食事が愛情表現の大きな手段である日本から、ちょっとその常識がなんとなく通用しない国イギリスへ棲みつき早十数年。
周りを見渡すと、何でもかんでもピンとキリの差が、日本とは比べものにならないくらい大きく感じますが、料理もそうだと言えるでしょう。
そう、お料理上手な人、グルメな人は、とことん、もう本当にとことんこだわります。
ロンドン周辺に住むグルメな人は、休日に日帰りで海を越え、フランスに行って食材を買ってきたりする人もいます。
そして、お料理が苦手、嫌い、興味無い人は、本っ当に何も料理をしません(電子レンジとオーブンのスイッチくらいは押すかも。。。?)。
かねてより、どうしてそこまで差があるのか不思議でしたが、最近謎の一つが判明いたしました。
秘密は料理のレシピ本。
理由1、
デカイ、そして重い。
私の個人的感覚で、日本とイギリスで「普通」と判断した2冊を比較。
平均的日本人とイギリス人の体格と同じくらい違い、
日本の本、308g。 持ちやすく、収納しやすいです(秤が汚くてすみません。いつもブログに写真を載せてから我が家の汚れに気づきます)。
理由2、
字が多い
フランス料理のレシピ本ですが、
学術書。。。。? 途中経過も出来上がりも、素人にはさっぱり想像つきません。
一応ところどころ、挿絵はつけてくれています(心遣い?)。
とにかく、素人に手出しできるものでは無いという雰囲気だけは伝わります。
多分、料理オタクにはたまらないきめ細やかな情報が織り込まれているはず。
理由3、
画像はあるものの、料理の手順に関する情報を読み取りにくい。
学校給食改革で頑張ってみたけれど、おそらく手ごたえのなさに人生の儚さを感じていると思われるジェイミーさんの本。
テレビに出ているセレブシェフなので、一応素人さんも気になる人多い、比較的一般受けしたと思われるベストセラー。
完成写真しかなく、やはり文章から工程をきちんと想像できる、読みとれる人でないと。。。。
サラダとか、混ぜるだけのは別に工程いらんし。
この本はベストセラーだと思いますが、実際に中身のレシピを使うことなく、酒に逃げたイギリス人多いと思います。
さらに、私が今回見つけた中で、一番衝撃だった、さすがラテン(多分)という一冊。
世間知らず、リサーチ面倒なため、このシェフの人気度はわかりません。
補足:少し調べてみたところ、シェフはニュージランドご出身のようです。 ただ、ひいおじいさまがカタルーニャ人とのこと。
電車から鮭のしっぽが。 アーティスト度が高すぎて、これをどう料理に役立てるのか。。。?
スイカ、たしかにボーリング用として使ってみたい。。。?
美味しいもののためには、タコくらいは海から自分で採ってこないと。
羊に(しかも死んでカラッカラに干された)ハイヒール履かせてみるアート心。
こんな男らしく牛乳飲める俺って、すごくない!!??
そして、
このシェフ、おそらくこのレシピ本の中で一番見せたかったのは、レシピでもなんでもなく、自分のシックスパックだと思います。
私だって、ジムで鍛えてこんなのになったら、自分のレシピ本とか出してしまうかもしれません。
以上、サイズ&重さと字の多さと画像の不適切さ(最近はネットでレシピを検索することの方が多いかもしれませんが、BBCのレシピサイトなども、日本人目線からは親切とは言い難い画像情報量です)で、料理本から料理を作ってみたいという気が削がれるのが原因の一つでは無いかと思います。
もちろん、イギリスは超絶な格差社会ですので、中学生になってもアルファベットの順番を知らない人がいる(私の生徒さんの大半)一方で、想像を絶した想像力の持ち主やらチャレンジ精神の持ち主がいるので、このような料理本も、ロンドンの片隅の、ナイフ殺傷事件をくぐり抜けている元気なティーンが多い地域の図書館にも置いてあります。