先ほど主人に「よく考えてみてよ。どうして、私があなたと結婚することになっちゃのか。そして、自分もどうして私と結婚したのか、不思議だよねぇ~」と言いました。すると主人は、「たまたま」とだけ呟きました。おいお~い……
さて、『ドラママチ』の裏表紙には、このように書かれています。
“欲しいもの……子ども、周りの称賛、やる気、私の人生を変えるドラマチックな何か。でも現実に私の目の前にあるのは、単調な生活に、どうしようもない男、中途半端な仕事……。高円寺、荻窪、吉祥寺、東京・中央線沿線の「街」を舞台に、ほんの少しの変化を待ち望む女たちの姿を描いた、心揺さぶる八つの短編”
コドモマチ
ヤルキマチ
ワタシマチ
ツウカマチ
ゴールマチ
ドラママチ
ワカレマチ
ショウカマチ
上記8つの短編の中で、表題作の「ドラママチ」は同じ女性としてかなり共感しましたねぇ~
かつて、憧れていた男性を当時の恋人から奪い、6年間の交際を経て婚約。結婚の準備期間に、妙な倦怠感に襲われてマリッジブルーになる主人公。目の前の彼が王子ではなく蛙に見える。別れたい……。自分は何かドラマチックなものを待っているのに、彼はダラダラと惰性で結婚へと運んでいる気がして、モヤモヤしている。
この気持ちは女性ならばわかります。まあ、結婚後の主婦から言わせて頂くと、そんなもん、釣った魚に餌やらないのは当り前、男なんて動物は次から次へ若くて可愛い女を探し求めては(遠くから見るだけでも十分愉しく生き甲斐になるらしい幸せな動物)興奮しながら仕事がはかどるんですよ~、出世するんですよ~、なんてお節介で主人公に教えてあげたくなっちゃいました(←腐ってます?)。
でも、タイトルを決して裏切らず、最後にある出来事が起きます。それが嬉しいんですよね~ いや~、よかったよかった
毎日違うものを使って、つまらない日常をドラマチックに♪
さて、私個人の人生を振り返り、恋愛においてかつて可笑しな出来事があっただろうか、とブログネタ探しをしました。そうしたら、結構ありました。恋愛の数は悲しいほど少ないんですけれど……。
1つめ
前の旦那さんからは結婚式の2ヶ月前に某とんかつ屋で、「僕、もっと可愛い子と結婚したかった」と泣かれました。彼は当時27歳で若かったのですが、本当に涙を流しました。後日、傷ついた私は真剣に怒り、婚約解消をしようと提案。そうしたら、次のデート場所の公園でさらに泣かれました。「だって、もう式場も予約してあるし、両親や親戚にも言っちゃったから」と。おいおい。で、2年以内に離婚。皆さんもご注意下さい。
2つめ
アメリカの大学時代の彼氏から、「俺、こんなブスと付き合ったの初めてかもしれない」と言われました
彼は、過去の彼女の写真を全部持っていた変わり者で、全員分を見せてもらったら、なんと嘘ではなく本当に可愛い人ばかり(中には外人もいた) 私はショックのあまり落ち込みそうになったのですが、いやいやポジティブシンキングで、逆に自信を得たのです。「それって、最高の誉め言葉じゃない?」と
ラスト
この「ドラママチ」のシチュエーションにちょっと似ているのですが(ネタバレぎりぎりのラインかな?)、かつて遠距離恋愛をしていた彼。超多忙、且つ容姿のわりにはモテ男だったので私が放置されることもしばしば。悶々としていた私は、他にオジサマを作ってちょっとだけ遊んだのです(神よ、赦したまえ)。それを彼にわざと言いふらしたデートの帰り道。JRのホームで私を見送る彼。電車に飛び乗った私。2人は見つめ合い、バイバイと手を振る。車掌のアナウンスが響き、2~3分の待ち時間があったでしょうか……。
その時、彼が大声で私に向かって叫んだのです
「オジサンと別れろ~!」 「オジサンと別れろ~!」
私は頭が真っ白になって、車内にいるたくさんの乗客をチラチラキョロキョロ見た。
あいにくの通勤ラッシュ。みんなが私の方を見て、
「この女、ブスなくせに、生意気にも二股かけてるのか~!?」
と思われているだろうことに、もう顔から火が出てどうしようもなくなり……
俯きながら、彼を斜め45度から睨みつけながら、「シッー!」と人差し指を自分の唇に押し当てました。
“諸悪の根源は、お前の方だろ~”
と心の中で抵抗しましたが、むなしく恥をかきました。
最後に扉がとうとう閉まる直前にダメ押しで、
「オジサンと別れろよ~」
と満面の笑みで私に手を振った大きな声の大きな体の彼。
本当に狡賢い方でした。
それでも、彼のことが大好きだった私は、それが嬉しかったんですよね
恋愛中って女性はバカになることがありますね。子宮で物を考えるから?
あれは、ドラマというより、衝撃的過ぎて今でも脳細胞に記憶として残っています。
誰の人生にもどんなドラマがあったのか、また今後どんなドラマがあるのか、考えると面白いですよね~。特に、人の話は面白くて笑えます。
そんな記憶が蘇った角田さんの作品集でした