(S/N 20251220 / Studio31, TOKYO)
もう明日は冬至と言うけれど...。
【Tom Petty And The Heartbreakers - I Need You】

(S/N 20251217 / Studio31, TOKYO)
さて、国の歴史が長いと国民の宗教観が多様化するのは何も我が国だけに限ったことではありません。しかし、日本人のようにその多くが仏教徒でありながら、クリスマスも祝えば神社も参拝するという例は他にはないでしょう。戦に敗れ、アメリカの文化が色濃く急速に流入してきた国としては、それもまた止むを得ないことです。そもそも太平洋戦争がなかったら、ハンバーガー、フライドチキン、コーラもここまで日常生活に密着したかどうかは疑わしいところです。さらに、クリスマスもここまで賑やかな行事になっていたかどうか...。
いずれにせよ、今年も間もなく降誕祭がやってきます。
ところで、子供の頃から聞き慣れたいくつものクリスマス・ソングの中で、あの『ホワイト・クリスマス』が(言わば事故でもない限り)日本語で歌われたのを聴いたことがないと思います。
さて、そのわけは...。
『ホワイト・クリスマス』を作詞作曲したのは、明治21年(1888)生まれの Irving Berlin (アービン・バーリン) というロシア系ユダヤ人。音楽好きだったらしく、独学で音楽家として身を立てた苦労人 —— 今でいう、シンガー・ソングライター。
このバーリンさんが『ホワイト・クリスマス』を作曲したのが1940年というから彼が52歳の時 —— 日本海軍がハワイの真珠湾を攻撃する前年のこと —— バーリンさんは1989年まで存命で享年101才。
そのバーリンさん、自分の親族か知人を対日戦で亡くしでもしたか、あるいは戦争を仕掛けた日本をそもそも嫌ったのか、とにかく生前から日本語訳で『ホワイト・クリスマス』を歌うことを著作権者として許可しませんでした。さらにご丁寧なことに、死ぬ間際、遺言にまでそれを明記しました。余程、日本を嫌いだったとみえます。だから『ホワイト・クリスマス』は、日本人に限らず、世界の誰もが日本語では歌えないのです —— 遺言にも著作権同様の有効年限ってないのでしょうか? 是非、知りたいところです。
しかしその反面、チープな訳詞を無理矢理歌わされる不幸から私達は救われました。あの美しいメロディーは原語のまま聴いていたいし、歌っていたい。
【Connie Talbot - White Christmas】
(S/N 20251214-3 / Studio31, TOKYO)
日本語に『足を洗う』という言葉がある。その意味や由来は辞書にあるのでここでは触れないが、先日、そろそろ潮時なので長年の生業から手を引こうという仲間がいて、その報告で『足を洗う』を使った。普通、サラリーマンが定年退職時にその言葉を使うのは聞いたことがないが、その他の業種ではたまにある。特に日本の戦後間もなくの小説家など『足を洗う』を使っても違和感がないのはなかなか面白い。
その話の輪の中に三十年程前に日本に帰化した元中国人のT君がいて、
「中国では同じ意味で『金の器で手を洗う』って言う」という。
『日本は汚れた足を洗い清めるのに、中国は金の器で手を洗う(そういう身分になる)』を対比すると興味深い。前者の前職は悪いことをしていた雰囲気があるが、後者にはそんな意味は全く無く、一般人から出世して身分の高い人や立派な人になることを指すという。
【Rubber Soul Beatles - And Your Bird Can Sing】