勝手に論愚選 【日経俳壇2024.04.27】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【日経俳壇2024.04.27】
マガダンを語らぬ祖父よ金瘡小草(きらんそう) (東京 朝田 黒冬)
(評)きらんそうと訓ませるのだろう。じごくのかまのふた。しっかり蓋をしてくれる万能薬なのだ。人間の動乱の歴史に黙(もだ)す苦悩。
電線のなくてはならぬ燕かな (神戸 井上 源一郎)
潰れたる軒を動かず初燕 (茅ヶ崎 清水 呑舟)
(評)おそらく報道画面などを通しての願いからするイメージなのだろう。動かずは見守る者の意志。
見返しの遊びめくれば落花かな (京田辺 加藤 草児)
花杏返事無くとも心の師 (長野 中沢 善尋)

[神野 紗希 選]
列島のかたちは胎児さくらさく (町田 松尾 正晴)
蛇穴を出て飛行機を竜と思ふ (上尾 中野 博夫)
被爆死の兄三人に蓬餅 (東京 山口 照男)
青春を戦に捧げ昭和の日 (伊万里 田中 秋子)
(評)現在93歳。茨木のり子の詩「わたしが一番きれいだったとき」が重なる。
四月一日生れの園児膝に置き (奈良 辻本 昭代)
ちゃんこ番の頬杖春のうれいかな (東京 鶴田 伸太郎)
レイアップシュート卒業歌の余韻 (松原 たろりずむ)