きみの靴の中の砂 -3ページ目

きみの靴の中の砂

このサイトは "Creative Writing" の個人的なワークショップです。テキストは過去に遡り、随時補筆・改訂を行うため、いずれも『未定稿』です。

(S/N 20260203-3 / Studio31, TOKYO)

 

 

 

 

 父親から写真撮影のトレーニングを受けたときの最初の機材『コニカ 2B型』。露出計は付いていないので、空を見上げて雲量を測り、光量を読んでからシャッタースピードと露出の組み合わせを選ぶことになる。汎用フィルムはネオパンSかSSだった。

 

 

(S/N 20260203-2 / Studio31, TOKYO)

 

 

 

 

 南風が恋しくなる頃。

 

 

 

 

 

【伊豆田洋之 - 冬の南風】

 

 

(S/N 20260203 / Studio31, TOKYO)





 大きなテーブルをふたつ、みっつ囲むほどの人の数  ——  その日、就学前のぼくは、大人達に混じって横浜はチャイナタウンの、とある大飯店の座敷にちんまりと座らされていた。記憶の情景の片隅に、やっと伝い歩きをはじめた従姉妹が見える。

 突然、品書きにある芙蓉蟹(ふようはい・蟹玉)を食べたいと言い出した母の妹に、連れ合いで満州育ちの叔父が、
「それは家庭料理だから、本来、料理屋で注文するものではない」
「いや、そんなおかしな話があるもんか、絶対食べる」とふたりして人前で大喧嘩をはじめたのを憶えているから、両親の兄弟夫婦一同が子供を連れて集まった食事会だったかもしれない。

 さて、ぼくが卵のスープをご機嫌でお代わりすると、最後に、焼き菓子が盛られた大皿が目の前に置かれた。それは、ぼくの記憶に残る生まれて初めて見る『おみくじ入りのクッキー』だったと思う。
「中に紙(おみくじ)が入ってるから、食べちゃっちゃあダメよ」と隣に座っていた母が教えてくれる。

 母によると、おみくじは全部『吉』が入っているので、選ぶのに悩むことはないとのことだった。

 






【Petula Clark - My love】

 

 

(S/N 20260201-2 / Studio31, TOKYO)





 スポーツばかりしていたせいで、女子とはあまり縁のない四年間だった。

 それなのに、
 卒業式のあとのパーティーで、初めて知ったあの子が、なぜか今も気にかかる。

 その日を最後に、彼女は帰郷してしまったというのに...。

 



 

 

【Jan & Dean - I Found A Girl】

 

 

(S/N 20260201 / Studio31, TOKYO)

 

 

 

 

 週末 - 銀座三丁目。

 

 

 

 

 

【This Time - シグナルはブルー】

 

 

(S/N 20260131 / Studio31, TOKYO)





「もっとも危険な行いは、一箇所にとどまっていることだってよ」

 まさかきみがバロウズを引用するなんて...。

 



 

 

【The Lovin' Spoonful - She Is Still A Mystery】

 

 

(S/N 20260130 / Studio31, TOKYO)





 あれはネバダだったかカリフォルニアだったか...。


「昼飯時だ。野ウサギのシチューを食べさせてやろう」とその老人が言うので、

「有り難い。大層幸運である」と答えたのはいいが、キャビンから彼が猟銃を持って出てきたのを見て、そっから始めるのか!と思わず笑いかけたのは、旅の途中の1978年の秋も終わりの頃のことであった。

 



 

 

【Sting - Englishman in New York】

 

 

(S/N 20260129-2 / Studio31, TOKYO)

 

 

 

 

 亡くなった大正生まれの父親は、子供を誉めることは少なかった。そもそも昭和以前の生まれの男とはそういうものだったのかも知れない。

 今、死んだ父親に誉められたことで記憶に残るのはたったひとつだけ。

「おまえは、お金が有るときは有るように使い、無いときは無いようにしか使わないところが立派だ」

 当たり前のことと言えば当たり前だが、借金してまで遊ぶヤツもいることを考えれば、あながち当たり前ではないのかも知れない。

 

 

 

 

 

【The Beatles - Money (That's What I Want)】