勝手に論愚選 【産経俳壇2024.06.20】【産経テーマ川柳】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇2024.06.20】
春夕べ詩集に多きあそび紙 (和歌山市 小栗 正子)
〔評〕空白のページが巻末に何枚かつく。とびきり好きな詩集。厚くはない。手触りも抜群。春夕べは暮春の哀愁がある。余韻に浸り繰り返しひもとく。
新樹光まつ白き鳥出てきさう (東京・板橋 藤田 博子)
田水張るふる里の夜は星ばかり (郡山市 寺田 秀雄)
薄暑光ゴリラを見たし何となく (平塚市 日下 光代)
目印は母の尻なり潮干狩 (土浦市 今泉 準一)
雨洗ふかくも緑のプラタナス (河内長野市 滝尻 芳博)
人類の進化どこまでしやぼん玉 (山梨市 石田 初江)

[対馬 康子 選]
初夏やガラスばかりの街に入る (我孫子市 森住 昌弘)
〔評〕林立するガラス張りの大きなビルに射す初夏の日差し。その街に意を決したように作者は「入る」。「ガラスばかり」の無機質さに都会の愁いが染みでている。
土塊(つちくれ)を被って小菜(こな)の芽吹きけり (東大阪市 宮脇 英基)
泰山木咲く天上の母へ咲く (大阪狭山市 角 雅風)
窓開けよ五月の空はフェルメール (川口市 渡辺 しゅういち)
賛美歌をうたふ学校海芋(かいう)咲く (守山市 岡田 英隆)
利休忌やこの雨の悲を受く器 (浦安市 岡 研一)
尾を垂れて祈りのかたち五月鯉 (宇陀市 泉尾 武則)
夏の沼私という洗面器 (さぬき市 鈴木 幸江)
人生に仁王立ちする春の雲 (堺市 山根 秀一)
夏祭天狗の伯父の後を追ふ (伊那市 鈴木 秀雄)

【産経テーマ川柳】テーマ 行列
食べるための行列昔と大違い (神奈川・大磯町 奥山 宏)
観光地男子トイレに入りたい (大阪市 浜下 栄子)
えっ残り全部ってひどい前の人 (明石市 小田 和子)
行列に知る人多い特売日 (神奈川・葉山町 芦澤 孝作)
売り切れになるなと祈る最後尾 (東京・大田 玉川 勘助)