これをご覧の方の中で、中国在住の方。
あなたが初めて中国の大地を踏みしめたのはいつのことでしたか。
コロナ禍の直前? 最中? アフターコロナ?
それとも?
私は、アテネオリンピックが行われた【2004年】でした。
それ以来、19年と5か月。
途中、一時帰国でひと月の滞在は何回もありましたが、
こちらがメインの居住地としてから上記の月日が経ちました。
そして、2024年2月、本帰国の時がやってきます。
当初、中国に1年だけの予定できました。
だから、当時、デスクトップパソコンしか持っていなかったので、
日本に置いてきました。
日本の情報なんてほとんど入りません。
始めの1か月で車に3度ほど撥ねられそうになったり、
「你好」「謝謝」しか知らず必至で数字を覚えたり、
楽しみを見出そうと居住地付近を探索しまわったりしたことは今でもよく覚えています。
その年、重慶において、サッカー日本代表への強烈なブーイングがあり、
「そんな国へ行かなければいけないのか?」
と恐怖心を持ちながら、私の中国生活は始まりました。
しかし、そんな気持ちはいつの間にか吹き飛び、
オリンピック開催へ向け、そして開催後もどんどん発展していく様子を眺めているのは
とても愉快で元気をもらえる経験でした。
そして、何より大きな収穫は、広い視野を持てるようになったことです。
始めは、日本人100%脳で、衝突も少なくなかったのですが、
日本の考えがすべてではなく、外国の考えにもそれなりの理屈があることを知りました。
時がたつにつれ、日本をどんどん客観的に見るようになり、
一時帰国時でも、ネットニュースを見るときでも、
基準を国境上に置いている自分がいます。
某ニュースサイトのコメントには、本当にさまざまな書き込みがされます。
中には、よくもここまでひどいことが言えたものだというものもあります。
以前は、現地にいる立場の者として、憤ることもありました。
でも、「あ、この人は知らないんだ。来たことがないんだ。経験したことがないんだ。」
という風にクールに見るようになり、単にネット上の情報もしくはそれを見た印象を組み立てたに過ぎない情報発信者を哀れだと思うようになりました。
実際にこんなことがありました。
ある年の一時帰国の便の中、日本人留学生と思しき若者たちが話しています。
「あ~あ、もう終わっちゃうね~。」
「帰りたくないよ。」
どうやら彼らの中国留学は大成功だったようです。
そんな声を聴いて、長年住んでいる者としては、微笑ましく感じた覚えがあります。
確かに、報道通り、とんでもないことが起きる国ではあります。
しかし、
そう簡単に「中国は~」というように大きな主語で一括りにできる国でないことも事実
だと思います。
同じ日本人でも嫌な奴はいるし、中国人の中にもいい奴はいます。
そういうものだと思います。
この約20年を通じて、日本が島国であることを心の底から思い知りました。
日本にいいところはたくさんありますが、もうGDP2位だった頃のプライドは捨てて、
冷静に謙虚に現実を見るべきだろうとニュースを見るたび思います。
声の大きさだけは未だに苦手意識がありますが(笑)、
この国に来られてよかったです。
頭の中は寂しさが走馬灯を回している状態ですが、
残り少なくなった中国生活を楽しみます。
今後も機会があれば、アップはしていきたいと思いますが、
まずはこれまでご覧くださった方に御礼とご挨拶をいたしたく存じます。
(中国未踏で興味のある方へ)まずはトライです!
(中国在住の方へ)タオバオ、フーマー、ウアラマ、最高ですよね。
ぜひぜひ使い倒してください。
それでは、7115日間、天津、北京、上海、蘇州を巡る私の大冒険はひとまず締めます。
またお目にかかりましょう。
ありがとうございました。