想いの道 ~会長の独り言~ -212ページ目

『新しい時代の夜明け』

 皆さん、明けましておめでとうございます。

 2003年の新しいスタートをこのようにして皆さんと一堂に会してお祝いできることを心から嬉しく思います。皆さんもご家族ともども希望に満ちた清々しい新年をお迎えになったことと思います。

 昨年を振り返ってみればサッカーのワールドカップに沸き立った日韓両国、さらに小泉首相の北朝鮮訪問とその後の拉致被害者5人の帰国問題を筆頭に世間が大きく揺れ動いた年でした。

 社内でも参松工業福岡工場の閉鎖に伴う輸送二課の職場縮小、そして、三菱自動車・スズキの運賃ダウンに対して、皆さんの給与・賞与の削減要請など、あまり明るい話題には乏しい1年でした。

 さて、今年はどんな1年になるのでしょう。いやこの1年だけではなく、これからの時代はどのようになってゆくのか考えてみましょう。諸々の価値観がこの半世紀の間に大きく変化し、これからも加速をつけて変化して行くだろうということは、皆さんも何とはなしに感じておられると思います。皆さんは「世の中って不公平だな」という疑問をもったことはありませんか?どんなにもがいても貧乏地獄から抜け出せない人もいれば、遊び回っているのに裕福な人もいます。また、いい人なのに不幸続きの人もいれば、みんなから嫌われながらトントン拍子に出世する人もいます。いい人ほど幸せになり、働く人ほど裕福になるのなら納得できます。ところが、世の中を見れば見るほど理不尽なことが多く目につくのは、何故でしょうか。つまり、運不運、幸不幸というものは、それぞれ別のルールに従って決まっているのです。このことに気付くのが早い人ほど、見当外れの努力や悩みに苦しまずにすみます。

 私たちの運は、生死も含めて「宇宙のルール」、すなわち「ものごとの背後にあり、そのなりゆきを司る普遍的なルール」に従っています。それに対して財産を蓄えたり地位を築いたりするのは、「社会のルール」に従っています。ですから「社会のルール」に則ってさえいれば、倫理に反していても財産や権力を得ることは可能なわけです。むしろ、上手に世渡りするには、本心を隠し、他人を欺かなくてはならない場合も多くありました。今までは。

 ところが、いまこの「社会のルール」が大きく音を立てて崩れようとしています。いよいよ、大転換期の到来です。相次ぐ大企業の倒産、不正行為、官庁の権威の失墜、金融ビッグバン、若者の風俗の急激な変化など、ここ数年の社会の変化にはめまぐるしいものがあります。それは昼夜が逆転するような大変革です。今までの時代を〈夜の時代〉と呼ぶならば、新しい時代は〈昼の時代〉と言っていいでしょう。正確にいうならば、今は〈昼の時代〉が始まったばかりの、〈夜明けの時代〉なのです。ちょうど地平線に太陽が少し顔をのぞかせたくらいと言っていいかもしれません。

 〈夜の時代〉の最大の特徴は、「宇宙のルール」と「社会のルール」が矛盾するという点にあります。「宇宙のルール」には、すべての生き物は幸せな一生をまっとうすべきだという大前提があります。人間は本来、病、貧困、闘争などの不幸を味わう必要はないのです。

 ところが〈夜の時代〉では、その真実は覆い隠され、不幸は人間社会にはつきものだと考えられました。そこで「ごまかし、盗み、破壊し、苦しめる」という「社会のルール」のとおりに、人々はだましあい、奪いあい、暴力をふるい、憎しみあったのです。しかし、私たちが向かおうとする〈昼の時代〉とは、「社会のルール」と「宇宙のルール」が一致する時代です。ですから、私たちは幸せになるために、まず「宇宙のルール」を理解する必要があります。〈昼の時代〉になれば、「宇宙のルール」こそが、健康、豊かさ、平和への道しるべになるのです。

 では、「宇宙のルール」というのは、一体どういうものなのでしょうか。まず1つ目は、「絶対的自由」です。常識は時代によって変わることからも分かるように、善悪の基準は、人間が考え出したルールです。しかし、本来宇宙には「これをしてはいけない」「あれをしなくてはならない」という判断はなく、いつも私たちに無限の選択肢を用意しています。

 2つ目は、「共生」という特徴です。このことは、自然界を観察すれば明らかです。植物が光合成のときにだす酸素を動物が必要とし、動物が吐き出した二酸化炭素を植物は取り組みます。このように、私たちがいらないものを必要としている存在があり、彼らが作るものを私たちはいただいているのです。

 「宇宙のルール」の最後の特徴は、「進化する」ということです。宇宙ではすべての命が進化を遂げています。ほかの生き物を観察すると、好きなことを好きなときにしながら、楽々と進化しています。本来は我々も好きなことをするとき、宇宙から様々なアイデアやエネルギーを得られるようになっています。

 これら3つのルールに則って、「自由」に「共生」して「進化」していくのが、人間の本来の生き方なのです。

 では、具体的にはどのような生き方をすればいいのか来月号から順を追ってお伝えします。

 長くなりましたが、これからの時代は楽しい時代です。そのように意識を変えるだけでもハッピーではありませんか。