勝手に論愚選 【日経俳壇2024.04.13】 | 論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【日経俳壇2024.04.13】
[横澤 放川 選]
鳥風や窓全開に荷を解く (鶴ヶ島 廣島 幹雄)
(評)鳥風は春秋いずれにもいうようだが、ここでは北方へ繁殖のために帰る鳥を導く風だ。人も自然も活動し出す季節のちからを思う。
黄砂降れば一兵卒祖父涙ぐむ (東京 吉田 かずや)
笹起きる遠より母を案じ来て (東京 駒形 光子)
乳棒にくだく乳香復活祭 (国立 中村 りん)
シベリアへ帰るほかなし春の雁 (石巻 石の森 市朗)

[神野 紗希 選]
焼き立てのキッシュの暖さ春の風 (白山 秋野 しら露)
(評)卵液たっぷりのふわふわキッシュ。「暖さ」の一語が鮮やかだ。春風も甘く柔らかい。
草笛を乗せて連れ去る塾のバス (吹田 前田 尚夫)
春愁の大丈夫じゃない大丈夫 (岡山 浅沼 利郎)
(評)心配され「大丈夫だよ」と答えるとき、本当は大丈夫じゃないことって結構ある。素直に頼れたら愁いも晴れるのだけれど。
俳壇歌壇名のみ知る知己さくら餅 (川崎 根本 汎)
鞦韆で見てたきみのアンダースロー (横浜 夏目 陽子)