追悼 久我美子さん | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

銀幕と緑のピッチとインクの匂い

映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 

俳優の久我美子さんが、今月9日に誤嚥性肺炎で亡くなっていたことが、所属事務所の株式会社ワタナベエンターテインメントから14日に発表されました。享年93。

 

久我さんは1931年1月21日、東京市(現・東京都新宿区)牛込生まれ。父は元侯爵で貴族院議員。46年、女子学習院(女学校課程)在学中、第一期東宝ニューフェイスに合格。翌年には女子学習院を中退し、『四つの恋の物語』で映画デビューを果たしました。  

 

54年、映画監督の故・木下惠介氏の『女の園』の撮影中、久我さんと俳優の岸惠子は「女だけのプロダクションをつくろう」と意気投合。同年4月16日、有馬稲子を加え「文芸プロダクションにんじんくらぶ」を設立しました。

 

61年には俳優の故・平田昭彦さんと結婚。69年より約1年間、『3時のあなた』の司会を務めるなど、70年代以降はテレビ・ドラマ・舞台を中心に活躍しました。

 

89年には、映画『ゴジラvsビオランテ』に亡き夫・平田さんの遺志を受け継いで女性官房長官役で出演していました。 

 

好きな女優さんでした。特に有名なのは、ガラス越しのキス・シーンがロマンティックだった映画『また逢う日まで』でしょう。

 

NHKの朝の連続テレビ小説に対抗して放映されていたTBSのポーラ連続テレビ小説で、安田成美の母親役を演じていたのが印象的でした。安田成美が、ロシア人に恋する話だったと思います。ポーラのテレビ小説は、ヒロインが樋口可奈子とか、安田成美とか、NHKのテレビ小説のヒロインより美人なのが売りでした。