再開初日の三井記念美術館に行ってきた。
「茶箱と茶籠」展である。
午後2時頃に訪れたら、かなり空いていた。
展示室に私1人というシーンも。多くても5人という感じ。
ほとんどがお一人での鑑賞で、話し声もほとんど無い。
★メモ★
「色絵蓬菖蒲文茶碗」 野々村仁清作(江戸時代・17世紀 北三井家旧蔵)
美術館の公式サイトに写真が掲載されているが、実物はもっと明るい色合い。
描かれている蓬の緑色、菖蒲の藍色が非常に美しい。
見込み部分の表情も素敵。
「桐木地菊置上茶箱」 (江戸時代・18~19世紀 北三井家旧蔵)
大変有名な利休好みの茶箱。現代でも様々な作家さんが作られており、よく目にする。
本展覧会にも2点展示されており、やはり華やかで素敵。
桐の地に菊の花が胡粉置き上げが散らされている。
とても保存状態がよく、江戸時代のものとは思えないほどの美しさ。大切に扱われてきたのだなあ・・・としみじみ。
「桜木地茶箱 銘桜川」 蓋裏・応挙下絵 春正作桜川蒔絵(江戸時代・18~19世紀 北三井家旧蔵)
解説パネルに、桜の朽ち木を使った茶箱と書かれていた。
朽ち木なので素材に穴があいていて、それがとても良い雰囲気。
公式サイトには蓋が閉められた状態の写真が掲載されているが、展示では、蓋裏を見せて展示されていた。
この蓋裏がゴージャスなのである(これも公式サイトに写真有り)
円山応挙の下絵による蒔絵。桜吹雪が川面に舞っている様子が描かれている。
外側の朽ち木の風情とは、ガラッと変わって、なんだかとってもお洒落である。
この茶箱のセットが春。
これに似た仕立てで、上の「桜木地茶箱」と一対として組まれたようなのが、
「紅葉木地茶箱」 蓋裏・森寛斎下絵 紅葉漆絵(明治時代・19世紀 北三井家旧蔵)
こちらは、蓋裏に紅葉が漆絵で描かれており、しっとりした雰囲気。
このほか、金閣寺の古材や、薬師寺の古材で作られた茶箱も惹かれた。
茶箱も本当に様々で、蒔絵が施されたゴージャスなもの、木材の表情を楽しむもの、長方形、六角形、正方形、丸みのある変形のもの・・・いやあ・・・。
そうそう、大きさも様々。
組まれたお茶碗が「ぐいのみほどの小ささ」であるコンパクトな茶籠もあり、これならちょっとした外出にも持って行ける・・・・が、茶筅もかなり小さく、これで抹茶を点てるにはテクニックが必要かも・・・とふと・・・思ったが、やっぱり小さいものは可愛い。
公式サイトに写真が掲載されており、「復習」として見た。やっぱり良いなあ。
「紅花梨木地秋草蒔絵茶箱」(明治~大正時代・19~20世紀 室町三井家旧蔵)
こちらに組まれていたお道具にクラクラした(いや、本当に)。
「色絵瓢形振出」(永樂即全作)とにかく美しい。
茶器「青貝蕨蒔絵雪吹」、細かく描かれて華麗。
「銀壷々紋透茶巾筒」の透かしの部分が何とも・・・。
このほか、円山応挙の「山水図屏風」(江戸時代・安永2年(1773) 北三井家旧蔵)、
蒔絵の下絵と思われる黒地に金泥で描かれた「蜃気楼図」(江戸時代・18世紀 北三井家旧蔵)、
黒地の絹本に金銀泥で描かれた「山水図額」(江戸時代・安永3年(1774) 北三井家旧蔵)、これは茶箱などの内側に貼られた図であろうとのこと。
え、えっと用途に驚いた私であった。う、内張用?!
最初の展示室に、「菊谷焼十二ヶ月絵替茶碗 永樂和全作 12口」(明治20年(1887) 北三井家旧蔵)が展示されていたが、その永樂和全による扇面画が貼られた「扇面貼交風炉先屏風」(明治時代・19世紀 北三井家旧蔵)も素敵だった。
この扇面画は「菊谷焼十二ヶ月絵替茶碗」と対応しているようで、
右隻には、瑞鳥と花蝶、鶏合絵茶碗の図、左隻には武蔵野図、?図(メモの字が読めない・・・)、高台寺菊図が貼られている。この高台寺菊図の白と黄色がとても良いと思った。
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帰りに、故郷の美味しい物でも買って帰ろうと、本美術館の向かいにある「三重テラス」を見ると、なんだかひっそりしている。・・・休業中であった。
ということで、近くのショッピングビルでこれを購入。
ああ、懐かしの亀戸天神近くの「船橋屋」さんの「くず餅」ではないか!
袋の藤の花が目に染みる・・・
御朱印をいただきました。




