本が好きそうなことをブログで書いてきましたが、実は、舞台やミュージカルが一番好きなワタクシ えっ? そんなこと聞いてないぞって? あははは。本への裏切り行為だ
、と本フェチの方々は思うかもしれませんが、やっぱりね。だって、生身の人間100人が3年間じっくり創作してきたものを、2時間全力で見せられちゃうと、冗談じゃなくて総毛立つと思うのです。なのに、公演後はその全てが消えてしまう……。あの激しさ、切なさ、儚さに、どうしても浪漫を感ぜずにはいられません
私が一番好きな演目は、「シラノ・ド・ベルジュラック」というオランダ生まれのミュージカル
原作は、劇作家のエドモン・ロストンによる。舞台は、フランス・パリ。シラノは実在の人物で、フランスの剣豪、作家、哲学者、理学者です。『月世界旅行記』などSFものも出版した「月の人」。とにかく、「シラノ」の最後は、涙、涙なしには見られません。
フランスでは毎年どこかで舞台がやられているほど、国民に人気の高い作品だそうです。
今年の5月、フジテレビ主催の「シラノ」が東京でやっていたのですね。鹿賀丈史主演。たった今調べてみて、発覚しました。悔しいです。もし知っていたら、是非観たかったです
2001年 赤坂ACTシアター
<あらすじ>
シラノは大きな鼻の醜い男だが、剣の達人。やんちゃ男で暴れ回り、誰の言うことも聞かない。いとこのロクサーヌだけには優しく、恋心を抱く。しかし、ロクサーヌはクリスチャンという美少年を愛している。クリスチャンは、文章も上手いシラノに恋文の代筆を依頼する。シラノは2人の仲をとりもつ。そして、何も知らないロクサーヌは、クリスチャンの素晴らしい詩を奏でるような恋文にますます愛を深め、結婚。
「私はあなたの姿ではなく、あなたの美しい言葉を愛していたのです」とロクサーヌ。
シラノとクリスチャンが戦争へ。クリスチャンはシラノに、「ロクサーヌを愛しているならば、あなたの想いを告白しろ」と残して、戦死。
7年後、パリの修道院。愛する人の死で傷ついたロクサーヌ(←確か、視力を失ったはず?)。週に1度、面白可笑しく街のニュースを語ってくれるシラノを楽しみに待っていた。その日、シラノは体の容態がおかしい。2人の会話の中の言葉で、ロクサーヌはふと気がつく。
「もしや、あの恋文は……」。
私の「シラノ」体験といえば、アメリカ留学中に初めてのNYで観劇。1993年ブロードウェイ、ニール・サイモン劇場にて。英語だったから、やはりシラノのラブレターの良さを味わうことはできなかったのが残念です。
次は、NHKのBSにて。無名塾。仲代達矢演じるシラノ。ヒロインのロクサーヌは、若村麻由美。若村麻由美があまりに美しく、演技が上手で、今だに脳みそに焼き付いている無名塾シラノ。
ラストは、9年前の東京ひとり暮らし時代。冬の赤坂ACTシアター。TBS主催「シラノ・ザ・ミュージカル」。ミュージカル界の大御所・市村正親演じるシラノ。ロクサーヌは西田ひかる。正直、西田のロクサーヌの印象は薄い。市村正親のアクションはお見事。ちゃんばらシーンなんか素晴らしい動きで、感動しました。シラノの可笑しさ、滑稽さが巧みに表現されていました。千秋楽だったので、会場はスタンディングオベーション 拍手喝采
2001年1月21日(日)★
あ~あ、今年の春、鹿賀丈史のシラノを見逃したミスは大きいです。次は日本でいつ、誰が演じるのかしら? また10年後ぐらいだったりして。名作だから、劇団四季辺りがスタンダードに加えて欲しいのですが、そこまで人気はないのかな