『サヨナライツカ』 辻仁成著 | 読書至上主義

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毎日1冊は本を買ってしまうワタクシの雑感です。

『サヨナライツカ』は、中山美穂の夫である辻仁成が書いた作品です。


バンコクが舞台の恋愛小説。今年の春には映画(フジテレビ製作)が公開されるという話だったのですが、まだ完成していないのでしょうか。心配です。早く観に行きたいです。


これは、男性と女性の恋愛の違いが浮き彫りにされている作品です。

渡辺淳一の『欲情の作法』で訴えていることが益々納得できますね。


あなたは、愛されたことを思い出すヒトですか?

愛したことを思い出すヒトですか?


作品中の辻さんによる詩がステキですドキドキ



サヨナライツカ


いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない

孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい

愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある

どんなに愛されても幸福を信じてはならない

どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない

愛なんか季節のようなもの

ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの

愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ


サヨナライツカ


永遠の幸福なんてないように

永遠の不幸もない

いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる

人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと

愛したことを思い出すヒトにわかれる


私はきっと愛したことを思い出す