勝手に論愚選 【朝日俳壇2024.05.26】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【朝日俳壇2024.05.26】
[高山 れおな 選]
曳き別れゆく山車の灯の揺れ朧 (高山市 大下 雅子)
(評)動詞の多い粘り強い描写を、朧の一語で叙情的に締めた。
喜寿にして買ふ入門書「薔薇の庭」 (栃木県壬生町 あらゐ ひとし)
五月富士本日日本営業中 (川越市 横山 由紀子)
後の世は蝮にならん彼奴(きやつ)を咬まん (川越市 益子 さとし)
陰陽師の如く蛙は天仰ぐ (一宮市 岩田 一男)

[小林 貴子 選]
本尊にデコポン五つ広隆寺 (宮崎市 池江 諭)
ああ躑躅いやあな色と嫌はれて (本庄市 篠原 伸光)
(評)三橋鷹女は〈日の昏れてこの家の躑躅いやあな色〉と、言いたい放題。
春の雨女傘にて夫帰る (柏市 藤嶋 務)
春の夜の鉛色なる月球儀 (東京都足立区 望月 清彦)

[長谷川 櫂 選]
戦争を忘れぬ為の昭和の日 (筑紫野市 二宮 正博)
雲の峰夏が楽しくありし頃 (川崎市 大野 宥之介)
春愁を抜けし一日マティス展 (松戸市 橘 玲子)
脳天を貫く辛子初がつお (12字縦)松阪市 石井 治)
戦争を止めぬ大人や子供の日 (岡山市 曽根 ゆうこ)

[大串 章 選]
ぴかぴかの駅にきらきら風光る (香芝市 土井 岳毅)
望郷の外人墓地や若葉風 (大和市 荒井 修)
春秩父兜太の顔に見える山 (伊賀市 福沢 義男)
夫の柩をみているふしぎおぼろの夜 (福山市 津田 重子)
詰襟とセーラー服や春提 (須賀川市 関根 邦洋)