「お風呂になさいますか、お食事になさいますか」

なんて、会社から帰宅した夫に妻が聞くシーンが、
テレビで昔はありましたね。

ドラマならこれで終わりますが、
コントならこの後に「寝る?」って付くのが
お決まりだったように記憶してます。

そういう会話が成立したのは多分、
「ご主人さま」っていう言葉が死語になってない、
毎朝出社する夫を三つ指突いて送り出す
といった習慣がまだ残っている頃ことでしょう。

ま、そういうのは往々にして良家の話で、
一般的な家庭でしていたかどうか
定かではないんですけど・・・あせる

建築史家の藤森照信氏が、
「天下無双の建築学入門」の中で、
「その昔、風呂というのはごちそうだった」と述べてます。

なぜか。藤森氏に従えば、
「貴重な燃料と水を大量に費やす風呂という施設は、
都会であろうが田舎であろうが、
おおかたの人々にとって共同利用」するしかない、
なんとも贅沢なものであったというのですな。

でも、今ではそういう贅沢にも慣れ、
天然の温泉ならともかく、普通の風呂である、
家風呂などを「ごちそう」と思うことは少ないでしょうね。
高価な入浴剤を入れたり、
足を湯船でいっぱいに伸ばせたら別でしょうが・・・汗

えとですね、この前、散歩してたら、
おじさんが薪を割っとるんですよ、斧で。
これを見てたらどうしてもやりたくなりましてね、
その方に「僕にもやらせてください」と頼みました。

すると、快いお返事をいただき、
薪割り初体験となったのでございます。

見てるのとやるのとでは大違い。
思うように斧を振れないんですね。
割る木のど真ん中にめがけて振り出しても、
悲しいことに右や左にずれちゃう。

こうならヤケよ、とばかりに力を入れれば、
あっという間に疲れちゃって斧が振れない。
だから、チョコチョコってしてすぐおじさんと交代。
なんとも情けないことでしょぼん

本当はね、疲れてからが勝負なんでしょうが・・・

しかしね、この薪で沸かした風呂に入れば、
さぞかし贅沢な気分に浸れるんでしょうけどね。

さすがに、風呂にまで入れてくれ、
とはおじさんに頼めませんから、
グリーンツーリズムか何かで
薪割りの風呂を体験しようかしら。
もちろん、自分で割った薪でね。

そうなれば、極楽でしょうなぁ温泉


まな板三寸 どぜうの旨煮-ごえもん風呂



















薬院をふらついていた時のこと。

僕らは、ある小さなレストランを発見しました男の子女の子

その時分、ちょうど空腹だったので、
少し迷ったけど、この店に入ることに。

空腹とは、大人を冒険者へと駆り立てますな。

外観から十分に推察されるとおりの、
そう広くない店内はここが誕生して
長い月日が経過していることを、
十二分に物語ってくれます。

お料理の方も同様にとてもクラシカルで、
といっても古めかしい訳ではなく、
フレンチとはこういうものだったよね、
とあらためてその良さを教えくれるもの。

それは今あるフレンチへのアンチテーゼでもあり、
また、ここのシェフが敬愛する、
20世紀最高の料理人のひとりであり、
ヌーヴェル・キュイジーヌの創始者、生みの親と呼ばれる、
フェルナン・ポワンへのオマージュと言えるのかもしれませんねワイン

加えて、ここの楽しみはシェフとの語らい、
という客人も少なくないでしょう。

料理、ワインに限らず、政治、経済、科学、etc・・・
難解な話題を物ともせず、歯に衣着せぬ語り口は、
軟弱なる時代への憤りもあるのでしょうけど、
次はもっと勉強して来ようと客に思わせるに十分なものです。

好き嫌いがはっきりするお店かもしれませんが、
非常に稀な、とてもいいお店だと思いますニコニコ

ア・ラ・メゾン
福岡県福岡市中央区渡辺通り2-3-8 カステリアマンション1F
TEL:092-733-3216


まな板三寸 どぜうの旨煮-フェルナン・ポワン






















しっかし、給料が全然上がりませんね。

こんなこと、米国の言いなりとも批判されている小泉改革、
いわゆる日本版サッチャーリズムの前までは
無かったのではないかな、て漠然と感じています。

で、その改革には、規制緩和、福祉・教育の切り捨て、
国家機能の一部民営化などなどがあげられますけど、
やっぱり一番は、今も新聞の紙面をにぎわす、
郵政の民営化でありますな。

2004年に出版された「デモクラシーの冒険」の中で、
著者のひとりのテッサ・モーリス-スズキさんが、
「民営化というのは、単純に国家から私企業へ
管理の権限が委譲されるということではなく、
国家と私企業との新しい癒着を誘発」する、
と指摘していますあせる

なるほど、鳩山邦夫さんが首になるわけだ。
国も絡んでたんだね、あれには。

でも、当時、小泉さんを支持する人は
とっても多かったですよね。
自慢ではないですが、
私は一度も支持をした憶えはないけど。

たしか、一番多くって8割くらいの国民が、
マスコミも一緒になって、
小泉さんを支持していたように記憶してますわ。

ちなみに、今でさえ支持をする、
言うなれば小泉総理再登板を望んでいる人がいますね。
どんな人たちなんでしょう。
お金持ちなら判らぬこともないですが、
もし庶民ならば、悲劇的かなって汗

これって前出した本の
もうひとりの著者、姜尚中さんが云う、
「人民投票の結果選ばれた一人の賢者による
専制支配への待望論」なのかしら。

それって「民主主義」を否定することなのに。

国と企業が談合し、庶民は虐げられ、
そして虐げられた者が望むは独裁者。

なんか、この先、真っ暗闇じゃぁ、ございやせんか・・・ショック!


