずにはいられなかったんです。そういう意味で週間少年マンガ誌というものがあったからこそ、それらの物語を共有していたのです。オンラインになれば好きなものだけをピックアップすることになるでしょう。
徐々に子どもたちの共通言語としての漫画は力を失ってしまうんじゃないでしょうか。
はたして子供たちの共通の物語としての少年漫画、というものは存在し続けることが出来るんでしょうか。
そんな事を少し考えてしまいました。
できればこの映画の登場人物たちのように熱い想いで漫画を作り続ける人たちとそれを夢中で読む子どもたち、そういう世界は無くなってほしくないものです。
あ、ちなみにヒロイン役の小松菜奈さんは、登場シーンは少なかったですが天使のように美しかったです(笑)
