11月10日に訪れた大阪中之島美術館の「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー」展を振り返る。
当日、「作品リスト」に印をつけたもの、メモをしたものの記録である。
長沢芦雪 「虎図」(一幅 紙本着色 江戸時代・18世紀 オオタファインアーツ)
こちらの虎の毛の様子が驚くほど精密で、本物のような艶まで感じた。
図録は、この虎がデザインされていると思う。
円山応挙 「幽霊図」(一幅 絹本墨画淡彩 江戸時代・18世紀 個人蔵)
長沢芦雪 「幽霊図」(一幅 絹本墨画淡彩 江戸時代・18世紀 個人蔵)
「幽霊図」師弟対決。応挙のほうが怖いかも。
長沢芦雪 「花鳥図屏風」(六曲一双 紙本墨画淡彩 江戸時代・18世紀 株式会社千總)
淡い色調で春の様子を描いた作品。右隻の左側に小さく描かれたイタチが可愛い。
長沢芦雪 「童子・雀・猫図」(三幅 紙本墨画淡彩 江戸時代 天明6年・1786 個人蔵)
ツンとした猫、ネズミを手に乗せて遊ぶ童子、雀が3羽遊んでいる3幅の絵で構成。何だか連句的な感じ。物語が作れそう。
長沢芦雪 「絵変わり図屏風」(六曲一隻 紙本墨画 江戸時代 天明6年・1786 個人蔵)
本当は六曲一双屏風で各扇に1枚ずつ絵が貼られて合計12枚が1組の作品だそう。
今回の作品で描かれているものは6枚で次のとおりである。
第1扇「蜆子和尚」(蜆子和尚は中国唐時代末の禅僧で、住居を持たず蜆や海老を食べていたらしい。絵は3匹の海老を見て捕獲するところか)
第2扇「船子夾山」(船子は宋時代の禅僧で、船頭で生計を立てていた。船の上から弟子の夾山を突き落としたシーンらしい。川面に夾山の手と黒い袖の一部が見える)
第3扇「丹霞和尚」(丹霞和尚は唐時代の禅僧で、暖を取るために仏像を燃やしたという逸話が描かれているそうだ。燃えている仏像になぜお尻を向けているのかが疑問)
第4扇「芦葉達磨」(達磨が一葉の芦に乗って揚子江を上ったという逸話が描かれているらしいが図録の解説を読むまで分からなかった)
第5扇「鯨と漁船」(画面半分が黒で塗られており、上半分に漁船が描かれていたが、図録を読んでこの黒い部分が鯨だと分かった。そうだったのか)
第6扇「牧童吹笛」(牛にまたがり笛を吹く牧童が描かれている。私は牛と牧童の絵が好きなのである)
本作品、図録の詳しい解説を読まないと何が描かれているか分からないものも多かったが、リストに「欲しい」とメモ書きがある。図録の写真を見ても、良いなあ、欲しいなあと思い、長々と書いてしまった。
長沢芦雪 「牛図」(一幅 紙本墨画淡彩 江戸時代・18世紀 鐵齋堂)
展覧会の最後を飾る作品ではないか。リストの番号は早いが…。
チラシや看板にもなっている。
図録に解説がないので調べてみると、本作品を所蔵する「鐵齋堂」webサイトに「牛図 描表具-柴田義董 紙本」と書かれている。
描表装なのである。
表装部分には梅の木が描かれていると思う。これがまたとてもマッチしていて良いと思った。
牛の藍色の瞳も良いな。
長沢芦雪 「仔犬図屏風」(二曲一隻 紙本墨画淡彩 江戸時代・18世紀 江戸千家川上宗雪氏蔵)
風炉先屏風。所蔵者を見ると、なるほど。金地に可愛い仔犬が描かれ、もう…。
金箔の貼られた屏風を鑑賞する際は山口晃氏の「ヘンな日本美術史」の記述に従い、屈伸して見ることにしている。角度により、見え方が違う。それにしても仔犬が可愛い。
長沢芦雪 「富士越鶴図」(一幅 絹本墨画淡彩 江戸時代 寛政6年・1794 個人蔵)
尖ったように描かれた富士山の後ろに赤く小さい朝日。そこを丹頂鶴が一列に連なってこちらに向かって飛んでくる様子。単眼鏡で丹頂鶴を観察してみると、何となくユニークな顔をしているような気がした。
長沢芦雪 「月夜山水図」(一幅 絹本墨画 江戸時代・18世紀 兵庫県立美術館(頴川コレクション))
ぼんやりと霞がかった月が外隈で描かれていて、月に照らされシルエットになっている松。とても静かな夜だ。水墨の濃淡だけでこんなに表現できるとは。良いなあ。
98長沢芦雪・源琦 「朝顔に雀・隠元豆に四十雀図」
(二幅 絹本着色 朝顔図・江戸時代・18世紀/隠元豆図・江戸時代寛政3年・1791 個人蔵)
夢のコラボレーション?!
両者の描き方の違いが良く分かる。
今年2023年4月の府中市美術館「春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室」展の折に、芦雪の雀はちょっとゴツイ…角刈りの兄ちゃんぽいなあと思っていた。「体験コーナー」で見本として提示されていたものはこれ。
本作品の芦雪の雀も、やはり何となく顔が「四角い」可愛いけどナマイキ、のような…、いや、小さいけどおっさんですわ、みたいな?
一方、応挙の模範的な弟子とされている源琦の四十雀は、端正で美しい。
本展覧会では、長沢芦雪を紹介する映像が公開されており、印章についても解説されていた。
「魚」の印章。芦雪がこの魚の印章を使うきっかけになったというエピソードが紹介されていた。
こちらは欠損のない印影だが、周りの線の部分に欠けのある欠損ありの印章もあり、それについても述べられていた。なーるほど。
再度会場を回ったときに、「お、これは欠損あり」、「これは欠損なし」と印章に注目すると興味深かった。
いやあ、ほんとうに良かった。新幹線に乗っていったかいがあった。
前期も見たかったなあ。
来週11月26日のNHK「日曜美術館」はこの展覧会を取り上げるようだ。
こちらも楽しみにしよう。




