慶應義塾大学SFC総合政策学部2012年度小論文の解き方 | ロゴスタガヤス!

ロゴスタガヤス!

東京都港区三田にある英語専門塾「LogosIES」のOfficial Blog!
”英語の学び方”から慶應大学入試解答速報まで受験生の役に立つ情報を幅広くお届けします。英語の学習に不安がある人も極めたい人もお待ちしております。英語小論塾のSFC小論文/現代文も開講中!

こんにちは!
今日は、授業で扱った総合政策2012の小論問題について見ていきたいと思います。

この年の問題を見て、

「うわ、総合キツっ。環境の方が実感あるし楽だわ」

と感じた人も少なからずいるはずです。それは何故か。

世の中の動向に関心をもってニュースなどを見ている人にとっては、どれも身近なテーマかもしれませんが、学校生活をエンジョイしている一般的高校生(僕がそうだったのですが…)からしてみると、「へぇ~そういうもんなのか~」と、ポワワン顔になってしまいます。

その一因は、まさにグローバリゼーションという概念にありますし、それがこの年度のコアと言っても良いと思います。ちょっと詳しく考えてみましょう。

グローバリゼーションとは、

「社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの境界を超えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象」(『知恵蔵』2007より)

と説明されています。

これを見ると、「で、それって具体的にはどういうこと?」となると思います。


例を挙げます。

国家の枠組みを超えて地球規模へ、という流れとして一番分かりやすいのは環境問題だと思います。
中国で汚染された大気は、国境でとどまることなどせず、朝鮮半島や日本列島に押し寄せます。温室効果ガスを排出したのがたとえ一国であっても、温暖化の影響を受けるのは全世界です。こういった事情から、環境問題はグローバルイシューとして考えられ、地球規模の取組みが行われています。

多国籍企業の活躍も良い例です。一国の経済はもはや一国の活動によっては決まらなくなりました。
輸送や情報通信技術の発展によって、企業が世界中のどこでも自由に活動できるようになり、母国以外にいくつも拠点を構え、他国の経済に影響を与える力を持っっていったからです。(勿論、税制や規制などの問題は国によって異なりますが…)

「環境」「ビジネス」という全く違うジャンルにおける現象ではありますが、「グローバリゼーション」という観点では共通しています。このように、特定の分野においてではなく、様々な分野において「国境を超えて地球規模になっていく」現象をひとまとめにしたものが、「グローバリゼーション」という概念なのです。

ですから、「グローバリゼーションについて考えよう!」と一口に言っても、とてもじゃないけど一言では語りきれません。どの主体に注目するかによっても(国・企業・個人などなど…)、どの切り口から見るかによっても(政治・経済・文化などなど…)、説明の仕方が変わってきます。

その結果、それぞれに視点も立場も異なる資料を5つも読まなければならない、というしんどい状況になっているのだと思います(ひえ~)

実際、

資料1.産業の軸となる主体
資料2.日本の産業構造
資料3.資本主義社会の変化
資料4.地域協定
資料5.民主化


と、どの資料を読んでみても、それまで興味のなかった人にはなかなかとっつきにくい分野だと思います。

では、どうやってそんな魔境を攻略すれば良いのでしょうか!?




答えは次回!!(え~っ)


ーーーーーーーーーー
ちなみに、今日の授業レジュメをちょっとだけ公開!

1.ウォーミングアップ
・最近関心を持ったニュースあるいは本は何か?
・おさらい:SFC小論の大事なポイント2つとは?どうか      

2.では2012年度の問題に移りましょう(残念ですが、今日はほぼ国語と社会の授業になります)
① 各資料を読解しましょう
・1人1資料を担当して解説
・もう少し解説が必要なものについて、補足で確認
 資料1:クラウドファンディング(HP)
 資料2:モジュール化(補1)、ハイテクパーク(HP)、グローカル化(補5)
 資料3:田中明彦(元東大副学長、現JICA理事長)『新しい「中世」』(補2)
 資料4:FTA(EPA)の潮流と日本(補3)
 資料5:アラブの春(補4)

② 問1を確認しましょう
③ 問2を確認しましょう…どんどんアイディアを出し合うパーティ