「あっち、皆さんあっちへ逃げて!」。 ロシア・モスクワ郊外のコンサートホールで22日夜に起きた銃乱射事件では、会場でアルバイトとして働く少年が、避難する来場者を誘導し100人以上の命を救った。複数の現地メディアが24日、大きく伝えた。
少年は学校8年生(中学生に相当)のイスラム・ハリロフさん(15)。上着などを預かるクローク担当として夕方に出勤した。最初は「騒がしい連中が来たな」と思っただけだったが、銃声と逃げ惑う人で、すぐに事態を把握した。 実行犯らは1階ロビーからホールに侵入してきたため、正面玄関に向かって避難するのは危険だ。ハリロフさんは、来場者が本来通れない従業員通用口を開放。いつ撃たれるか分からない中、叫び声を上げて人々を誘導し、完了を見届けて自分は最後に出た。他にもアルバイトの少年3人が同様の行動を取ったという。 「非常時の訓練はいつも受けている」とハリロフさん。それでも現地メディアは、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張するテロが「誰も予期できないほどの非常時だ」とし、冷静で勇気ある対応を称賛した。 ハリロフさんは南部ダゲスタン共和国出身で、イスラム教徒の家庭に育った。「母親は無事を知り、泣いていた。自分は男性が撃たれた光景が頭から離れない」。テロで傷ついたロシア社会から英雄視されても、本人は「仕事の一つ。目の前で100人が死ぬくらいなら、自分が犠牲になった方がいい」と謙虚に話した。
こんな記事が載っていました。凄い!15歳のアルバイトの少年、凄すぎる。普通の人がこんな勇気ある行動をとれるでしょうか。しかも、お客さんを全員逃がして自分が最後に逃げたって。アルバイトにそこまでの責任があるんでしょうか。もし私だったら、お客さんたちに、ここから逃げられますよ、と声をかけてから、真っ先に逃げてしまうと思う……。しかも、この少年、イスラム教徒なんですよね。穏健派のイスラム教徒の人たちは、コーランには殺生をしては駄目と書いてある、と言いますが、ISやタリバンや、その他テロをし放題でイスラム教徒のイメージはどうしても悪くなりがちでした。こんなイスラム教徒もいるんですね。本当に偉いよ、この少年。表彰してあげて欲しいけれど、プーチンから表彰されても嬉しくないかもしれないですね。