まな板三寸 どぜうの旨煮-郵政民営化とは!?














始末するというのはなかなか大変ですな。

ここでの始末は、ものを粗末にしない、
捨てない、使い切る、ていう意味の始末ねにひひ

何でもそうですが、言うは容易いけど、
実行するのは結構難儀でして、
結局始末できずに捨てているのも少なくないです。

野菜の皮なんかはしょうがない、
と諦めもつくのですが、
使い切れずに腐らせてしまった、
または賞味期限がはるか昔にすぎてしまった、
などの食材を見る度に、もったいなかったなぁ、
と一人つぶやくのでありますしょぼん

これは日本をうまく飼いならしたアメリカでも
私と同じようなことをする人があるらしく、
たくさんの食材を捨てていると
かの地の有名なシェフであり、
また本も書いているLidia Bastianichさんが
雑誌「TIME」(june 22,2009)で指摘してます。

捨てたらいけんたい。
ちゃんと食べきらんといかんばい、
と始末の方法を載せてあります。有り難いラブラブ

例えば、パン食パン

食べきれずにそのまましてて、
堅くなっちゃうことってよくありますな。

で、どうすればよいか。
まず、パンを1cmくらいのサイコロ状に切りまして、
それと季節の野菜、トマトでもキュウリでも、
あとオリーブオイル、ビネガーを入れて和えます。
はい、これだけ。あっという間に完成。

でも、すぐに食べないで。
リディア先生曰く、一時置くことで、
パンがめちゃんこジューシーで、
且つ美味しくなるからってべーっだ!

だけど、これ、先生のオリジナルではなく、
Panzenellaっていうイタリア料理。

Wikipediaで調べると、
これはトスカーナ州とかで食べられている料理で、
なんていうんですかねぇ、
日本では冷蔵庫の残り物で炒飯を作るように、
なんでも入れて作っても大丈夫みたい。

「残り物サラダ」って感じかしら。

他にもレシピが載ってますけど、
長くなるのでやめますが、
でも、こういう始末するのって、
イタリアで生まれた先生も言うてますけどね、
家庭環境が大きく影響すると思いますわ。

神門善久氏「日本の食と農」で中で
こういうのがありました。それは、
最近のお母さんが、「今日はごちそうよ」と言って、
いつものスーパーの惣菜ではなく、
デパチカ、ホテイチのおかずを買ってくると・・・汗

このような家庭環境から食材を始末する、
なんていう発想が生まれる訳がないんですよね。

そういう私も、あと数分もしたら、
始末なんてすっかり忘れちゃうんですな。


まな板三寸 どぜうの旨煮-残り物のサラダ!?



















精進料理に興味があります。

それは高いお金を出して、
お寺さんなんかで食べるものではなく、
あくまで自分の家で出来る範囲での
精進料理となりますが。

要するに精進料理尽くし、
なんていうのには
あまり興味がないのでありますなシラー

食卓にちょこちょこっと副菜として載せる、
この程度で十分なのです、私は。

人間なんでもバランスが大事ですから、
肉も魚も野菜も果物も、好き嫌いなく
頂戴するのがよろしかと思うのでありまして、
あまり偏った食事をすると
人間としても堅物になってしまうような
気がしてなりませぬ。

私の偏向した考え方で何ですが汗

最近購入した、
禅寺で料理番、いわゆる典座として修行された
藤井宗哲氏の「禅寺の精進料理十二ヶ月」を
読みますとね、あながち間違ってないかも、
そう思えてくるのでありますな。

例えば、辛口の日本酒は肉体労働者の飲み物とし、
また、精進の和え物に砂糖を使うのを野暮と言っています。

なるほど、汗水たらして外で働く人をさげすみ、
味噌、醤油、味醂は良くっても砂糖はダメと・・・ショック!

こういうとこだけを抽出したのは意地悪いというか、
なんとも申し訳ない気はするんだけど、
ま、御仏に仕えた身でありますからね、
何かおかしいなって感じてしまうのです。
人間にも調味料にも差をつけるのはどうかなって。

あんまり囚われすぎるといけんようですな。
と言って、何にも囚われないもどうかと思うけど。

福岡にも禅寺がありますね。
多分、朝昼はわかりませんが、
夜は精進料理だけでなく、
肉も魚もちゃんと食べていることでしょうおうし座

だって、サライの「定番・朝めし自慢」に載る、
龍源寺前住職の松原泰道氏も
「若い頃は肉も魚も食べた」って言ってるし・・・

でも、そっちの方が安心しますな、こうなるとべーっだ!


まな板三寸 どぜうの旨煮-朝、粥では力がはいらぬぞ