実は全国に無数あるすずらん通り
銀座の其れが知られてるけど
のすじいは神田のすずらん通り商店街通ったな。
古書店のゾッキで一冊10円の鬼平犯科帳
文庫本で漁って奥の哲学書と詩集、
高給玩具見つめる餓鬼のような顔で眺めて。
堀口大學と荻原朔太郎と宮沢賢治
全集欲しくてアルバイト二つ掛け持ちしたら
ちびデブが遊んでくれないと愚図って・・
挙句にデートが神田すずらん通りという
粋なんだか莫迦なんだか、な青春の日々。
洋物の童話絵本、清水の舞台から飛び降りる気分で
買い与えたら抱きしめるように持って離さなかった。
確かカッツ何とかと書いてあったドイツのネコの絵本。
一番安いポークカレーに福神漬け大盛りで喰い
名曲喫茶で此れも安いブレンドで粘ったなあ。
ドップラーのハンガリー田園幻想曲とか
妙に地味な、管楽器系のリクエストしてやって。
ああ、天地真理の表紙の週刊誌グラビア見て
アレが=てんちしんり=とぽそっと音読したがために
周囲の客とマスターが必死でに爆笑堪(こら)えてた
アイスココアの美味しい喫茶店も神田だったっけ。
遠い日は・・思いだすたびに美しくなるよ。
もう・・すべては夢の中なのだけれど。