努力型でもいける慶應SFC英語!総合政策2014を読んでみた! | ロゴスタガヤス!

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本当に尻込みしちゃうくらい長くて単語も難しいと言われているSFC英語。
帰国子女レベルじゃないときついんじゃないと思われていますが、意外と努力型でもいける!(と思う。私がそうだし。)というわけで、昨日の2番の一段落をターゲット先生と読んでみます!!


<1段落全文>
If human rights were a currency, its value would be in free fall,thanks to a gross inflation in the number of human rights treaties and nonbinding international instruments adopted by international organizations over the last several decades.These days, this currency is sometimes more likely to buy (<31>1.cover 2.front 3.back) for dictatorships than protection for citizens.Human rights once enshrined the most basic principals of human freedom and dignity; today, they can include anything from the right to international solidarity to the right to peace.




If human rights were a currency, its value would be in free fall,
もし人権が通貨だったら、その価値は自由に(開放的に)落ちているだろう

直訳だとぴんとこないけど、これは仮定法過去。
人権は貨幣ではないけど、もし貨幣だったら価値は落ちているらしい。
currencyの意味がすぐにわからなかった人は、ターゲット1400の292番を確認し直しましょう。形容詞currentだと「現在の」という意味ですが、名詞だと「通貨」です。
in free fallがターゲットと読解力のみでは訳しにくいけど、何かからの束縛を受けずに解放的に落ちていくくらいの意味でとる。ちなみにfree fallは経済の専門用語で「大暴落」知らなくてもわかるけど、知っていいたほうが便利。


本文はthanks to~(~のおかげで)と続くので、何が原因で人権の価値が落ちているのかの説明が続きます。

thanks to a gross inflation in the number of human rights treaties and nonbinding international instruments adopted by international organizations over the last several decades.

ながい。いきなり心が折れそうになる。けど、頭の中でこう分割すればなんか簡単に見える?

thanks to a gross inflation
in the number of human rights treaties and nonbinding international instruments
adopted by international organizations over the last several decades.

thanks to a gross inflation
はなはだしいインフレーションのおかげで

grossはターゲット1900の1794番。「総計の、はなはだしい、粗野な」と3つの意味が載ってますが、ここでは「はなはなだしい」という意味が一番しっくりきますね。インフレーションとは、物の値段が上がっていき、通貨の価値が下がっていく状態を指します。ここでは、最初の一文から分かるように人権を通貨に例えているので、「人権」という通貨が世界中に出回りすぎて、「人権」そのものの価値が下がっていることを指しているのでしょう。

で、はなはだしいインフレーションとは具体的にいうとどういうものなのかの説明が続きます。

in the number of human rights treaties and nonbinding international instruments
adopted by international organizations over the last several decades.
最近数10年以上国際的な組織によって採用された
人権の条約と結び付けられていない国際的な機関の数における

この文章は現在分詞と過去分詞の使い方が試されますね。
分詞はもともと動詞だったものがingだと現在分詞、edだと過去分詞となり、文中では名詞を説明する形容詞としての役割を持ちます。
なので、ここではnonbindingという現在分詞が前からinstrumentsを説明していて、adoptedという過去分詞がandで繋がっているhuman rights treatyとnonbinding international instrumentsを説明しているということをまずおさえましょう。(文章で書くとややこしい・・・図で書きたい・・・)

the number ofは~の数、a number ofはたくさんの~。これは教科書レベルの基本語句。
treatyはターゲット1900の1076番。条約。
instrumentはターゲット1400の672番、1900の452番に載っていて、意味は「器具・楽器・道具」など。ですがこれだと「結び付けられていない国際的な楽器?器具?」となりうまくはまりません。そこで辞書を引くとinstrumentsには「政府などの機関」「正式な文章」を示す意味があるのが分かります。そしてnonbinding束ねられていない??これも「法的に拘束力のない」という法律用語。この辺は自分の単語帳に加えていきたいところです。

最近は電子辞書を持ち歩き、分からなければすぐにそれに頼る高校生が増えていますが、辞書に載っている全ての意味を覚えるのは至難の業です。自分のお気に入りの単語帳を1つ見つけてそこに書きこんでいく、単語帳を辞書形式に使う方法が効率的でしょう。そうすれば、覚えなければならない必修単語をしっかり可視化することができるからです。
adoptは採用する(ターゲット1400‐402)。よく似たadaptは適応する(ターゲット1400-103)。
やっぱりSFCは最低限ターゲット1400と1900は入っていないと太刀打ちできませんね。

話がそれましたが、要するにここまでいっていることは「ここ最近たくさん作られている条約や国際機関によって、人権の価値が下がっている」ということです。







These days, this currency is sometimes more likely to buy (<31>1.cover 2.front 3.back) for dictatorships than protection for citizens.
Human rights once enshrined the most basic principals of human freedom and dignity; today, they can include anything from the right to international solidarity to the right to peace.

