『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』 松下政経塾〔編〕 | 読書至上主義

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毎日1冊は本を買ってしまうワタクシの雑感です。

今、書店を覗くと売れているのがよくわかります。今日も名古屋市内の某書店では「ビジネス書 第3位」の棚に置かれていました合格


本当にお恥ずかしながら、私はこれまで松下幸之助氏の本を読んだことがなかったのです。よく考えたらそういう古典に触れず、よくもマイブームがビジネス本ブームだとほざいていたとちょっと反省中ガーン


これは松下幸之助氏の未公開テープ100時間の中から厳選された言葉をまとめた本。口語体なので、臨場感があって読みやすいですOK いやー、世間の皆様から200光年遅れて恥をかいても、それでも本当に読んでよかったと思えた言葉です。この本との出逢いに感謝しますニコニコ



読書至上主義-リーダーになる人に知っておいてほしいこと
『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』



右矢印成功する人とは、何やしらん人を引きつけるような魅力があって、他にもさまざまな要素があって、それで成功しているんです。非常に頭がよく勤勉であっても、必ずしも成功しない。


右矢印成功の条件は、「運」と「愛嬌」、そしてそのうえでの賢さ、勤勉さなどの能力。


右矢印宮本武蔵は(剣を)学んだ先生があったかというと、先生、師匠はいなかった。彼は自分で修めて、会得したんや。だから、君らも、言うなら、「あんたの先生は誰だ」と聞かれたら、「先生はいない。先生はぼくや」と答える。そういうようにならないとあかん。…全世界の人々がこうしたらいい、こうしたら人間の幸せというものが約束できるという信条を発見したら、それを発表したらいいわけや。きわめて簡単やろ、君(笑)。できないことはないで。


右矢印悲観したり、思うようにいかなかったり、迷うときもある。そうしたときに、もうこれしかないと運命をかけることができるかどうかが、成功と失敗の分かれ道となる。


右矢印羊飼いが、羊は犬のようなもんやと思っていたら、これは失敗する。…一方、われわれは人間やから、お互いに飼いあいをしている。ぼくは諸君に飼われているけど、諸君もぼくに飼われているという飼いあいをしているわけや。…そやから会社を経営するうえでも、成功しようと思ったら、従業員も人間やから、人間とはこんなもんやという本質を知る、そこから出発しないといかんわな。諸君は、大学で人間について研究したか。


右矢印「松下さん、あんたえらい成功しましたな」と言われるけれども、ぼくは毎日一喜一憂している。その一喜一憂の連続が、ぼくの姿やな、ほんとうは。はたから見たら、「えらいうまくいっておるな」と言われてやっているけれども、その実情は随所に問題を抱えている。それが人生というものやな。…社長というものは、まあ言えば心配するために存在するわけや。心配があることこそ、自分の生きがいである。だから、悩みというものがある人には、生きがいがある。


右矢印苦労は買ってでもするほうがいい。成功したときに人生を語るうえにおいても、それがものをいうしな。あんまり無事平安にいくと後日物語がない。後日物語があるほうがええわけや。


右矢印商売は勝ち負けである。この注文がどちらへ行くのか、相手に自分より多く取られたら負け。それに勝つには、まず勝つことに対する執念がなくてはならない。


右矢印何事もやる以上は精魂をこめて身につくようにやる。すると掃除のような日常のことでも、十年のあいだに格段の差が出るものだ。掃除を究めれば、政治さえもわかるようになる。…諸君は他の何についてもそういう見方をしないと、非常に浅くなってくる。深いものを汲み取ることができないわけや。だから、掃除をしていても、政治の真髄をつかめる人と、単なる掃除で終わってしまう人と、十年のあいだに格段の差ができるわけや。


右矢印人情の機敏を知っていたら、天下でも取れるわ(笑)。


右矢印むこうが感動するような手紙を書いたか。通りいっぺんの手紙やったらあかんで。それでは何もならない。そういうところから、天下を取る人と天下をつぶす人とが分かれてくる。1ぺんの講演を聞いただけで非常に感服して偉くなる人と、同じ講演を聞いても聞き流してしまう人とがあるな。成功する人はみんな、一言聞いたらそれを全部生かしている。


右矢印けれども、どんな仕事でも不必要な仕事はない。…すべてのものが尊く見えるようにならないとあかん。全部長所を見なければいけない。森羅万象いっさいが、われわれになくてはならないものであると考えないとあかん。「あいつはかなわんなあ、なんか虫が好かんなあ」と言うてるあいだはまだあかん。どんな人でも、虫が好くように考えてあげないといかんわけや。


右矢印結局は、君自身に学校へ行かなくてもやれるんだというくらいの強い意志がなかったらあかんで。…自分で国際大学みたいなものをつくってやる、皆を集めてやるというような志をもたないといかんな。あの学校はいいと聞いたから行きたいなとか、友だちがみなこっちの学校がいいと言うから行きたいなとか、そんなことではあかんな。


右矢印生身の人間というものは、長所もあれば欠点もある。だから、いい点がいっぱいあるのやったら、欠点もたくさんある。この人は偉い人やと思ってつきあっていたら、偉い人の欠点がわかったときに失望するわな。ぼくも欠点だらけや。そのつもりでつきあってくれよ。


右矢印和をもって第一とするということやな。その強い力がなかったら、やっていることが全部無になってしまう。



松下幸之助氏は小学校中退で大阪へ奉公に出られたなんて、想像を絶する苦労されているのですね。貧乏だった我が祖父ですら、尋常小学校は卒業しています。やはり、経営者である前に人格者。言葉に深みがありますアップ恋の矢