出光美術館に行ってきた。
「出光美術館の軌跡 ここから、さきへIV 物、ものを呼ぶ─伴大納言絵巻から若冲へ」展である。
当館は、ビルの建替計画のため今年12月で休館となる。
この貝殻の螺鈿の扇がデザインされた美術館専用エレベーターに乗るのも、あと数か月。
いや、私は、もしかして今日が最後かも知れない…と思うとじんとくる。
この最後の1年は、4期に分けて当館のコレクションを紹介し、本展覧会は第4弾である。
館内の写真撮影コーナー。
国宝「伴大納言絵巻」と伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」。
両作品とも素晴らしかった…。
メモ。
「蔬菜群虫図」 鈴木其一 (江戸時代)
解説パネルのタイトルが「リアルだけど、リアルではない」。
上下にキュウリとナスが蔓を伸ばし、葉を広げている様子が描かれている。
現代の私が見ると小ぶりな果実を付けているが、当時はこんなサイズだったのだろうか。ナスの根元に蛇苺が赤い実を付けて描かれている。
雀、赤トンボ、糸トンボ、虻、蝶が描かれている。
うーむ。ありそうでないような…美しいけど怪しいような。
「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」 酒井抱一 (江戸時代)
「十二ヵ月花鳥図」 酒井抱一 (江戸時代)
酒井抱一の花鳥図で12枚で一揃いのセットは、現在確認されているもので6セットだそうだ。
その6セットのうちの1つは皇居三の丸尚蔵館に所蔵されており、今年5月の「皇室のみやび―受け継ぐ美」展で鑑賞している。
出光美術館所蔵の屏風、掛軸の2作品も大変すばらしいものであった。
掛軸は、2019年にプライスコレクションから当美術館の所蔵に加わり、そのお披露目として昨年2月「江戸絵画の華〈第2部〉京都画壇と江戸琳派」展で鑑賞している。
今回、このような「鑑賞ガイド」が配布されており、屏風と掛軸の7月から12月の絵が見比べられるように掲載されていた。
又、展示室には、屏風と掛軸の1月から12月まで全ての絵が対比できるよう、しかも解説付きで掲示されていた。
展示されていた山水画、どれも素晴らしかった!
重要文化財「山水図屏風」 与謝蕪村 (宝暦13年・1763)
重要文化財「十二ヵ月離合山水図屏風」 池大雅 (明和6年・1769)
重要文化財「梅花書屋図」 田能村竹田 (天保3年・1832)
山水画に描かれている人物に憧れる。お茶を飲んだり、読書したり、景色を眺めていたり、小舟に乗っていたり…
重要文化財「雙峯挿雲図」 浦上玉堂 (江戸時代)
独特なタッチ。太目の筆跡、もわもわっと大胆に描いている…仙厓の作品を好む出光佐三氏らしいセレクトかも…とふと思った。
重要文化財「四季日待図巻」 英一蝶 (江戸時代)
「日待」とは、前夜から身を清めながら朝日を待つ神事だそうだ。
解説パネルのタイトルは「神への祈りはどこへやら」とあるとおり、楽器演奏する人々、行列を作りながら踊る人々、魚を捌く料理人、飲めや歌えや?状態。
「鑑賞ガイド」にもこの作品の登場人物が紹介されていた。
この作品は、英一蝶が流刑となり、流された三宅島で描いたものらしい。
私の出身地である三重県にゆかりのある英一蝶、気になる。
9月18日からサントリー美術館で「没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―」展が催される。大変楽しみである。
ロビーからの眺めである。
給茶コーナーでお茶をいただき、ソファに座って皇居の緑を眺める贅沢さ。
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この後、アーティゾン美術館のミュージアムカフェへ。
前菜「鯛のカルパッチョ シャルドネライムソース」
同行者は、「とうもろこしのデグリネゾン」
とうもろこしを複数のお料理で味わうそうだ。
冷製ポタージュの中にババロアが入っており、そして醤油風味のアイスクリーム、全てとうもろこし。
メイン「豚ロースの香草マリネ 柚子胡椒とマジョラムのソース」
ローストした豚マリネ、これは美味しかった。
左側はズッキーニ。2色のズッキーニを薄くスライスして複数枚重ねたもの。
同行者は「海老とハーブのアーリオオーリオ」
そして、最後はプチデザート
レモングラスのジュレ、メロン片、下にパンナコッタ。
ジュレ部分がとても爽やかで美味しかった~。