7月28日にアーティゾン美術館「空間と作品」展に行ってきた。

その2からの続きである。

 

エレベーターで5F展示場へ移動。

 

こちらは、作品の持ち主、関与した人物に注目して展示されている。

詳しく解説されたパネルもあり、そういう点に注目するのも興味深いと思った。

何だか茶道具みたいで。

 

ヴァシリー・カンディンスキー 「二本の線」 

(ミクストメディア・カードボード 1940)

 

 

スイス・バーゼルの画商エルンスト・バイエラーが関与。

数多くの展覧会を催し、近現代美術を広く紹介した人物とのこと。

 

「平治物語絵巻 六波羅合戦巻断簡」 (紙本著色 鎌倉時代・13世紀)

 

 

もとは10数巻で構成されていたそうだが、現在はボストン美術館の「三条殿夜討巻」、静嘉堂美術館の「信西巻」、東京国立博物館の「六波羅行幸巻」3巻と、「六波羅合戦巻」の断簡しか残っていないそうだ。

 

 

その「六波羅合戦巻」は、1943年まで、こちらのシーンと他13葉が同じ画帖に貼られていたそうだ。

 

前田青邨 「風神雷神」 (紙本墨画淡彩 1949頃)

 

 

「風神雷神」といえば、左手に雷神、右手に風神が描かれている俵屋宗達「風神雷神図屏風」を連想する。

 

 

こちらは、上下に描かれており、上に描かれた風神はなんと後ろ向きでこちらにお尻が!なんだかユニーク。

 

伝 俵屋宗達 「伊勢物語図色紙 彦星」 (紙本著色 江戸時代・17世紀)

 

 

美しい。

 

 

「破れ網に桜花散らし蒔絵弁当箱」 (木製漆塗)

 

 

江戸時代後期の第120代天皇・仁孝天皇の御遺物だそうだ。

これを持ってお花見をされたのだろうか。

 

横山大観 「神州第一峰」 (絹本著色 1930)

 

 

こちらの作品は、秩父宮ご夫婦の久留米滞在のために新築された宿舎を装飾するための作品。

 

竹内栖鳳 「鰹図」 (絹本著色 1927-30頃)

 

 

こちらも「神州第一峰」と同様の用途で準備された作品。依頼者は石橋正二郎氏。

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール 

「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」(油彩・カンヴァス 1876)

 

 

こちらの依頼主は、描かれたお嬢様の御父上・ジョルジュ・シャルパンティエ氏。出版社を経営して、文学者、芸術家、政治家を招いてサロンを開いていたそうだ。ほう。

 

「武蔵野図屏風」 (紙本金地著色 江戸時代・17世紀)

 

 

解体修復を行った際に、屏風の中から由来書が出てきたそうだ。

そこにはこの作品の持ち主のことは書かれておらず移動した地名が書かれていたそうだ。ほう…。

 

 

私は「武蔵野図屏風」というものが好きなのである。

 

重要文化財 中国 竜泉窯 「青磁鉄斑文瓶(飛青磁花瓶)」 

(磁器 元時代・14世紀)

 

 

備前藩主・黒田家の所蔵品だったようだ。

 

大阪市立東洋陶磁美術館「シン・東洋陶磁―MOCOコレクション」で鑑賞した、

国宝「飛青磁花生」(元時代・14世紀 龍泉窯)を思い出す。

そして、大阪市立東洋陶磁美術館併設の「カフェ キトナリ」で飲んだ抹茶ラテ「飛青磁花生」も思い出す。

 

古賀春江 「美しき展覧会」 (水彩・紙 1926)

 

 

(その4に続く)