ここで問題31が出現します。問題がある場合は、前後の情報が必要なので、私はいつも31を考えつつ、次の文章を読んでいきます。

These days, this currency is sometimes more likely to buy (<31>1.cover 2.front 3.back) for dictatorships than protection for citizens.
最近この通貨はときどき市民に保護を買うよりも支配する人(独裁者)のために<31>を買う傾向がある。

be likely toは教科書レベルですね。(1400だと178番)
dictatorshipっていう単語が難しいけど、1900だと1620番に「dictator指図する」と載っています。dictatorshipは辞書では「独裁者、独裁権」などと出てきます。
なのでここでは「支配する」くらいの意味合いでとるとちょうどいいでしょうか。
「人権が市民ではなくて支配する側の偉い人のためのものになってるだなぁ」くらいの意味で取れれば上出来だと思います。

Human rights once enshrined the most basic principals of human freedom and dignity; today, they can include anything from the right to international solidarity to the right to peace.
人権はかつては人間の自由と尊厳の最も基本的な原理を大切にしていた。
今日それら(人権)は国際的な団結の権利から平和の権利を含むものを含んでいる。

いきなりenshrineって単語が難しいですね。これは1400にも1900にも載っていませんでした。こういう単語を自分専用ノートを作ってまとめて覚える作業がとても重要です。enshrineは「~を祭る、大事にする、正式に述べる」などの意味があります。ここでは「大事にする」がとっつきやすい訳でしょうか。shrineは神社だから「神社でまつる」で覚えるのもありかも。

dignityは「尊厳・威厳」(1400の1253)です。principleは原理(1400-355)、「principal主要な(1400-783)」と間違えないようにね。

セミコロン(;)は補足説明に使います。ここでは「onceかつて」と「todayこんにち」の人権の原理の違いを対照的に述べてます。
セミコロン以下はfrom A to B(AからBまで)をおさえましょう。include含むも基本単語(1400-37)。
solidarityは1400にも1900にも載っていません。辞書では「団結・結束・連帯意識・利害などの一致」と出てきます。これもsolidから派生させるしかないか、、、。





…ということで、問題31に戻ると、
These days, this currency is sometimes more likely to buy (<31>1.cover 2.front 3.back) for dictatorships than protection for citizens.
最近この通貨はときどき市民に保護を買うよりも支配する人(独裁者)のために<31>を買う傾向がある。

thisの指す内容は前で述べている「ここ最近たくさん作られている条約や国際機関によって、価値が下がっている人権」のことです。
buyは「buy A B」もしくは「buy B for A」で「A(人)にB(物)を買ってやる、おごってやる」という形で使います。
そうすると、独裁制の「back背中・背後」や、「front前」にだと意味が通りにくいのが分かるでしょうか。
よって、『最近この通貨(=人権)は時々、市民に保護を買うよりも、支配する人(独裁者)に「cover覆う・隠すカバー」を買う傾向がある』とすると文意が通るでしょう。無生物主語の文なので日本語にはしにくいのですが、currency通貨に引っ張られてbuy買うという動詞が使われていると考えるとよいと思います。


つまり、最後の文章で述べられている様に、意味が広がりすぎてしまった人権は、直接市民を保護するものというよりかは、支配する側・独裁者側の政策や意図を覆い隠すような役割を担ってしまっているということです。「本当は人権は市民の権利を守るものなのに」という筆者の本音が垣間見えるような表現ですね。

…以上が第1段落です。(笑)





この1年SFC英語担当するようになって思う大切なポイントは、、

①ターゲット1400・1900は確実に意味をおさえ、それ以外の単語をできるだけ増やしていくこと

②直訳から意訳にスムーズに移行できるようにするために、構文を正しくおさえられる練習と文法の演習をすること

③内容にとっつきやすくなるようにまずは日本語でSFCに出やすい文章テーマ(哲学・人文・科学)に触れておくこと

④(実際は、この長さの段落が13段落、解かなければならない問題が30問+同じ構成の問題がもう1問で全2問構成なので)ながーい文章を2時間で読む体力・集中力・スピードを日々鍛えていく



の4点がSFC英語攻略の確実で重要なポイントになってくるのではないでしょうか。
いやーたいへんだー。たいへんだー。でも多くの受験生(非留学)もできるようになっているので、みんなやればできる。そして、さすがターゲット!でも足りないのでターゲットから外れたSFC単語帳つくる!(野望!そしてアシスタント募集、、)


来年SFC狙おうと思っている人まだまだ間に合います。諦めずに取り組んでみようヽ(・∀・)ノ


そして過去問満点じゃなくても受かるんです!!!
専門用語を過去問題やそれに準ずる文章を読むことを通して蓄積していけたら、どんな文章が来ても強いですね。次回はこんな文章読んでみたい!を書けたらいいなと思っています。

でも、まずはターゲットを覚えることからヽ(・∀・)ノ