あれほど素直に悔し涙を流せただろうか?
女子で五輪史上初、SPでトリプルアクセル成功、FPでトリプルアクセル2回成功の快挙。
誇るには十分すぎるほど値する結果を残しながらも、あの悔し涙。
あのイチローもこの件に関しては
「「初めての舞台でそれだけの力を発揮するのはすごいこと。だれもやったことないことを
やって、嬉し涙でもおかしくない。悔し涙だったんでしょ?すごいなぁ。」
とコメントを出していたが、本当にすごい。
もし自分だったら、「史上初のことをやった」という事実に酔いしれているかもしれない。
「何でキムヨナはあんなに点数が高いんだ!」と憤慨していたかもしれない。
あの涙こそ、彼女が「なぜ世界のトップに君臨できるか」を証明している気がする。
あの悔し涙の本当に意味するところは、真央ちゃんのみぞ知るところだが、キムヨナの
異常とも言える高得点に対する悔しさは、ほぼないように思える。
恐らく彼女は、そこに怒りの感情を向けても何も生まないことを知ってるんだろう。
結果は結果として、素直に受け入れる。
トップアスリートとして当然のメンタルなのかもしれないが、その当たり前を実践できる
彼女にはとにかく関心する。
ちなみにイチローも、その打席がどんなに理不尽な結果であったとしても、次の打席では
もうそのことは忘れているらしい。
トップアスリートがトップアスリートたり得るためには、そーゆー姿勢が不可欠なのかも。
人間は、どうしても瞬間瞬間の出来事に執着してしまいがちだけど、いらぬ執着は何も
生まない。
むしろそれは足枷となって、結果的に自分を苦しめる。
今回の彼女の姿勢から「諦め」の真髄を見た。
「諦める」とは「明らかに見る」こと。
対象への執着を捨て、ただありのままを明らかに俯瞰すること。
自己の感情に左右されない境地。
周りでどんなことが起ころうとも「関係ない」
いらぬことを考えるより先に行動する。
「今を生きる」境地だ。
過去に執着するでなく、ただ未来に思いを馳せるでなく、「今」と向き合う。
「今」から疎外されない唯一の生き方を体現する真央ちゃんに乾杯

井上雄彦 バガボンド32巻より
-----------------------------------------------------------------
さあどこへ行こう?
いや これ以上 流浪する必要などあるのか?
何を探しに行くと言うんだ? 今を差し置いて
この瞬間という 無限の空間を――――
言葉にするなよ その途端にもう遅れてら
今といいつつ 今にいないじゃねえか
おっさん穴に帰りてえ
いや それすらもすぐにただの言葉 帰りたきゃ帰りゃいい
いつでも帰れる 今ここで
動け 揺さぶれ 言葉を振り切れ
今のど真ん中にいるために
-----------------------------------------------------------------