ふぞろいの林檎たち | 風の吹くまま

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怪談を語り、ウクレレ漫談で世相を切り、落語を演じる・・・実は「聴き屋」です。

ドラマ「ふぞろいの林檎たち」が5月27日に放送開始40周年を迎えました。

40年!

 

山田太一先生脚本のドラマはだいたい好きなのですが、この作品が一番好きです。

私の青春の一ページです。

 

 

山田先生の脚本って、セリフが本当にリアルなんですよね。リアルすぎるくらいリアル。

ストーリーとは関係ない、普通の日常会話がちゃんと使われていて

(いちいち「相すいません」とか)。

 

そして、ストーリーもですが、キャストの「林檎たち」もすごく良くて。

 

中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾、国広富之、

石原真理子、手塚理美、中島唱子、高橋ひとみ。

 

 

当時の私は高橋ひとみさんに魅かれていました。

これが寺山さんの秘蔵っ子のひとみさんのデビューでした。

一番共感してたのは岩田くん(時任三郎)でした。カッコよかった。

 

意外と知られていないのですが、このドラマ、パート4まで作られているのです。

個人的には正直パート2まででよかったかなと思っておりますが・・・。

 

それと、この「ふぞろいの林檎たち」が40年経っても名作とされる要因の

ひとつは、音楽。すべて、サザンオールスターズ、桑田さん。

ひとりのアーティストだけの曲を複数使ったドラマはこれが初めてです。

 

テーマ曲は「いとしのエリー」でしたが、「私はピアノ」が陽子(手塚理美)のテーマだったり、

「いなせなロコモーション」が生意気な後輩・佐竹(水上功治)のテーマだったり、

とにかくドラマとピッタリで。

 

そうそう、当時の私、「ふぞろいの林檎たちサウンドトラック」として、

カセットテープ(60分)にサザンの曲を編集してました。

カセットなので、A面、B面。

これはなかなかいい曲の並びでしっかり60分テープに収めて、

我ながら素晴らしいと今でも思います。

 

今でもこのテープを聴くと、車の中でこれを聴いていた当時の光景がありありと

思い浮かんで、もう二度と戻ってこないあの頃を思い、

その「二度と戻ってこない」を噛みしめて、噛みしめて、切なくて涙が出ます。

 

A)

1.いとしのエリー

2.ボディ・スペシャルⅡ

3.いなせなロコモーション

4.勝手にシンドバッド

5.C調言葉に御用心

6.思い過ごしも恋のうち

7.私はピアノ

B)

1.気分しだいで責めないで

2.YaYa(あの時代を忘れない)

3.チャコの海岸物語

4.My Foreplay Music

5.栞のテーマ

6.シャ・ラ・ラ

7.いとしのエリー

 

そして、何より「ふぞろいの林檎たち」というタイトルが、もうそれだけで素晴しいですね。

 

先日はまたNHKのBSで、山田先生の「男たちの旅路」を放送していましたが、

いまの若い人たちにも機会があれば、昭和の名作ドラマを是非見て欲しいものです。

本当に当時はいいドラマがたくさんありました・・・。

山田太一さんしかり、向田邦子さんしかり。