追い詰められた哀しい境遇の人達が、辛い状況を生きているさまを描いているのに、不思議に明るいのはなぜなんでしょう。
前向きと言うほど前向きではなく、透明な物悲しさが全編を漂っているのですが、それでも随所に微笑んでしまいたくなる不思議な心の動きを体験させてくれます。
見せ方も工夫されていて、飽きさせない作りになっています。幽霊のモノローグなんて予想もつきませんでした。それでいてそんなに突拍子もないという印象を受けない語り口と内容。しみじみと見入ってしまいます。
それほどハラハラ・ドキドキとか、とんでもない謎とかが提示されるわけでもないのですが、続きが気になって没入して見てしまいます。
引っかかりが多いのが一つの理由なんでしょう。一応メインの偽札だけでなく、亜乃音(田中裕子)の母娘関係、ハリカ(広瀬すず)の行く末、持本(阿部サダヲ)とるい子(小林聡美)、中世古(瑛太)の周辺、色んな所がそれぞれ少しづつ絡み合いながら動いているようないないような、それら全部に哀しい背景があって、どれも気になって時間を忘れて引き込まれる、そんな感じでしょうか。
1月クールで好成績を上げているのは1話完結でわかりやすく、毎話カタルシスを感じられるドラマですが、それとは対極にあるドラマかもしれません。1話完結ドラマが「次はどんなエピソードだろう」という興味だとすればこのドラマは「続きはどうなるんだろう。」という興味が主体だといえると思います。どちらもそれぞれの面白さがあり、そしてこの1月クールはどちらのスタイルも高いレベルのものが(今のところは)見ることが出来ています。
このまま最終話までこの品質を保ってくれれば言うことはありません。
期待せざるを得ません。
余談ですが広瀬すずさん、いい演技してますね。悲惨な過去を背負って感情表現の乏しい役ですが、それでいてとぼけた雰囲気でシーンを和ませる力があります。ごり押しだのの批判もありますが、経験を積んできただけあってしっかりした演技力も持っているいい女優さんだと思います。ハリカの変化をすずさんがどう演じられるのか、そこも興味のポイントですね。
