前回までの『プリズン・ブレイク』第16話「フォックスリバーへの道」 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 今回はちょっと中休みを兼ねているのか、それぞれが何故フォックスリバー刑務所へ入ったか、の回想物語でした。「フォックスリバーへの道」って言ったら、何か夢や希望を叶えるための道程かと思うけれど、行き先が刑務所ですからね……。まあとにかく、こんな展開もたまには良いなと思いました。


 今回の話で納得出来たのが、マイケルが兄を助けるために刑務所入りまでしたその理由。今までは、ひたすら深い兄弟愛ゆえかと思っていました。それにしても良くやるな、と。でも、勿論根底に兄弟愛があったのに間違いはないのだけれど、マイケルの深い悔恨故の行動でした。フラフラと何をしているのやら良くわからないリンカーンに対して、マイケルの方は設計事務所に勤めて、エリートの道まっしぐら。そして、いつもトラブルに巻き込まれる兄に、マイケルは厳しい言葉を投げつけます。「俺は母さんの保険金で勉強して、今の地位を築いた。兄貴は、兄弟で分けた保険金の半額を何に使ったんだ!?」。きびしーい一言。でも、保険金なんてなかったんですね。リンカーンが巨額の借金をして、マイケルに教育資金を渡していた。それを知った時、マイケルの中で深い深い言葉にならない悔恨が沸き上がったのでしょう。


 兄弟だけではなくて、他のメンバーのフォックスリバーへの道も語られました。シーノートは、ひたすら気の毒の一語につきます。今ひとつ性格がつかめなかったんだけれど、同情されるキャラに生まれ変わりそうな予感。それに比べて、スクレは言い訳のしようがない。ホント、根っこは良い奴なんですが、単細胞としか言いようのないその行動。お金の必要性だって、生きるか死ぬかってわけでもなく、彼女に良いところ見せたいだけじゃない。まあ、それでもやっぱり憎めないキャラなんですけれどね。


 ティーバッグは、もう想像通りというか。ドアを開けたら、ニターッ(ニコッのつもりかもしれないが)と笑ったティーバッグがいるなんて、一種のホラーです。「愛していたんだ」なんて言われても、この人は信用出来ません。この人が脱走したら、あの女性はどうなる!?


 とってもびっくりしたのが、タンクレディ医師の過去。知事の娘が、刑務所の医師になるなんて何かあるんだろうとは思ったけれど、単に父に対する反撥なのかと思ってました。そうには違いないのだけれど、その反撥は薬物依存という全然違う方向に出ていたんですね。自分もそういう荒れた時代があったから、どことなく囚人に共感してしまうところがあるのかもしれない。まあ、彼女の場合マイケルに対してだけだけど(笑)。


 こんな風に過去がわかってくると、各キャラクターに対する愛着も一層湧こうというものです。


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