福岡県の公立入試(国語)では,最後に必ず作文が出題される。
しかし作文といっても10~12行程度のもので,示されたお題に対して自分の意見を述べるという形が一般的。
文章は2段落構成で,第1段落では案Aと案Bのどちらかを選び,その理由を書く。第2段落では,第1段落の内容を踏まえて,さらに工夫することなど,追加すべきことを書く。
しかし,これだけの内容を200字程度で書くのはなかなか難しい。中身の濃い話を書くのは不可能である。
《第1段落》
私は「案AorB」がよいと思う。なぜなら「 」だからだ。
《第2段落》
さらに「 」という工夫をするとよいと思う。「 」すれば,「 」となり,「 」でよいと思う。
これくらいで軽く200字程度は埋まってしまう。
つまり,これは作文というよりは長めの記述問題と捉えたほうが相応しい。
原稿用紙の使い方は言うまでもないが,それに定型句を叩き込めば,みんなが似たような解答になる。
そうなると差がつくのは「お題を正確に捉えているか」の部分になる。
限られた時間の中で「作文せよ」というのは,生徒たちにとってストレスになる。
よくお題も読まずに?書き始める人もいる。
書きながらお題を読み直したりすると,それこそ支離滅裂な作文になってしまい,第1段落と第2段落で矛盾が生じたり,全然方向性の違うことを書いてしまったりする。
あわてずに,聞かれていること,書くべきことを明確にしてから書き始めたい。
コツは,文章は短く切ること。長い人は1段落につき一文のようになる。ダラダラと長い文章は,本来言いたいことを濁らせるし,「係り受け」の間違いが起きやすい。
係り受けとは,「私は」に対して「~と思う。」のように主語(主部)と述語(述部)との関係のこと。
文章が長くなると,「私は」に対して「~だからだ。」のように噛み合わなくなる。
このミスはとても多い。
文は短く。これは英作文でも同じだ。
さらに案Aと案Bのようなディベート型の場合,他方をけなすのは良くない。
案Aがよいと思う。なぜなら案Bではこのようにダメだからだ。
というのは,少し訓練が足りない。
基本的には,どちらも良い,どちらにも利点があるがこちらを選ぶ,のスタンスである。
映画は字幕か?吹き替えか?
のように,どちらでも良いテーマで,両者の良さを述べる練習などをすると良い。
作文は,自分の考えを正しい言葉で,ルールに則って示せるかを問うもの。
中身の良し悪しを問うものではない。
その人の学力が如実に表れるもので,総合力が問われるものである。