新潟市「敦井美術館」を初めて訪れた。
JR新潟駅から歩いて5分もかからない、大変便利なロケーションである。
「敦井美術館」は、実業家・敦井榮吉氏が自邸に飾り鑑賞する目的で収集した作品が所蔵されているそうだ。
「花籃と花鳥図展」を鑑賞。
近代竹工芸の第一人者、飯塚琅玕斎の作品を中心に、花鳥画と合わせて展示。
飯塚琅玕斎 「花籃 魚の舞」 昭和26年(1951)
口の部分に魚が竹ひごに吊るされて、房のように見える。
展示では、1区画47匹、1匹4.5㎝、合計282匹が吊るされていると拡大写真とともに解説されていた。
動かすと、シャランシャランと音がするそうだ。
今まで竹工芸については、特に注目することがなかったが、じっくり作品を見ていると、じわじわと魅力を感じた。
福田平八郎 「青竹大瑠璃」 紙本着彩軸装
これはチラシにあったもの。ああ、やっぱり福田平八郎は良いなあ…。
杉山寧 「紫陽花」 昭和22年(1947) 紙本着彩軸装
この写真でも美しい色が良く分かる。
このほか、
横山大観 「季秋」 昭和3年(1928) 絹本着彩軸装
瑠璃鳥と白ききょうが描かれている。青と白の対比がとても美しい。
展示室にあった図録に、「大観にしては珍しい」といったことが書かれていた。確かに…そんな感じの絵だった。
小林古径 「ほとゝぎす」 紙本着彩軸装
ホトトギスは、日本の特産種で主に太平洋側に自生する多年草だそうだ。その紫色の花を付けた草花が描かれている。
堅山南風 「白映」 昭和21年(1946) 紙本着彩軸装
堅山南風は、世田谷区岡本に住み、多摩川にスケッチに行っていたようだ。おお、何だか身近に感じる。この作品は、多摩川の風景を描いた作品らしい。
横山大観のお弟子さんだそうだ。ふむふむ。
小杉放庵 「梅花遊禽」 紙本着彩軸装
小杉放庵は、別号として放菴、未醒がある。
こちらの作品に使われている紙は恐らく「出光美術館の軌跡 ここから、さきへII」展でも多く使われていた「放菴お気に入りの麻紙」だろうと思われた。乾いた筆をこすりつけて描いた、墨がかすれた、もろもろっとした表現が大変素敵だった。
村上華岳 「野塘閑鳥図」 昭和6年(1931) 紙本水墨軸装
村上華岳といえば、仏画のイメージだが、これは池畔に佇む鴲(しめ)という鳥を描いたものだそうだ。
鴲は、きりっとした感じに描かれているが、何だか可愛らしく、ふとNHK「チコちゃんに叱られる!」に登場する「キョエちゃん」を連想してしまった。
とても静かで、展示室はゆったりとしていて居心地の良い美術館だった。
また訪れたい。