読了。
書評を読んで図書館に予約し、暫く待って手に入ったので、人気の図書だと思う。
確かに、大変読みやすい。文字が比較的大きかったのも良かった。
著者の松原惇子氏といえば、1988年の「クロワッサン症候群」、
1998年の「クロワッサン症候群 その後」も読んでいる。
そして、私はこの2冊を2011年に読んでいる。
ああ、10年以上前なんだ…としみじみ。
著者の松原惇子氏も75歳、後期高齢者ということに驚く。
大変エネルギッシュな文章であった。
97歳母と75歳娘 ひとり暮らしが一番幸せ (著)松原かね子 松原惇子
母と娘が43年ぶりに同居し、別居。
母と娘のエッセイが交互に掲載されている。それがとってもいい感じなのである。
(太字部分は本書からの引用である)
娘の松原惇子氏のパートより
「私が同居で学んだことは、いい母娘関係を保ちたければ、距離を縮めないということである。母が悪いわけではない。私が悪いのでもない。悪いのは距離。」
松原家はメンバーがそれぞれの個を尊重する自立している家族だったよう。
「親子関係に限らず、友人関係や恋愛関係、結婚関係もそう。家族にも距離が大事だということだ」
「相手のことは知りすぎないほうがいい関係でいられる気がする」
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母の松原かね子氏のパートより
「私にとって「いい人」というのは、余計な詮索をしない人のこと」
家族の職業や、通学先などを訊いてくる人もいるが、そういう人とはつき合わないそうである。
「長い間仲良くしている人たちであっても、余計なことを尋ねて来る人はいません。私も訊かない。どこの家だっていろいろあるものです。だからこそ、友達との時間が楽しいのでしょう。何もかも忘れて、美味しいものの話とか、温泉に行きたいわとか話す。娘時代みたいに夢がいっぱい。笑顔になれます」
この部分はなるほど、そうだなと思う。
「もちろん悩みを打ち明けられたら相談に乗りますよ。だけど、下手なことを言っちゃダメ。「そうだったの、大変だったわね」「それは困ったわね」と言うだけでいいのです」
ついついお節介なことを言いそうになるので、これは肝に銘じておこうと思う。
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娘の松原惇子氏のパートで、「施設選びで重要なこと」が書かれていた。
①予算
②場所
③施設経営はどこが行っているか。経営者はどんな人か
④施設の理念に賛同できるか
「見学に行ったら、施設長に「おたくの施設の理念はなんですか」と聞いてみよう。そのとき、どこかの首相のようにモゴモゴ口ごもるようならやめた方がいい」
「母はなぜ人に好かれるのか」の娘の見解。
①「話上手」
「明るい性格で、おしゃべりも達者である。おしゃれにも気を配り、料理も得意。楽しいことが大好きで、いつもニコニコしているので、一緒にいて心地よいのだろう」
②「喜び上手」
③「お礼上手」
物をいただくと必ずお礼状を出し、お呼ばれの後は直ぐに電話してお礼を伝えるそうである。
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母の松原かね子氏のパート「人間関係は無理して広げない」というタイトルで、
「実は、施設の他の入居者とはあまり交流していません。今後はわからないけれど、今はまだここで友達を作る気はないの。ひとり暮らしを楽しむためにここにいるのですから」
なるほどねえ。これは長く賢く生きてきた人の知恵だよなあと思った。
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こちらは先週末、公園を散歩していて撮影したもの。
まだ本格的に寒くなっていないように思うが、梅ではないか。
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これは昨年末年賀状を求めた時に郵便局でもらったもの。
元日から使用。
こういうの嬉しい!